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第1章12話:火魔法
しおりを挟むさらに一週間後。
昼。
晴れ。
山小屋・裏手の空き地。
私とアイリスは身体強化魔法に引きつづき、
【火魔法】の訓練をおこなっていた。
クレアベルは、説明する。
「火魔法を習得すれば、火打石がなくとも、たき火がおこせるようになる。肉を焼いたりするのがラクになるぞ」
確かに魔法ナシで火をおこすのは簡単ではない。
異世界には、マッチもライターも存在しないのだ。
摩擦を利用した原始的な火おこしで発火させるしかない。
そんなの、できる気がしない。
だから、私はぜひ火魔法を覚えたいと思った。
――――魔法はイメージで操る。
しかし、体内にある魔力をめぐらせるだけでよかった【身体強化魔法】とは違い……
火魔法は、何もないところから火を発生させるイメージが必要だ。
それってどんなイメージだろう?
まあ、チョコレート魔法と同じ要領でやってみようか。
私は、手のひらを仰向けにし……
その手のひらの上に魔力を集中させ、火球が現れるイメージをした。
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