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第2章35話:剣術教室―2回戦途中

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「では、はじめ!」

ユズナさんが号令をかける。

瞬間。

ヘンリックくんが、った。

一気に接近してくる。

さきほどと同じ展開になるか……と思いきや。

「……!」

ヘンリックくんが途中で横に飛んだ。

と見せかけて、また突っ込んでくる。

ジグザグな動き。

初戦しょせんと同じではなく、さすがに変化をつけてきたか。

ヘンリックくんは頭が良い。

戦術もかなり考え抜かれている。

知力勝負ちりょくしょうぶに持ち込まれる前に、決めてしまおう。

(いくよ、チョコレート魔法……!)

私は、ついに、

チョコレート魔法を発動する。

「ん……ッ!?」

ヘンリックくんの進路を妨害するように。

私はチョコレートの壁――――【チョコレート・ウォール】を出現させる。

ヘンリックくんが足を止めたようだ。

壁の向こうで、ヘンリックくんがいったん後退こうたいし、距離を取る気配がした。

私はチョコレート・ウォールを解除する。

「なるほど、チョコレート魔法とは、壁を張る能力ということか」

などとヘンリックくんが分析している。

「さて、それはどうでしょうか」

と、私は不敵に告げる。

もちろんチョコレート魔法は壁だけじゃない。

私は、次なる一手いってを繰り出した。

左右両方さゆうりょうほう肩口かたぐちから、にょきっ、とチョコレートを生やし、ぐいーんっと伸ばす。

「っ!?」

ヘンリックくんや、ギャラリーのみんなも目を見開いた。
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