200 / 578
第4章200話:アレックス視点3
しおりを挟む
だが。
このときのアレックスは、心が弱っていた。
だから、まあ、話し相手ぐらいにはさせてやろうと思った。
「……ならば隣に座れ」
「よろしいのですか?」
「ああ。お前に、とあるクズの話をしてやる。話を聞いた上で、感想を聞かせろ」
とあるクズ―――ルチルの話を聞かせてやろう。
ルチルが、どれだけ身勝手で、承認欲求が強く、王族の自分に敬意を払わない、最低の礼儀知らずであるかということを――――
そう思ったアレックスは、ゼリスを隣に座らせて、語り始めた。
ルチルへの不満を話す。
自分の抱えていた気持ちも話す。
どうやらゼリスは聞き上手なのか、アレックスはつい、興が乗ってしまった。
しばし話し込んでしまう。
最後に、以下のように締めくくった。
「――――といった具合で、私の婚約者は、どうしようもないクズなのだ。ヤツのせいで、私の名誉はダダ下がりだ」
もちろん、これらはほとんどアレックスの被害妄想なのだが……
アレックス視点からみると、ルチルは、自分をおとしいれる悪女なのだった。
「なるほど……」
と、ゼリスはつぶやいた。
どうせゼリスも、ルチルの味方なのだろうな……と、アレックスはなかば諦めのような気持でいたが。
ゼリスはハッキリと断言した。
「殿下の婚約者……ルチル様は、ひどいお方ですね!」
―――――――
おしらせ:
感想欄を解放しました!
感想コメント、レビュー、ご意見等、お待ちしておりますので、お気軽にご投稿ください!
このときのアレックスは、心が弱っていた。
だから、まあ、話し相手ぐらいにはさせてやろうと思った。
「……ならば隣に座れ」
「よろしいのですか?」
「ああ。お前に、とあるクズの話をしてやる。話を聞いた上で、感想を聞かせろ」
とあるクズ―――ルチルの話を聞かせてやろう。
ルチルが、どれだけ身勝手で、承認欲求が強く、王族の自分に敬意を払わない、最低の礼儀知らずであるかということを――――
そう思ったアレックスは、ゼリスを隣に座らせて、語り始めた。
ルチルへの不満を話す。
自分の抱えていた気持ちも話す。
どうやらゼリスは聞き上手なのか、アレックスはつい、興が乗ってしまった。
しばし話し込んでしまう。
最後に、以下のように締めくくった。
「――――といった具合で、私の婚約者は、どうしようもないクズなのだ。ヤツのせいで、私の名誉はダダ下がりだ」
もちろん、これらはほとんどアレックスの被害妄想なのだが……
アレックス視点からみると、ルチルは、自分をおとしいれる悪女なのだった。
「なるほど……」
と、ゼリスはつぶやいた。
どうせゼリスも、ルチルの味方なのだろうな……と、アレックスはなかば諦めのような気持でいたが。
ゼリスはハッキリと断言した。
「殿下の婚約者……ルチル様は、ひどいお方ですね!」
―――――――
おしらせ:
感想欄を解放しました!
感想コメント、レビュー、ご意見等、お待ちしておりますので、お気軽にご投稿ください!
115
お気に入りに追加
3,385
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる