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第2章38話:剣術教室―檻
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<セレナ視点>
「くっ!!」
ヘンリックくんは、顔をゆがめていた。
思いがけない苦戦だったのだろう。
いま、チョコレート魔法は確実にヘンリックくんを追い詰めている。
「舐めるなよッ!」
ヘンリックくんは、劣勢をくつがえそうと反撃を開始する。
パンチを避けたあと、右手に魔力を集中させる。
そして私に向けて風魔法弾を放ってきた。
(ふむ……やっぱり冷静だね)
ヘンリックくんのことを、私はそう分析した。
チョコレート・ハンドにいくら攻撃を加えても、ダメージはない。
だから本体である私にダメージを与えようとしたわけだ。
まあ、風魔法弾なんて効かないけどね。
私は【チョコレート・ウォール】を作って、風魔法弾を防いだ。
「くっ……!」
ヘンリックくんが歯噛みする。
「そろそろ決着といきましょうか」
と、私は宣告した。
「!!?」
次の瞬間、チョコレート・パンチがヘンリックくんに迫ったかと思うと――――
途中で、突然形を変えて、ガバッと広がり……
網のような形状に変化した。
「なに!?」
ヘンリックくんが驚愕して、一瞬、足が止まる。
網が、ヘンリックくんの周囲を囲い込む。
そして。
ぎゅっと収縮して、ヘンリックくん一人を閉じ込める檻となった。
「くっ!!」
ヘンリックくんは、顔をゆがめていた。
思いがけない苦戦だったのだろう。
いま、チョコレート魔法は確実にヘンリックくんを追い詰めている。
「舐めるなよッ!」
ヘンリックくんは、劣勢をくつがえそうと反撃を開始する。
パンチを避けたあと、右手に魔力を集中させる。
そして私に向けて風魔法弾を放ってきた。
(ふむ……やっぱり冷静だね)
ヘンリックくんのことを、私はそう分析した。
チョコレート・ハンドにいくら攻撃を加えても、ダメージはない。
だから本体である私にダメージを与えようとしたわけだ。
まあ、風魔法弾なんて効かないけどね。
私は【チョコレート・ウォール】を作って、風魔法弾を防いだ。
「くっ……!」
ヘンリックくんが歯噛みする。
「そろそろ決着といきましょうか」
と、私は宣告した。
「!!?」
次の瞬間、チョコレート・パンチがヘンリックくんに迫ったかと思うと――――
途中で、突然形を変えて、ガバッと広がり……
網のような形状に変化した。
「なに!?」
ヘンリックくんが驚愕して、一瞬、足が止まる。
網が、ヘンリックくんの周囲を囲い込む。
そして。
ぎゅっと収縮して、ヘンリックくん一人を閉じ込める檻となった。
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