異世界に転生すると、私のチートスキルはチョコレート魔法でした！無双＆スローライフしながら異世界を生きる物語

第2章33話：剣術教室―決着

「くっ！」

私は左手に水魔法弾みずまほうだんを練ねりこんで放ち、まずは風魔法弾かぜまほうだんを撃うち落おとす。

そしてヘンリックくんに剣をあわせようとして。

「遅い！」

「なっ！？」

ヘンリックくんがここで加速してきた。

意表いひょうをつかれた私は、まったく対応できない。

ヘンリックくんが振るう木剣に、私の木剣が弾き飛ばされてしまう。

「それまで！」

と、ユズナさんの声が響いた。

「ふん。僕の勝ちか。まあ当然の結果だな」

ヘンリックくんがそう言った。

傲慢ごうまんな物言ものいいであるが、確かに強かった。

計算された戦術。

技術というより知性で負けた感がある。

まあ、仕方ないか。






みんなが近づいてくる。

ラミサさんが言った。

「さすがヘンリックね！　でも、あなたも悪くなかったわよ。えーと、名前はセレナだっけ？」

テオくんも同調する。

「だよなー！　ヘンリックと結構打ち合っててビックリしたぜ！」

ユズナさんも褒めてくる。

「二人とも良い戦いでした。結果はヘンリックくんの勝ちですが、セレナちゃんも、かなり良い筋してますよ」

「ありがとうございます」

と、私は静かに返した。

そのときだった。

「お姉ちゃんは負けてないよ！」

アイリスがそう主張しだした。