異世界に転生すると、私のチートスキルはチョコレート魔法でした!無双&スローライフしながら異世界を生きる物語

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)

文字の大きさ
上 下
136 / 175

第4章135話:髪の色2

しおりを挟む


その予感は的中した。

3日後。

私の髪の右半分みぎはんぶんは、依然としてカカオ色のままで。

髪の左半分ひだりはんぶんだけ、ホワイトチョコレートの色に変わっていた。

頭の真ん中、正中線せいちゅうせんの位置できっぱりと二つの色に分かれている。

「お姉ちゃん、右側だけ髪色、変わったね」

アイリスがいってくる。

アイリスから見れば右、私から見れば左半分の髪が、変色へんしょくしているのだ。

「なんというか……メチャクチャな髪色だな」

と、クレアベルが苦笑した。

異世界人には、こういう二色状態ツートンカラーは珍しく思えるだろう。

私は、鏡を見つめる。

カカオマスが持つ茶色と、ココアバターが持つ黄色は、同じ暖色だんしょくなので、反発はしない。

似合っているかはわからないが、意外に違和感はなかった。

ただ。

(目立つよねぇ……)

と、私は思った。







週末。

昼。

雪が止んでいた、やわらかな晴れの日。

テオくん、ヘンリックくん、ラミサさん、ユズナさんと会う。

冬でも、ときどきは剣術教室が開かれ、剣の練習をしたりしている。

さて、出会ってすぐに、四人の視線が私の髪へと集中した。

開口一番、テオくんが叫ぶ。

「誰だよ、お前!?」

ひどいな。

私だよ、私!

顔でわかるでしょ。

「髪、染めたの?」

とラミサさんが聞いてきた。

「いいえ、実は――――」

と前置きしてから、私は二色髪ツートンヘアになってしまった事情を説明する。

すると、テオくんが笑った。

「チョコレート魔法が髪の色を変えたって? うはは! やっぱりお前、頭おかしいな!」

「おかしいのは頭ではなく髪です! 頭はまともです!」

と、私は訂正を要求した。

ラミサさんが肩をすくめながらいってくる。

「頭はおかしくないと思うけど、魔法はいろいろおかしいと思うわよ」

うん、確かにおかしいね。

チョコレート魔法は、謎多き魔法である。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

漆黒のブリュンヒルデQ

武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
主神オーディンの娘にしてヴァルキリアの主将! 堕天使の宿命を背負いし漆黒の姫騎士!  我が名はブリュンヒルデなるぞ! 漆黒の姫騎士の蹉跌と復活の日々を異世界である東京で紡いでいく。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

闇の錬金術師と三毛猫 ~全種類のポーションが製造可能になったので猫と共にお店でスローライフします~

桜井正宗
ファンタジー
Cランクの平凡な錬金術師・カイリは、宮廷錬金術師に憧れていた。 技術を磨くために大手ギルドに所属。 半年経つとギルドマスターから追放を言い渡された。 理由は、ポーションがまずくて回復力がないからだった。 孤独になったカイリは絶望の中で三毛猫・ヴァルハラと出会う。人語を話す不思議な猫だった。力を与えられ闇の錬金術師に生まれ変わった。 全種類のポーションが製造可能になってしまったのだ。 その力を活かしてお店を開くと、最高のポーションだと国中に広まった。ポーションは飛ぶように売れ、いつの間にかお金持ちに……! その噂を聞きつけた元ギルドも、もう一度やり直さないかとやって来るが――もう遅かった。 カイリは様々なポーションを製造して成り上がっていくのだった。 三毛猫と共に人生の勝ち組へ...!

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

処理中です...