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第3章144話:講堂

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講堂に辿り着く。

堂内どうないに入ると、そこは広い空間だった。

長椅子ながいすが並べられている。

前方のほうには講壇こうだんとなる台が置かれていた。

新入生たちのにぎわい。

フレッシュで清新な空気。

うん、入学日って感じがするなぁ。

すでに多くの学生が着席し始めている。

私は言った。

「わたくしたちも座りましょうか」

「ルチル様……私はここで」

エドゥアルトがそう主張してきた。

まあ、エドゥアルトは新入生ではないからね。

「わかりましたわ。また後で」

「はい」

エドゥアルトが去っていった。




さて、どこか適当な席にでも座ろう。

そう思ったときだった。

「久しぶりじゃな。ルチル!」

呼びかけられて振り返る。

「……ごきげんよう。ルビーロッド」

そこに立っていたのは公爵令嬢ルビーロッドだった。

ゲームにおいて、主人公たちの良き相談者そうだんしゃとして活躍してくれたキャラだ。

「なあ、聞いたかルチルよ」

「何をですの?」

「実は、わらわは入試の成績において、魔法学部の首席だったのじゃ!」

ああ……

そういう設定もあったね、確か。

ちなみに、私は学術試験で首席であって、実技試験は首席ではない。

ルビーロッドの言う首席とは、実技のほうのことだろう。
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