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第6章270話:ルーガの訪問

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私は告げる。

「まあ、父上が早々に決着をつけてくれることを、祈るしかありませんわ」

私の父ルーガが、今回の戦争の総指揮官である。

数々の戦争を制した実績のある父上なら、すぐに戦争を終わらせてくれるに違いない。

……と。

思っていた、そのとき。

トントン。

部屋の扉を叩く音がした。

やってきたのは執事である。

「ルチル様。ルーガ様がお見えです」

「……父上が?」

「はい。こちらへお通ししてもよろしいでしょうか」

「え、ええ……」

と、私は許可する。

ややあって、父上がリビングへとやってきた。

公爵邸にいるときとは違って、父上は、将軍が着用する立派な軍服に身を包んでいる。

エドゥアルトやフランカは席を立ち、アリアの横に並ぶ。

「久しぶりだな、ルチル。他の者たちも、ごきげんよう」

と、全員に挨拶をした。

エドゥアルトやフランカ、アリアたちは静かに目礼する。

父上が椅子に着席する。

私は姿勢を正しつつ、尋ねた。

「お久しぶりです、父上。……本日は、どのようなご用件で?」

父が意味もなく、この屋敷を訪れることはない。

ましてや、このタイミング。

おそらく戦争に関わる話だろう。

父上は真剣な声音で言った。

「ああ、ジルフィンド公国との戦争に関してだ。単刀直入に言おう。ルチル、お前も此度こたびの戦争に参加せよ」

「ええ!?」

と、私は驚きの声をあげる。
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