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第3章84話:戦利品2
しおりを挟むあと、もう一つ考えなければいけないことがある。
ネリアンヌのことだ。
―――――実は、ザカルを殺す前に、少しだけ尋問をおこなった。
死の恐怖に飲まれ、完全に屈服していたザカルへの尋問はラクだった。
で、ザカルたちが結局、山で何をしていたのか問うたところ……
ネリアンヌによって『セレナを拉致する命令』を受けたのだと、ザカルは白状した。
つまり私を誘拐するために、キトレル山を散策していたらしい。
(ネリアンヌに、完全に目をつけられてるね……私)
と思った。
かなり厄介な話だ。
なにしろ、ネリアンヌは社会的権力のある貴族令嬢。
力でどうこうするのは難しいだろう。
(この問題は、あとでクレアベルに相談したほうがいいかもね)
そう心に決める。
ただそれは後で、だ。
いまは先に、ザカルたちから回収できた戦利品の確認をしたい。
森を抜ける。
崖の上であった。
山の緑や、遠くの岩山が見渡せる崖。
良い眺めである。
ここで、盗賊から入手できた戦利品をチェックすることにした。
「まずは、荷物をおろして……と」
花びらの形をしたチョコレート籠を、地面に置く。
私は籠の中に入った戦利品たちを見下ろした。
剣、短剣、弓。
胸当て、腰当て、脛当て。
ポーションや毒消し類。
財布。
……などなど。
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