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令嬢

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本屋を出たあと……

カフェで休んでいくことになった。

軽食とお茶を楽しむ。

休憩したのち、私はもうちょっと街をぶらぶらしたいと思った。

一方、クレアベルとアイリスは、歩きつかれたので、もう少しカフェでゆっくりしていくとのこと。

なので、私一人で街をめぐることになった。

「ふんふんふん~」

と鼻歌をうたいながら、私は街を歩く。

街の露店を眺めたり、街の風景を眺めたりするだけでも、楽しい。

異世界の街で、のどかで綺麗だからね。

歩いているだけで、気分が上向うわむいてくる。

……が。

そのときだった。

「お、お許しください!!」

と悲鳴じみた声が聞こえてきた。

視線を向ける。

大通りからいける横道の路地。

そこに、ちょっとした人だかりができていた。

何事かと私も近づく。

「許すわけがないでしょう? あなたは、この場で処刑するわ」

「しょ、処刑!!?」

なにやら貴族令嬢っぽい女性に。

庶民の男性が土下座して、謝罪している様子。

いったい何があったのか?

私は、遠巻きに見つめるギャラリーの一人に聞いてみた。

「あの、何があったんですか?」

「あん? ああ、あそこで謝罪してる男が、さっき曲がり角で、ネリアンヌ様と肩がぶつかったんだと」

とギャラリーのオッサンが答えてくれる。

私はぽかんとした。

「……は? ぶつかった?」

曲がり角でぶつかった……

それだけ?

と、私は思ってしまう。

私は聞いた。

「そんなことで、騒ぎになってるんですか? いま『処刑する』とか言ってましたよね?」

「……ここだけの話だがよ」

とオッサンは小声で教えてくれる。

「ネリアンヌ様は、気性の荒いお嬢様なのさ。くだらない理由で、庶民を処罰するなんて日常茶飯事だ」

へえ……

いわば悪役令嬢というやつか。

私は、ネリアンヌに目を向ける。

きつい目つきをした女性。

年齢は15歳ぐらいだろうか。

髪は青色でツインテールの髪型、かつ縦ロール。

目は瞳が黄色であった。

服はブラウス、きらびやかなコルセット、スカートである。

なお、ネリアンヌの背後には、護衛とおぼしき屈強な戦士たちが控えている。

(ぶつかっただけで処刑をチラつかせられるのか。怖いな)

あの庶民の男性が、気の毒に思えた。

とそのときだった。

「私にぶつかるような、どうしようもないクズ庶民は、こうしてあげる!!」

とネリアンヌは、男性の顔を蹴りつけた。

「がっ!!?」

顔をおさえてうずくまる男性。

その身体をネリアンヌが踏みつけたり、頭を踏みつけたり。

やりたい放題する。

10発ほど踏んだり、蹴りつけたりしてから、ネリアンヌは言った。

「蹴ってばかりじゃ、処刑にならないわね」

ネリアンヌが微笑む。

「やっぱり刃物を使わないと」

そう述べてから、なんと彼女は、アイテムバッグからショートソードを取り出した。

ギャラリーが息を飲む。

おいおい……

さすがにそれはダメでしょ。

本当に殺す気か?






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