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第4章131話:ジル視点1

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<ジル視点>

ジルは、キトレルの街から遠く離れた都市にいた。

その都市の繁華街はんかがいには、とある酒場さかばがある。

酒場の地下は、裏の人間だけがつどっている。

ジルはそこで、ある人物と会っていた。

「久しぶりだな、ジル」

「ああ、探したぜ。ドレアスさん」

――――ドレアス。

年齢136歳。

大柄な体格。

黒髪のほつれた髪。

鋭い瞳。

シワの刻まれた顔。

ほどよく生えたヒゲ。

危ない雰囲気をかもしているオッサンである。

漆黒しっこく戦闘衣服せんとういふくをまとっている。

ドレアスは、ジルの師匠であった。

もちろん殺し屋である。

「風の噂で聞いたぜ? お前、逮捕されそうになったそうだな」

とドレアスが言った。

「ああ。……まさにその件で、あんたを探していたんだよ」

そう。

ジルは、脱走してからずっとドレアスを探していた。

さんざん自分を侮辱し、圧倒した、憎きセレナを殺すためである。

ジルは、ドレアスに言った。

「あんたの力を貸してくれ。殺してほしいやつがいるんだ」

「ふむ」

「セレナっつーガキだ。俺はそいつにやられて、牢獄にぶち込まれそうになった」

「ガキにやられたのか? それは傑作だな」

「笑い事じゃねえ。あのガキはバケモンだ。だから、あんたの力を借りてえんだよ」

ジルが真剣な顔で、ドレアスに懇願する。
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