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第3章59話:街2
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一通り、買いたいものを買ったとき。
ふと街路の端から音楽が流れてきた。
どうやら3人組みの楽団が、演奏をはじめたようだ。
前世でいうところのストリートライブである。
構成は、
古風な弦楽器が2人、
フルートのような笛が1人……だ。
「わぁ~! すごーい!」
楽しげな演奏につられたアイリスが、演奏のほうへと走っていた。
「お、おい! アイリス!」
と、慌ててクレアベルが追いかける。
私は苦笑しながら二人の後を追った。
楽団の演奏を遠巻きに見守る。
明るい楽曲を演奏している。
ボーカルがいない器楽曲である。
――――現代音楽とは当然、いろいろな面で異なる。
たとえば現代音楽は、主旋律を邪魔しないように副旋律が存在する。
ギターがメインのメロディを担当し、ベースが縁の下を支えるようなイメージだ。
しかし……
この楽団の音楽は、副旋律が存在しない。
3人とも主旋律を演奏している。
ゆえに互いの主張がぶつかりあっていて、まとまりがない。
とはいえ……
中世ぐらいの音楽では一般的な形式だったため、なんら不思議なことはない。
それに、私はこの音楽にとても感動していた。
なぜなら、久しぶりに音楽というものに触れたからだ。
異世界では、庶民に広く音楽が普及しているわけではない。
だから音楽に飢えていたのだ。
(ああ、ヴァイオリンが弾きたい!)
と私は思った。
私はチョコレートの次に、ヴァイオリンが趣味である。
ヴァイオリン教室に7年ほど通っていたため、著名な曲はソラで弾ける。
ただ……
異世界ではヴァイオリンという楽器がない。
なので弾くことができないんだよね。
ふと街路の端から音楽が流れてきた。
どうやら3人組みの楽団が、演奏をはじめたようだ。
前世でいうところのストリートライブである。
構成は、
古風な弦楽器が2人、
フルートのような笛が1人……だ。
「わぁ~! すごーい!」
楽しげな演奏につられたアイリスが、演奏のほうへと走っていた。
「お、おい! アイリス!」
と、慌ててクレアベルが追いかける。
私は苦笑しながら二人の後を追った。
楽団の演奏を遠巻きに見守る。
明るい楽曲を演奏している。
ボーカルがいない器楽曲である。
――――現代音楽とは当然、いろいろな面で異なる。
たとえば現代音楽は、主旋律を邪魔しないように副旋律が存在する。
ギターがメインのメロディを担当し、ベースが縁の下を支えるようなイメージだ。
しかし……
この楽団の音楽は、副旋律が存在しない。
3人とも主旋律を演奏している。
ゆえに互いの主張がぶつかりあっていて、まとまりがない。
とはいえ……
中世ぐらいの音楽では一般的な形式だったため、なんら不思議なことはない。
それに、私はこの音楽にとても感動していた。
なぜなら、久しぶりに音楽というものに触れたからだ。
異世界では、庶民に広く音楽が普及しているわけではない。
だから音楽に飢えていたのだ。
(ああ、ヴァイオリンが弾きたい!)
と私は思った。
私はチョコレートの次に、ヴァイオリンが趣味である。
ヴァイオリン教室に7年ほど通っていたため、著名な曲はソラで弾ける。
ただ……
異世界ではヴァイオリンという楽器がない。
なので弾くことができないんだよね。
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