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第2章103話:買い物

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食後。

夜。

私は部屋でのんびりしていた。

何をするでもなく、グラスを揺らしながら、窓の外を眺める。

夜の海は静かだ。

二つの月影つきかげが水平線から海洋かいように落ちている。

詩でも読みたくなる気分だ。

なかなか酔いが回ってきた。

このグラスは、結構酒精が強いようだ。

ほんのり甘味があって、口当たりがよく、ついつい飲んでしまう。

今日はこのぐらいにしておいたほうがいいな。

「さて……そろそろ寝ようかしら」

私はベッドに倒れこむ。

宿の夜が過ぎていった。




翌朝。

早朝に起きて、朝風呂に入る。

旅行といえば朝風呂だと私は思う。

まだ太陽の昇っていない薄明はくめいのなかで、湯舟ゆぶねに浸かるのが最高なのだ。

そして。

やはりこの宿屋の朝風呂は格別で。

「わぁ……」

窓からの見えるのは、朝焼けに染まる海。

夕焼けのような赤と、早朝の青が混ざり合って、はっとするような絶景を作り出している。

まさに山紫水明さんしすいめいだ。

この景色を眺めながらの入浴。

なんて優雅なのだろう。

私はまったりした朝風呂を、心ゆくまで満喫した。





そのあと朝食を食べる。

宿のチェックアウトを済ませると、私たちは観光をすることにした。

市場に行って、食料と土産物を買う。

海のほうにいくと、船着ふなつがある。

漁船ぎょせん商船しょうせんが港に出入りしている。

港近みなとちかくには露店がたくさん出ていて、れたての魚が販売されていた。

私はこの機会にいろいろ買っておくことにした。

海魚は、ここで買えば安いけど、内陸で買うと高額だからね。

あと、カニ、タコ、イカなどが激安で売られていたので確保。

この三つは食べ物だと思われていないらしく、ほとんど捨て値だった。

特にカニが100ディリンで売られているとか正気かと思った。

なので露店に売られてるカニは全部買ってやった。

時間停止のアイテムボックスがあるから、いつまでも保存できる。

いつかカニ料理を作るぞ。
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