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第4章126話:訪問
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かくして私たちはチョコレート・ハウスで暮らし始める。
後日、窓ガラスも購入して、窓つきのチョコレート・ハウスとなった。
さらに数日後。
チョコレート・ハウスに来客があった。
ライネアさんである。
玄関前で、私とクレアベルが応対する。
「ライネア団長……わざわざキトレル山まで参られるなんて、どのようなご用件で?」
とクレアベルが尋ねた。
ライネアさんが答える。
「実は、恥ずかしい話なのだが……ネリアンヌの部下である、ジルに逃げられてな」
「!?」
私は驚愕する。
クレアベルは目を細める。
「ジル……というと、たしかセレナが先日、決闘で戦った相手ですか」
「そのジルだな」
とライネアさんが肯定した。
私は尋ねた。
「ジルさんが脱獄したんですか?」
「正確にいえば牢屋に入る前に逃げたから、脱獄……ではなく脱走だ」
ライネアさんがそう訂正する。
さらに告げた。
「ジルは、セレナさんと決闘をして敗北したと聞く。だからセレナさんに因縁があって、ここを訪れたのではないかと思ったのだが……その様子だと、ここには来てないようだな」
「はい。ここを訪れたのは、今のところ団長だけです」
「そうか」
空振りとわかってライネアさんが、少し残念そうに肩をすくめる。
クレアベルが尋ねる。
「ちなみにネリアンヌ嬢のほうは、脱走してはいないのですか?」
「ああ。ネリアンヌ嬢も、ひどく暴れてはいるものの、ジルほど取り押さえるのに苦労しないからな」
「なるほど」
とクレアベルが納得する。
まとめると、逃亡したのはジルだけらしい。
(うちを襲撃しに来たら面倒だね……)
と私は静かに目を細めた。
内心で、ジルへの殺意を高める。
後日、窓ガラスも購入して、窓つきのチョコレート・ハウスとなった。
さらに数日後。
チョコレート・ハウスに来客があった。
ライネアさんである。
玄関前で、私とクレアベルが応対する。
「ライネア団長……わざわざキトレル山まで参られるなんて、どのようなご用件で?」
とクレアベルが尋ねた。
ライネアさんが答える。
「実は、恥ずかしい話なのだが……ネリアンヌの部下である、ジルに逃げられてな」
「!?」
私は驚愕する。
クレアベルは目を細める。
「ジル……というと、たしかセレナが先日、決闘で戦った相手ですか」
「そのジルだな」
とライネアさんが肯定した。
私は尋ねた。
「ジルさんが脱獄したんですか?」
「正確にいえば牢屋に入る前に逃げたから、脱獄……ではなく脱走だ」
ライネアさんがそう訂正する。
さらに告げた。
「ジルは、セレナさんと決闘をして敗北したと聞く。だからセレナさんに因縁があって、ここを訪れたのではないかと思ったのだが……その様子だと、ここには来てないようだな」
「はい。ここを訪れたのは、今のところ団長だけです」
「そうか」
空振りとわかってライネアさんが、少し残念そうに肩をすくめる。
クレアベルが尋ねる。
「ちなみにネリアンヌ嬢のほうは、脱走してはいないのですか?」
「ああ。ネリアンヌ嬢も、ひどく暴れてはいるものの、ジルほど取り押さえるのに苦労しないからな」
「なるほど」
とクレアベルが納得する。
まとめると、逃亡したのはジルだけらしい。
(うちを襲撃しに来たら面倒だね……)
と私は静かに目を細めた。
内心で、ジルへの殺意を高める。
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