グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

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第3章122話:受験について

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 俺たちはお化け屋敷に到着した。

雰囲気はさながら洋風の館といったところか。

洋風の館って言ったら、ゲームの舞台によくなるところじゃないか?

てか、某ゲームの最初の舞台じゃなかったか?

確かゾンビが出てくるゲームだっけ。

まさか、現実世界にゾンビがいるとは夢にも思わないだろうな。

俺たちがお化け屋敷の入り口に着くと、店員が元気な声で案内をしてくれる。

「大変です! この館の中で大量の殺人事件が起きました!」

おぉ、これは設定か。

いきなり、大量殺人ね。

てか、毎回この館は大量殺人が起きてんのか?

取り壊せそんな館は。

「この館の真相を皆さんで解き明かしてください!」

なるほど、謎解き要素も入ったお化け屋敷は面白いな。

ただ、入って驚くだけじゃないということか。

「え~っと、3名でお願いします」

「ありがとうございます、大人3名で1500円です」

俺は3名の代金を支払った。

「ありがとうございます、それではこちらをお持ちください」

そういって渡されたのは、手持ち用のランプだ。

「中は、薄暗いので、こちらで周りを照らしながらお進みください」

ランプが無いと見えにくいということね。

設定はしっかりしているな。

「それではご主人さん行ってらっしゃい」

ん?

「えっ? 俺1人?」

「そうですよ? 二人一組なので」

マジか!?

俺あぶれたってことか。

別にそこまで怖がりではないが、さすがに美鈴と離れるのは危険すぎるだろ!

「どんまいパパ。怖くなって下がってこないでよ」

ある意味怖いけどな。

美鈴が人襲わないか心配なだけで。

でも、先に行かないと意味がなさそうだな。

俺は、仕方なく先に館の中に入ることにした。

「おぉ、暗いなぁ」

館の中は薄暗く、壁に掛けられた燭台と、手に持っているランプだけが頼りだ。

俺は慎重に館の中を進んでいく。

「きゃぁぁぁ!」

先に入っていった人達の悲鳴が聞こえる。

さてと、謎解きをしていかないとな。

俺は壁に掛けられた張り紙を読んだ。

『左は行き止まり、右は行き止まり』

!?

意味わからん。

どういうこと?

頭をひねったが、まったく理解ができない。

とりあえず左に行こうか。

俺は左に進んだが、後ろから何か気配を感じた。

ズズズッ

何かを引きずっている。

少しずつ怖くなった俺は、そのまま左を突き進んだ。

しばらくすると行き止まりになっている。

そりゃそうか、行き止まりってあったもんな。

俺は仕方なく、後ろを振り返ってきた道を戻ろうとした。

「うがぁぁぁぁ!」

目の前にはゾンビが口を開けていた。

「あぁぁぁぁぁ!」

俺は思わず、避けてきた道を走って帰る。

びっくりした!

後ろからきているの忘れてたよ。

もう一回張り紙でも見るか。

「え~っと、左も右も行き止まりなんだよな」

張り紙には特に何か仕掛けがあるわけではなさそうだし。

待てよ、左も右もダメなら……真ん中は?

俺は張り紙の周りをランプで照らした。

館の壁が途中で途切れていることに気づく。

恐る恐る手で壁を押す。

ギィィィッ

壁は扉のように開き先に進むことができるようになっている。

「ほおぉ、なるほどな」

思ったよりしっかりとした謎解きで感心してしまった。

俺は扉の先に進む。

今度は広い場所に出た。

そこにはおもちゃで作られたであろう大量の人形が雑に置かれている。

中には刃物が刺さっていたり、

赤い絵の具で血を表現していたりと凝っている。

ここで大量殺人が起きたってことだな。

すると、後ろから扉が開く音がする。

また、ゾンビか。

もう大丈夫だぞ、振り向くまでどうせ声を出さないんだろう。

「グルルゥ」

とても低い声がする。

え、そういう演出もある?

ちょっと怖いんだけど。

俺はゆっくりと後ろを振り返る。

「がぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁぁ! また出たー! ってママじゃねぇかよ!」

美鈴はここまで1人で来たようで花音の姿が見当たらなかった。
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