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第4章218話:決闘の話題

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決闘の噂は、即座に大学を駆けめぐった。

いつ決闘するのか。

なぜ決闘をするのか。

互いの主張や要求はなんなのか。

そういった話が、盛んに語られた。

しかし。

当たり前といえば当たり前かもしれないが、下馬評げばひょうはゼリス敗北が濃厚であった。

「まあ、どうせルチル様が勝つよな」

「逆転はないわよね」

「さすがに実力が違いすぎるよな。なんで子爵令嬢さんは、ルチル様に喧嘩売ったんだろ?」

「無謀ですよね」

「決闘、見に行くか?」

「私は見に行くつもりですわよ」





ちなみに。

ティールームでは、マキが怒り狂っていた。

「あの女……! 剣術1位のルチル様に喧嘩を売るとは、身の程知らずにも程がありますねッ!」

フランカも困惑の言葉を口にする。

「どうしてルチル様に決闘なんて……。ルチル様は、不正なんてしてませんよね?」

私は弁解した。

「しているわけないでしょう。言いがかりですわ」

エドゥアルトは、私に耳打ちをしてくる。

「まさか……殿下がけしかけた可能性もあったりするのでしょうか」

エドゥアルトは、アレックスと私が険悪な仲であると知っている。

だから、そのような推測が浮かんだのであろうが……

「それはないと思いますわよ」

と、答えておいた。

アレックスは今まで、こうも直接的な行動に出たことはない。

私のことをうとましく思っていても、大人しくしていた。

今回、ゼリスが私に決闘を申し込んできたのは、ゼリスの独断か……

あるいはゼリスの提案で、アレックスが了承した流れだろう。

「でも……ルチル様なら、勝てますよね?」

と、フランカは聞いてくる。

私は微笑みながら答えた。

「もちろんですわ。必ず勝利して、事実無根の疑いは晴らさせていただきますわよ」

ゼリスに負けるというビジョンは浮かばない。

しかし、勝負に油断は禁物だ。

一応、気を引き締めていこう。
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