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第3章94話:要求
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ジルが告げる。
「決闘ということは、要求があるはずだよな? 言ってみな」
私は答えた。
「要求は3つあります」
「3つ?」
「はい」
私は以下の3つを述べた。
――――1つ。私と私の関係者には、二度と関わらないこと。直接的・間接的な危害や、嫌がらせレベルのことも全面的に禁止。
――――1つ。壊した山小屋を建て直す費用を全額支払うこと。ならびに、今回の件に関する慰謝料。
――――1つ。処刑の撤回。
この3つを、私が決闘に勝利したときの要求とする。
ネリアンヌが言った。
「わかったわ。ジルが負けたら、私がその3つの要求を飲むわ。こちらの要求は、変わらず処刑ということで」
「はい」
「決闘は……そうね、3日後。キトレルの街、冒険者ギルドにある訓練グラウンドでおこないましょうか?」
「わかりました、それで構いません」
そう答える。
ネリアンヌは微笑みながら、言った。
「ふふ。じゃあ3日後、また会いましょう。絶対に無理だと思うけど、ジルに多少は健闘できることを祈ってるわ」
「あばよ、クソガキ。3日後までにせいぜい首を洗っとけや」
とジルが告げて。
二人は去っていく。
残された私たち。
アイリスが言った。
「お、お姉ちゃん……」
めちゃくちゃ不安げな顔をしている。
私は答えた。
「大丈夫です、アイリス。それに、ごめんなさい。私のせいで、いろいろ面倒なことになってしまって」
「ううん。お姉ちゃんは悪くないもん」
とアイリスは答える。
可愛い妹だ。
「……」
私はふと思う。
決闘を申し込んだのは、早計だっただろうか?
……いや。
どのみち決闘を申し込まなければ、今日処刑されて終わっていた。
避けられない戦いだった。
(勝つしかない……)
私は拳を握り締め、戦意を高めた。
「決闘ということは、要求があるはずだよな? 言ってみな」
私は答えた。
「要求は3つあります」
「3つ?」
「はい」
私は以下の3つを述べた。
――――1つ。私と私の関係者には、二度と関わらないこと。直接的・間接的な危害や、嫌がらせレベルのことも全面的に禁止。
――――1つ。壊した山小屋を建て直す費用を全額支払うこと。ならびに、今回の件に関する慰謝料。
――――1つ。処刑の撤回。
この3つを、私が決闘に勝利したときの要求とする。
ネリアンヌが言った。
「わかったわ。ジルが負けたら、私がその3つの要求を飲むわ。こちらの要求は、変わらず処刑ということで」
「はい」
「決闘は……そうね、3日後。キトレルの街、冒険者ギルドにある訓練グラウンドでおこないましょうか?」
「わかりました、それで構いません」
そう答える。
ネリアンヌは微笑みながら、言った。
「ふふ。じゃあ3日後、また会いましょう。絶対に無理だと思うけど、ジルに多少は健闘できることを祈ってるわ」
「あばよ、クソガキ。3日後までにせいぜい首を洗っとけや」
とジルが告げて。
二人は去っていく。
残された私たち。
アイリスが言った。
「お、お姉ちゃん……」
めちゃくちゃ不安げな顔をしている。
私は答えた。
「大丈夫です、アイリス。それに、ごめんなさい。私のせいで、いろいろ面倒なことになってしまって」
「ううん。お姉ちゃんは悪くないもん」
とアイリスは答える。
可愛い妹だ。
「……」
私はふと思う。
決闘を申し込んだのは、早計だっただろうか?
……いや。
どのみち決闘を申し込まなければ、今日処刑されて終わっていた。
避けられない戦いだった。
(勝つしかない……)
私は拳を握り締め、戦意を高めた。
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