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第4章150話:腐敗2
しおりを挟む「俺は周囲にあるものを、腐敗させることができる。【腐敗】といっても、ただ腐らせるだけじゃない。朽ちさせたり、老化させたりすることも可能だ」
ドレアスが説明する。
「人も、物も、獣も、植物も……この世に存在するものは全て、やがて老いる。鮮度をうしない、朽ちていく。それが自然の摂理だ。俺はその摂理を操っている。だから、誰にも俺の【腐敗】を防ぐことはできないんだよ」
ドレアスが近づいてきた。
彼が踏みしめるたびに、足元にある生命たちが、腐り、朽ちていく。
「……」
私はチョコレート魔法を発動した。
ぐいーんと伸ばしたチョコレート・パンチを2つ。
ドレアスに殴りかかる。
しかし。
「……!」
ドレアスに触れる寸前のところで、チョコレート・パンチが急に制止した。
そして。
チョコレート色が急激に、くすんだ色へ変わっていく。
やがてチョコレート・パンチが、ボロボロと崩れていった。
「どうやらお嬢ちゃんの魔法と、俺の能力は、相性が良いようだな」
ドレアスは微笑む。
チョコレートは死なない。
チョコレートは殺せない。
だが。
――――チョコレートは、腐敗する。
私は思う。
(このオッサン……)
もしかして、私の天敵なのでは?
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