グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します！―

第3章127話：受験開始

アレックスに頭のおかしなことを言われたことで。

私はある意味、最高のコンディションで、受験会場へと歩き出す。

すると、近くにいた人が、

「おい……あれ、ルチル様じゃね？」

「それってルチル商会の？」

「あたし、ルチル商会のシャンプーとトリートメントのファンなのよ。ああ、握手したい……」

と、ささやき声を上げていたが、私の耳には聞こえていなかった。





魔法大学の試験は、学術試験と実技試験の二つが行われる。

――――学術試験は、全学部共通ぜんがくぶきょうつうの試験。

どの学部を受ける受験生も、必ず受けなければならない共通試験。

――――対して、実技試験は、学部ごとの試験。

学部ごとに別々の試験がおこなわれ、受験生は、自分が受けたい学部の試験のみ受けることになる。





さて、最初は学術試験。

全６科目、６００点満点のテストだ。

―――１科目目かもくめは現国（現代王国語）。

やたらと記述問題が多くて苦戦した。

満点は無理だろう。

―――２科目目かもくめは外国語。

こちらも記述問題はあったが、簡単だった。

二つも外国語が出てくる科目。

ただ、貴族であれば英才教育で学んでいるはずの言語だ。

しかし、この大学は平民も受ける。

この外国語テストは、平民泣へいみんなかせだろうと思った。

―――３科目目かもくめは数学。

私はにわかにテンションが上がった。

数学が一番得意だからだ。

そしてダイラス魔法大学は数学が難しい大学だとされる。

ぜひ得点源にしたいところだが……。