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第3章140話:止める
しおりを挟む私は告げた。
「話が聞こえていましたが、あなたたち、軽くぶつかっただけなのでしょう? なのに、少し騒ぎすぎでは? それぐらい受け流してあげるのが、貴人の振る舞いというものですわよ」
「は、はいいっ! すみませんでしたっ! おい、いくぞ!」
「え、ええ」
貴族の男女はビビったように去っていった。
レオンとラクティア、それから私たちが残される。
「……あんたも、貴族なのか?」
レオンが私に聞いてきた。
私は答えた。
「ええ、そうですわ。それが何か?」
「いや……なんでもねえ」
そっけなく答えて、レオンが立ち去ろうとする。
するとラクティアが呼び止めた。
「あ、あの! かばってくれて、ありがとうございました!」
「……別にかばったわけじゃねえよ」
レオンはそう言って、今度こそ立ち去っていった。
うん、ぶっきらぼうだ!
ゲームと同じでツンツンしてるなぁ。
そんなことを思っていると、マキが怒り出した。
「なんですか、あの男は。せっかくルチル様が助け舟を出してくれたというのに、お礼も言わずに立ち去るとは。礼儀知らずにも程がありますね」
「まあまあ。わたくし、ああいう方は嫌いではありませんわよ」
アレックスみたいなカスよりはマシだしね。
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