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第3章167話:商学部

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午後。

3限目。

商学部の棟にいく。

すると、あっという間に学生たちに取り囲まれた。

「ルチル様だぞ!?」

「ルチル様、わが商会と提携していただけませんか?」

「商売のコツを教えてください!」

「マヨネーズもドレッシングも素敵でした!」

「ルチル様、見てくださいこの髪! ルチル商会のトリートメントで、こんなに綺麗になったんです!」

そうか。

私が、ルチル商会の会長だから、商学部では有名なのかもしれない。

純粋にあこがれの目を向けてくる者たち。

商機を得るチャンスとばかりに目をギラつかせる者たち。

色々だ。

ただ……

ルチル商会の成功は、前世の知識チートのおかげ。

あとはアリアが動き回って、勝手に商圏を広げてくれたからだ。

だから私に教えられることはない。

「ご、ごめんあそばせ! 体験講義に来ただけですので~!」

私はそう告げて、逃げるように学生たちから離れていった。





そして駆け足でお目当ての講義室に入る。

すると。

「おふっ!?」

「ぬっ!!」

誰かにぶつかった。

「すまない。大丈夫か?」

「いえ……こちらこそ、ぶつかってしまい申し訳あり――――」

口をつぐむ。

あれ……

見覚えあるぞ、この人。

「クラウス王子! 大丈夫ですか!?」

周囲にいた取り巻きが言った。

王子、と。

そうだ。

この人……第二王子だ!

クラウス・ディ・ラ・クランネル。

パーティーなどでお見かけしたことがあるのを思い出した。
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