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第5章168話:オムライス

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春。

ある日のことだった。

私はオムライスを作りたいと思った。

なので【キトレルの街】に出かけた私は、材料を買い込む。

山小屋やまごやに帰宅する。

ちょうど日が暮れ始めたころだった。

「はぁ……腹が減ったな。今日の作業はここまでだ」

薪割まきわりを終えたクレアベル。

彼女は続けて言った。

「さっそくメシにしよう」

私は告げる。

「あの、今日は私が夕食を作ってもいいですか?」

「ん? 急にどうした?」

「ちょっと作ってみたいレシピがありまして。街で食材も買ってきたので、チャレンジしてみたいなと」

街ではトマトと米と卵を手に入れた。

これらを使ってオムライスを作ってみたいと思った。

「そういえば、まだお前たちに、本格的に料理を任せたことがなかったな」

とクレアベルは言う。

これまではずっとクレアベルが料理を作ってくれた。

私とアイリスは料理の手伝いをすることはあっても、料理そのものをこしらえたことはなかった。

「セレナはもう13歳だもんな。よし、いいだろう。やってみろ」

「はい。ありがとうございます」

私は答える。

さっそく調理場ちょうりばに立つ。

異世界はこれが初料理はつりょうり

しかし……もちろん、私は前世で何度も自炊じすいをしている。

記憶だけで、なんとかなる。

「セレナの料理だ、とんでもないものが飛び出してくるかもしれない」

「うん、私も楽しみ! どんな料理が出てくるんだろう?」

「あはは。ほどほどの期待でお願いします」

と、言っておく。

前世の料理が、異世界人いせかいじんの口にあうか、わからないしね。

さて。

料理の許可をもらったので、さっそくキッチンに立つ。

準備を始めた。

鶏肉とりにくを刻む。

たまねぎを刻む。

米をく。

ケチャップは異世界に存在しないので、トマトを使って一から作る。

以上をフライパンでいためてライスが完成。

あとは卵を焼いて……

ライスにかぶせ、ケチャップソースをかけて……

完成だ。
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