グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第4章225話:観客の反応2

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ゼリスの斬撃。

空振る。

空振る。

空振る。

三連続で空振る。

四度目の斬撃。

その芯をとらえるように、私はキレのある斬撃を放つ。

「きゃあっ!!?」

ゼリスが吹っ飛ばされて、転んだ。

そこに、私はやはり、切っ先を突きつける。

観客たちがざわめく。





「これもうルチル様の勝ちだろ」

「なんで審判はジャッジしないんだ?」

「ゼリス、ダッセ」

「見苦しいにも程がありますわ」

「結局、ルチル様が順当に強かっただけですわね」

「むしろ、ゼリスさんが剣術12位というほうが、信じられなくなってきました。彼女のほうが不正なんじゃないかしら?」

「ルチル様に不正なんてなかったな」

「当然だろ。ルチル様がめちゃくちゃ強いのは、剣術学部生ならみんな知ってる」

「相手は軍司令官のご令嬢だぞ。子爵令嬢ごときが勝てるわけねーんだよ」





観客のざわめきを聞いている限り、ゼリスの味方はほとんどいない。

私が公爵令嬢だから、おいそれと悪口をいえないということもあるだろうが……

それ以上に、ゼリスの言動や態度がひどすぎた。

証拠もなく言いがかりをつけてきたり――――

あきらかに負けているのに、敗北を認めず、決闘を続行しようとしてきたり―――――

審判に対してまで買収の疑惑をぶつけたり――――

やりたい放題である。

だから、純粋に観客たちも、ゼリスの振る舞いを不快に思っていたのだろう。

誰もが、見るに堪えない、といった様子で、ゼリスの行動を見つめていた。


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