144 / 577
第3章144話:講堂
しおりを挟む講堂に辿り着く。
堂内に入ると、そこは広い空間だった。
長椅子が並べられている。
前方のほうには講壇となる台が置かれていた。
新入生たちのにぎわい。
フレッシュで清新な空気。
うん、入学日って感じがするなぁ。
すでに多くの学生が着席し始めている。
私は言った。
「わたくしたちも座りましょうか」
「ルチル様……私はここで」
エドゥアルトがそう主張してきた。
まあ、エドゥアルトは新入生ではないからね。
「わかりましたわ。また後で」
「はい」
エドゥアルトが去っていった。
さて、どこか適当な席にでも座ろう。
そう思ったときだった。
「久しぶりじゃな。ルチル!」
呼びかけられて振り返る。
「……ごきげんよう。ルビーロッド」
そこに立っていたのは公爵令嬢ルビーロッドだった。
ゲームにおいて、主人公たちの良き相談者として活躍してくれたキャラだ。
「なあ、聞いたかルチルよ」
「何をですの?」
「実は、わらわは入試の成績において、魔法学部の首席だったのじゃ!」
ああ……
そういう設定もあったね、確か。
ちなみに、私は学術試験で首席であって、実技試験は首席ではない。
ルビーロッドの言う首席とは、実技のほうのことだろう。
155
お気に入りに追加
3,381
あなたにおすすめの小説
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
お姉ちゃん今回も我慢してくれる?
あんころもちです
恋愛
「マリィはお姉ちゃんだろ! 妹のリリィにそのおもちゃ譲りなさい!」
「マリィ君は双子の姉なんだろ? 妹のリリィが困っているなら手伝ってやれよ」
「マリィ? いやいや無理だよ。妹のリリィの方が断然可愛いから結婚するならリリィだろ〜」
私が欲しいものをお姉ちゃんが持っていたら全部貰っていた。
代わりにいらないものは全部押し付けて、お姉ちゃんにプレゼントしてあげていた。
お姉ちゃんの婚約者様も貰ったけど、お姉ちゃんは更に位の高い公爵様との婚約が決まったらしい。
ねぇねぇお姉ちゃん公爵様も私にちょうだい?
お姉ちゃんなんだから何でも譲ってくれるよね?
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる