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第4章208話:マキ視点3
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<マキ視点・続き>
マキは告げた。
「私は、辺境伯の娘、マキ・フォレステールです」
「はぁ……」
ゼリスは、本にしおりを挟んでから閉じた。
それから立ち上がって、尋ねてくる。
「お初にお目にかかります、マキ様。何の御用でしょうか? ……いえ、それ以前に、どうして私のことをご存知なのですか?」
「私は、公爵令嬢ルチル・ミアストーン様の取り巻きです」
「……!」
「あなたは最近、アレックス殿下と懇意にされておられるようですね? もう、ここまで言えば、何が言いたいのかおわかりでしょう。――――殿下から身を引きなさい。殿下は、子爵令嬢ごときが、言い寄っていい身分ではありませんよ」
マキはハッキリと告げた。
ゼリスは顔をしかめて、答えた。
「イヤです」
「……なんですって?」
「イヤだ、とお答えしました。なぜ、あなたに私たちの仲をとやかく言われないといけないのですか?」
マキはカッとなって言い放つ。
「口の利き方に気をつけなさい! 私は辺境伯の娘ですよ!?」
「身分を傘に着るんですか? 私は、アレックス様によくしてもらっています。あなたに圧力をかけられたと、アレックス様に告げ口しますよ?」
「なっ……」
ゼリスがアレックスを盾にして、言い負かそうとしてくる。
マキは一瞬、言いよどむ。
マキは告げた。
「私は、辺境伯の娘、マキ・フォレステールです」
「はぁ……」
ゼリスは、本にしおりを挟んでから閉じた。
それから立ち上がって、尋ねてくる。
「お初にお目にかかります、マキ様。何の御用でしょうか? ……いえ、それ以前に、どうして私のことをご存知なのですか?」
「私は、公爵令嬢ルチル・ミアストーン様の取り巻きです」
「……!」
「あなたは最近、アレックス殿下と懇意にされておられるようですね? もう、ここまで言えば、何が言いたいのかおわかりでしょう。――――殿下から身を引きなさい。殿下は、子爵令嬢ごときが、言い寄っていい身分ではありませんよ」
マキはハッキリと告げた。
ゼリスは顔をしかめて、答えた。
「イヤです」
「……なんですって?」
「イヤだ、とお答えしました。なぜ、あなたに私たちの仲をとやかく言われないといけないのですか?」
マキはカッとなって言い放つ。
「口の利き方に気をつけなさい! 私は辺境伯の娘ですよ!?」
「身分を傘に着るんですか? 私は、アレックス様によくしてもらっています。あなたに圧力をかけられたと、アレックス様に告げ口しますよ?」
「なっ……」
ゼリスがアレックスを盾にして、言い負かそうとしてくる。
マキは一瞬、言いよどむ。
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