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第3章155話:点数

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と、そのとき。

「見て、ルチル様が来たわよ」

「きゃー! ルチル様ー!」

「ああ、首席の」

「数学満点だっけ」

「見ろ。600点満点中562点だとよ。ぶっちぎりだな」

口々に評する声。

「ふふ。すっかり有名人ですね、ルチル様」

マキが嬉しそうに言ってくる。

新入生代表の挨拶を務めたことで、ルチル・ミアストーンの名前と顔は、新入生に知れ渡ってしまった。

1回生の間では、マキの言う通り、有名人であった。

(まあ、それはそれとして……私の順位は、と)

実技試験の順位を探す。

……あった。

42位か。

うーん、まあ可もなく不可もなくだ。

魔法学部は一番人数が多く、今年の新入生は90名もいる。

そのうち42位とするなら、だいたい真ん中ぐらい。

あるいはそれよりちょっと上だ。

「マキは……あら、9位ですわね。トップテン入りとは、頑張りましたわね」

「こ、これは、申し訳ありません! ルチル様を差し置いて、その……」

「何故謝る必要があるんですの? わたくしに遠慮する必要はありませんわよ」

私は本気でやって負けたなら、素直に受け入れるつもりだ。

アレックスみたいに、相手にわざと負けろ、と要求するのはクズの所業だ。

「マキ。これからもわたくしに忖度せず、試験では全力で臨みなさい。手加減することは許しませんわ」

「ルチル様……」

マキが目を見開いた。

それから微笑んで言った。

「はい。では、そうさせていただきます」

そうマキが告げる。




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