9 / 29
眩しすぎる世界
しおりを挟む
大学が夏休みに入り、朱里はいくつかのインターンシップに参加した。
幼稚園の夏期保育やお泊り会、地域の子ども達のサマーキャンプなど、多くの子ども達と触れ合う中で、自分の将来携わりたい仕事を考える。
部屋でレポートをまとめていたある日の夕暮れ、外から瑛の声がした。
「朱里ー、いるかー?」
朱里は窓を開けて返事をする。
「なーに?」
「今さ、バーベキューしてるんだけど、お前も来るか?」
「バーベキュー?!」
「ああ」
ふと桐生家の庭先に目をやると、雅や優、瑛の両親や菊川が手を振っていた。
「朱里ちゃーん、おいでよー!お肉、たくさんあるわよ」
雅の言葉に、朱里はコクコクと頷く。
「行きます!すぐ行きます!待ってて、お肉!」
パタンと窓を閉めると急いで階段を下り、玄関に鍵をかけて走り出す。
屋敷の門を開けて、菊川が待ってくれていた。
「朱里さん、こんにちは」
「こんにちは!」
「ふふふ、凄い速さでしたね。ワープして来たのかと思いました。さ、どうぞ」
庭のテラスに大きなテーブルがあり、千代や他の使用人が次々と野菜や肉を焼いていた。
「わー、いい匂い!」
朱里は皆への挨拶もそこそこに、鉄板に吸い寄せられる。
「朱里お嬢様、たんと召し上がれ!」
千代が料理を盛り付けた皿を差し出してくれた。
「ありがとう!いただきまーす!」
大きな肉を頬張り、美味しい!と目を輝かせると、瑛の母が笑い出す。
「朱里ちゃん、本当に美味しそうに食べてくれるわね。さあ、まだまだあるから、たくさん食べてね」
「はい!ありがとうございます」
その時、あーちゃー!と優がヨチヨチやって来て、朱里にペタッと抱きついた。
「優くーん!今日もかーわいい!ね、一緒にマシュマロ焼かない?」
「マ…シュ…?」
「そう、マシュマロ!ふわふわでとろとろなんだよー」
朱里は優を抱き上げると、片手で千代が渡してくれたマシュマロの金串を焼く。
「ほらね。ふにゃーってしてきたでしょ?」
「ふにゃー」
「うふふ、そうそう。美味しくなーれ!」
「なーれ!」
いい色に焼き上がると、朱里は良く冷ましてから優の口に運ぶ。
パクっと優はマシュマロにかじりついた。
「どう?美味しい?」
「ん!」
優は大きく頷いて、また口を開ける。
「よく食べるね、優くん。はい、アーン」
「アーン」
美味しそうに頬張る優に、朱里はにこにこと微笑んだ。
朱里とたくさん食べ、遊び疲れた優が眠そうに目を擦り始める。
雅は優を抱いて屋敷に入り、寝かしつけてきた。
テラスに戻ると、ベンチに座った朱里がお酒を飲みながら、隣に座る菊川と話している。
酔っ払ってきたのか、妙に明るくご機嫌で、菊川の肩をバシバシ叩いておかしそうに笑っていた。
雅はテラスの入り口に座っている瑛の横に腰掛けた。
「優、寝た?」
「うん、もうぐっすり。今夜は泊まっていくわ」
「そっか」
二人でお酒を飲みながら、なんとなく朱里と菊川の様子を見つめる。
「ねえ、瑛」
「なに?」
「今ならまだ間に合うと思うわよ」
「は?何が?」
雅は、少し視線を落とす。
「本当にいいの?手を伸ばせば届く距離にいるのに。あなたこの先の人生、朱里ちゃんを見かける度に辛くなるんじゃない?」
瑛は朱里を見つめたまま答えた。
「ああ、いいんだ。朱里は…俺には眩しすぎる」
「瑛…」
瑛の視線の先で、朱里がひときわ楽しそうに笑い声を上げていた。
*****
「うー、目が回る…」
「ほら、しっかりしろ!朱里」
朱里の肩を支えながら、瑛がなんとか朱里を家まで連れて行く。
玄関を入ってすぐに寝転びそうになる朱里を起こし、2階への階段を上がる。
ようやく部屋に着くと、朱里はベッドに倒れ込んだ。
「うわ、ちょっと朱里!」
朱里は瑛の首に回した手を緩めず、瑛はバランスを崩して朱里と一緒にドサッとベッドに倒れた。
「ちょ、ちょっと、離せってば!」
必死に朱里の手から逃れようと身をよじるが、朱里はさらに力を込めてグイッと瑛の頭を押さえつけた。
「…あ、朱里?」
じっと顔を覗き込まれ、瑛はドギマギする。
朱里は、目をうるうるさせながら瑛を見つめた。
「朱里…」
瑛の頭の中が真っ白になり、身体から力が抜けていく。
その時だった。
「優くん…。可愛い」
朱里が呟き、ギュッと自分の胸に瑛の頭を抱き寄せた。
は?と一瞬、瑛は我に返ったが、気づけば朱里の胸に顔をうずめており、途端に顔が真っ赤になる。
「あ、あ、朱里!俺は優じゃないぞ!離せってば」
すると、スーッと寝息が聞こえてきた。
瑛はそっと様子をうかがい、朱里が良く眠っているのを確かめると、朱里の腕を外して身体を起こした。
(まったくもう、気持ち良さそうに眠りやがって)
ため息をついて、朱里の顔を見つめる。
子どものようにスヤスヤと眠るあどけないその寝顔は、瑛の心に一気に火をつける。
「くそっ!」
瑛は顔を歪め、唇を噛みしめると、必死に自分の気持ちを抑え込んで部屋をあとにした。
玄関の鍵を外からかけるとドアポケットに鍵を入れ、急いで屋敷の自室に戻る。
バタンと後ろ手にドアを閉めて息を整えていると、雅の言葉が蘇ってきた。
『あなたこの先の人生、朱里ちゃんを見かける度に辛くなるんじゃない?』
「…仕方ないだろ、こうするしかないんだから」
瑛は、グッと自分の胸元を掴んで気持ちを落ち着かせようとした。
*****
「それでは、結婚は今すぐという訳ではなく、瑛くんが大学を卒業して仕事が落ち着いた頃に、ということでいいかな?」
次の週末。
瑛は聖美の屋敷を訪れ、聖美の両親を交えて具体的に結婚の時期について話し合っていた。
「はい。こちらの都合で申し訳ありませんが、出来ればその頃までお待ちいただければと。社会人としてしっかり聖美さんをお守り出来るようになってから、聖美さんをお迎えに参りたいと思っております」
隣に座った聖美が頬を赤らめてうつむく。
聖美の両親も、微笑んで頷いた。
「もちろん異論はありません。聖美もまだまだ未熟者ですし、そちらに迎えていただくまでにしっかりと身につけなければならないこともあります」
「そうよ、聖美。瑛さんの為にしっかり尽くせるよう、家事や料理も腕を上げなくてはね」
「はい」
その後は穏やかにお茶を飲みながら雑談し、瑛は聖美の屋敷をあとにした。
帰りの車の中で、瑛はふと菊川に声をかける。
「菊川、お前はいつ結婚するつもりなんだ?」
「は?私ですか?」
菊川は意外そうに聞き返す。
「ああ。お前、今32だろ?そろそろ結婚を考えてもおかしくない年じゃないか」
「私は自分の結婚は考えておりません。少なくとも今は考えられません」
「なぜだ?いつなら考えられるんだ?」
「瑛さんが結婚されてからです」
えっ…と瑛は言葉に詰まる。
「そんなことは気にするな。お前はお前の人生を大事にしろ。桐生家にばかり関わってないで、ちゃんと自分のプライベートの時間も持てよ」
「はい、ありがとうございます。ですが、特にやりたいこともないですし」
「そんなこと言って…。好きな女性もいないのか?」
「はい、おりません」
「おい、きっぱり否定するな!ちょっとは考えろ!誰かいないのか?身近な人で、気の合う人とか…」
「はい、おりません」
「即答するなっての!」
瑛は、やれやれとため息をつく。
菊川、そして朱里も。
自分にとって眩しい世界に住む人達は、一体この先どんな道を行くのだろう。
好きな人と結ばれ、好きなことをしながら、毎日自由に楽しく過ごしていくのだろうな。
自分には無縁のキラキラと輝く世界で。
(いけない、なんでこんなことを考えてしまうんだ)
いつも封印しているはずの気持ちを持て余し、瑛はまたため息をついた。
幼稚園の夏期保育やお泊り会、地域の子ども達のサマーキャンプなど、多くの子ども達と触れ合う中で、自分の将来携わりたい仕事を考える。
部屋でレポートをまとめていたある日の夕暮れ、外から瑛の声がした。
「朱里ー、いるかー?」
朱里は窓を開けて返事をする。
「なーに?」
「今さ、バーベキューしてるんだけど、お前も来るか?」
「バーベキュー?!」
「ああ」
ふと桐生家の庭先に目をやると、雅や優、瑛の両親や菊川が手を振っていた。
「朱里ちゃーん、おいでよー!お肉、たくさんあるわよ」
雅の言葉に、朱里はコクコクと頷く。
「行きます!すぐ行きます!待ってて、お肉!」
パタンと窓を閉めると急いで階段を下り、玄関に鍵をかけて走り出す。
屋敷の門を開けて、菊川が待ってくれていた。
「朱里さん、こんにちは」
「こんにちは!」
「ふふふ、凄い速さでしたね。ワープして来たのかと思いました。さ、どうぞ」
庭のテラスに大きなテーブルがあり、千代や他の使用人が次々と野菜や肉を焼いていた。
「わー、いい匂い!」
朱里は皆への挨拶もそこそこに、鉄板に吸い寄せられる。
「朱里お嬢様、たんと召し上がれ!」
千代が料理を盛り付けた皿を差し出してくれた。
「ありがとう!いただきまーす!」
大きな肉を頬張り、美味しい!と目を輝かせると、瑛の母が笑い出す。
「朱里ちゃん、本当に美味しそうに食べてくれるわね。さあ、まだまだあるから、たくさん食べてね」
「はい!ありがとうございます」
その時、あーちゃー!と優がヨチヨチやって来て、朱里にペタッと抱きついた。
「優くーん!今日もかーわいい!ね、一緒にマシュマロ焼かない?」
「マ…シュ…?」
「そう、マシュマロ!ふわふわでとろとろなんだよー」
朱里は優を抱き上げると、片手で千代が渡してくれたマシュマロの金串を焼く。
「ほらね。ふにゃーってしてきたでしょ?」
「ふにゃー」
「うふふ、そうそう。美味しくなーれ!」
「なーれ!」
いい色に焼き上がると、朱里は良く冷ましてから優の口に運ぶ。
パクっと優はマシュマロにかじりついた。
「どう?美味しい?」
「ん!」
優は大きく頷いて、また口を開ける。
「よく食べるね、優くん。はい、アーン」
「アーン」
美味しそうに頬張る優に、朱里はにこにこと微笑んだ。
朱里とたくさん食べ、遊び疲れた優が眠そうに目を擦り始める。
雅は優を抱いて屋敷に入り、寝かしつけてきた。
テラスに戻ると、ベンチに座った朱里がお酒を飲みながら、隣に座る菊川と話している。
酔っ払ってきたのか、妙に明るくご機嫌で、菊川の肩をバシバシ叩いておかしそうに笑っていた。
雅はテラスの入り口に座っている瑛の横に腰掛けた。
「優、寝た?」
「うん、もうぐっすり。今夜は泊まっていくわ」
「そっか」
二人でお酒を飲みながら、なんとなく朱里と菊川の様子を見つめる。
「ねえ、瑛」
「なに?」
「今ならまだ間に合うと思うわよ」
「は?何が?」
雅は、少し視線を落とす。
「本当にいいの?手を伸ばせば届く距離にいるのに。あなたこの先の人生、朱里ちゃんを見かける度に辛くなるんじゃない?」
瑛は朱里を見つめたまま答えた。
「ああ、いいんだ。朱里は…俺には眩しすぎる」
「瑛…」
瑛の視線の先で、朱里がひときわ楽しそうに笑い声を上げていた。
*****
「うー、目が回る…」
「ほら、しっかりしろ!朱里」
朱里の肩を支えながら、瑛がなんとか朱里を家まで連れて行く。
玄関を入ってすぐに寝転びそうになる朱里を起こし、2階への階段を上がる。
ようやく部屋に着くと、朱里はベッドに倒れ込んだ。
「うわ、ちょっと朱里!」
朱里は瑛の首に回した手を緩めず、瑛はバランスを崩して朱里と一緒にドサッとベッドに倒れた。
「ちょ、ちょっと、離せってば!」
必死に朱里の手から逃れようと身をよじるが、朱里はさらに力を込めてグイッと瑛の頭を押さえつけた。
「…あ、朱里?」
じっと顔を覗き込まれ、瑛はドギマギする。
朱里は、目をうるうるさせながら瑛を見つめた。
「朱里…」
瑛の頭の中が真っ白になり、身体から力が抜けていく。
その時だった。
「優くん…。可愛い」
朱里が呟き、ギュッと自分の胸に瑛の頭を抱き寄せた。
は?と一瞬、瑛は我に返ったが、気づけば朱里の胸に顔をうずめており、途端に顔が真っ赤になる。
「あ、あ、朱里!俺は優じゃないぞ!離せってば」
すると、スーッと寝息が聞こえてきた。
瑛はそっと様子をうかがい、朱里が良く眠っているのを確かめると、朱里の腕を外して身体を起こした。
(まったくもう、気持ち良さそうに眠りやがって)
ため息をついて、朱里の顔を見つめる。
子どものようにスヤスヤと眠るあどけないその寝顔は、瑛の心に一気に火をつける。
「くそっ!」
瑛は顔を歪め、唇を噛みしめると、必死に自分の気持ちを抑え込んで部屋をあとにした。
玄関の鍵を外からかけるとドアポケットに鍵を入れ、急いで屋敷の自室に戻る。
バタンと後ろ手にドアを閉めて息を整えていると、雅の言葉が蘇ってきた。
『あなたこの先の人生、朱里ちゃんを見かける度に辛くなるんじゃない?』
「…仕方ないだろ、こうするしかないんだから」
瑛は、グッと自分の胸元を掴んで気持ちを落ち着かせようとした。
*****
「それでは、結婚は今すぐという訳ではなく、瑛くんが大学を卒業して仕事が落ち着いた頃に、ということでいいかな?」
次の週末。
瑛は聖美の屋敷を訪れ、聖美の両親を交えて具体的に結婚の時期について話し合っていた。
「はい。こちらの都合で申し訳ありませんが、出来ればその頃までお待ちいただければと。社会人としてしっかり聖美さんをお守り出来るようになってから、聖美さんをお迎えに参りたいと思っております」
隣に座った聖美が頬を赤らめてうつむく。
聖美の両親も、微笑んで頷いた。
「もちろん異論はありません。聖美もまだまだ未熟者ですし、そちらに迎えていただくまでにしっかりと身につけなければならないこともあります」
「そうよ、聖美。瑛さんの為にしっかり尽くせるよう、家事や料理も腕を上げなくてはね」
「はい」
その後は穏やかにお茶を飲みながら雑談し、瑛は聖美の屋敷をあとにした。
帰りの車の中で、瑛はふと菊川に声をかける。
「菊川、お前はいつ結婚するつもりなんだ?」
「は?私ですか?」
菊川は意外そうに聞き返す。
「ああ。お前、今32だろ?そろそろ結婚を考えてもおかしくない年じゃないか」
「私は自分の結婚は考えておりません。少なくとも今は考えられません」
「なぜだ?いつなら考えられるんだ?」
「瑛さんが結婚されてからです」
えっ…と瑛は言葉に詰まる。
「そんなことは気にするな。お前はお前の人生を大事にしろ。桐生家にばかり関わってないで、ちゃんと自分のプライベートの時間も持てよ」
「はい、ありがとうございます。ですが、特にやりたいこともないですし」
「そんなこと言って…。好きな女性もいないのか?」
「はい、おりません」
「おい、きっぱり否定するな!ちょっとは考えろ!誰かいないのか?身近な人で、気の合う人とか…」
「はい、おりません」
「即答するなっての!」
瑛は、やれやれとため息をつく。
菊川、そして朱里も。
自分にとって眩しい世界に住む人達は、一体この先どんな道を行くのだろう。
好きな人と結ばれ、好きなことをしながら、毎日自由に楽しく過ごしていくのだろうな。
自分には無縁のキラキラと輝く世界で。
(いけない、なんでこんなことを考えてしまうんだ)
いつも封印しているはずの気持ちを持て余し、瑛はまたため息をついた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
アンコール マリアージュ
葉月 まい
恋愛
理想の恋って、ありますか?
ファーストキスは、どんな場所で?
プロポーズのシチュエーションは?
ウェディングドレスはどんなものを?
誰よりも理想を思い描き、
いつの日かやってくる結婚式を夢見ていたのに、
ある日いきなり全てを奪われてしまい…
そこから始まる恋の行方とは?
そして本当の恋とはいったい?
古風な女の子の、泣き笑いの恋物語が始まります。
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
恋に恋する純情な真菜は、
会ったばかりの見ず知らずの相手と
結婚式を挙げるはめに…
夢に描いていたファーストキス
人生でたった一度の結婚式
憧れていたウェディングドレス
全ての理想を奪われて、落ち込む真菜に
果たして本当の恋はやってくるのか?

赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
雪井しい
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

あなたが居なくなった後
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの専業主婦。
まだ生後1か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。
朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。
乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。
会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願う宏樹。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……。
初恋の呪縛
泉南佳那
恋愛
久保朱利(くぼ あかり)27歳 アパレルメーカーのプランナー
×
都築 匡(つづき きょう)27歳 デザイナー
ふたりは同じ専門学校の出身。
現在も同じアパレルメーカーで働いている。
朱利と都築は男女を超えた親友同士。
回りだけでなく、本人たちもそう思っていた。
いや、思いこもうとしていた。
互いに本心を隠して。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる