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第3章71話:盗賊4
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チョコレート魔法の影響で茶髪に変わっただけで、先日まで黒髪だったのだけどね。
青髪の女盗賊が言った。
「それにしてもザカルさんの攻撃、全然見えなかったわ。今のが【剣風を飛ばす】ってやつなのかしら?」
「そうだ」
ザカルの右手には、いつの間にか反りのついたダガーが握られていた。
そのダガーを振るだけで、剣の風圧を飛ばし、遠くにいる敵に斬撃を浴びせることができる――――
それがザカルの能力のようだ。
赤髪の男が言う。
「めちゃくちゃカッコいいっすね! この距離からでも瞬殺なんて!」
すると、ザカルは鼻を鳴らしてから言った。
「大したことじゃない。それより、ターゲットの話に戻るが――――」
「いやあ、びっくりしちゃいましたぁ!」
と、倒れた私は起き上がる。
盗賊たちがビクっとした。
全員が、驚愕に目を見開いている。
私は言った。
「身体に穴を開けられた経験がなかったので、一瞬、死んだかと思いました」
「お前……なんで生きてやがる? 致命傷だったはずだ……!」
ザカルが焦ったように聞いてきた。
なんで生きているのか?
カンタンなことだ。
私は答える。
「チョコレートだからです」
「……は?」
「チョコレートは死なないんです!」
そう。
チョコレートは穴を開けられたぐらいで死なない。
チョコレートに、死という概念は存在しないからだ!!
……。
……あれ?
それってつまり。
私、不死身なのでは?
青髪の女盗賊が言った。
「それにしてもザカルさんの攻撃、全然見えなかったわ。今のが【剣風を飛ばす】ってやつなのかしら?」
「そうだ」
ザカルの右手には、いつの間にか反りのついたダガーが握られていた。
そのダガーを振るだけで、剣の風圧を飛ばし、遠くにいる敵に斬撃を浴びせることができる――――
それがザカルの能力のようだ。
赤髪の男が言う。
「めちゃくちゃカッコいいっすね! この距離からでも瞬殺なんて!」
すると、ザカルは鼻を鳴らしてから言った。
「大したことじゃない。それより、ターゲットの話に戻るが――――」
「いやあ、びっくりしちゃいましたぁ!」
と、倒れた私は起き上がる。
盗賊たちがビクっとした。
全員が、驚愕に目を見開いている。
私は言った。
「身体に穴を開けられた経験がなかったので、一瞬、死んだかと思いました」
「お前……なんで生きてやがる? 致命傷だったはずだ……!」
ザカルが焦ったように聞いてきた。
なんで生きているのか?
カンタンなことだ。
私は答える。
「チョコレートだからです」
「……は?」
「チョコレートは死なないんです!」
そう。
チョコレートは穴を開けられたぐらいで死なない。
チョコレートに、死という概念は存在しないからだ!!
……。
……あれ?
それってつまり。
私、不死身なのでは?
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