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寂しさを胸に
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「プリムローズ様。どうぞこちらのお部屋をお使いください。すぐに紅茶とケーキをお持ちします」
「あ、はい!あの、どうぞお構いなく」
ここはプリンセスのお部屋?と思いながら、プリムローズは案内された部屋の中をキョロキョロと見回した。
壁紙や家具は薄いピンクとクリーム色でまとめられ、広い部屋の真ん中に置かれているのは豪華なソファセット。
壁際のベッドは天蓋つきで、一人で寝るには大きすぎる。
壁一面の窓からバルコニーに出られるようで、その先には綺麗に幾何学模様を描く見事な庭園が広がっていた。
「プリムローズ様、あとでクローゼットにドレスをお持ちします。いつでもお好きな時にお着替えくださいませ。他に何かご入用のものはございますか?」
侍女に聞かれて、プリムローズはブンブンと首を横に振る。
「何もありませんわ。充分過ぎます」
「かしこまりました。ではどうぞ、ごゆっくり」
侍女達は丁寧にお辞儀をしてから退出する。
プリムローズは、高級なティーカップで紅茶を味わいつつ、小さくため息をついた。
(どんなに美味しくても、一人で飲んでは寂しいだけね)
サミュエルとレイチェル、そしてマルクスと四人で、ガーデンで過ごしたティータイムを思い出す。
(楽しかったなあ。マルクス様、いつも私の作ったお菓子を美味しそうに食べてくださって。一番お好きなのは、オレンジタルトかしら?ううん、どれも美味しいと言ってくださったわよね。次はオレンジピールチョコレートを作るお約束だったのに)
気がつけばマルクスのことばかり考えてしまい、プリムローズはケーキを食べる手を止めて、またため息をついた。
*
「お帰りなさいませ」
夕方になり、屋敷に帰って来たマルクスをレイチェルが出迎える。
「ああ」
小さく頷くと手綱をサミュエルに預け、マルクスは足早に部屋に入った。
湯に浸かって身体を温めると、夕食を食べる。
「今夜は温かいシチューでございます。お風邪を召されませんように」
「ありがとう」
マルクスは淡々と食事の手を進める。
レイチェルが最後にデザートを運んできた。
プレーンのチーズケーキ。
美味しいはずのチーズケーキを、マルクスは寂しさを噛みしめるように味わった。
*
プリムローズが離れを出てから一週間が経った。
「プリムローズ様、おはようございます」
「おはようございます」
「朝食をどうぞ」
「ありがとうございます」
今日もプリムローズは、一人寂しく食事を取る。
食事が終わればすることは何もなくなった。
(こんな毎日、息が詰まりそう)
庭園を散歩してもいいと言われたが、侍女と近衛隊にぐるりと周りを囲まれ、プリムローズは気が休まらなかった。
(そうだ!お菓子を作らせてもらおう)
そう思い、厨房に入らせて欲しいと侍女に頼むと、即座に断られる。
「お客様を厨房になど、いけませんわ」
プリムローズはしょんぼりと肩を落とす。
だがなんとか言い訳を考えた。
「えっと、それがわたくし、少し食べ物のアレルギーがありまして。自分で作ったデザートでないと、お腹を壊してしまいますの。お食事は大丈夫なのですが、デザートだけは自分で作りたくて」
言いながら、なんだそれは?と自分でも首をひねってしまう。
だが侍女達は、まあ!それは大変と納得してくれた。
「では、シェフ達が使っていない時間なら、ご自由に厨房をお使いいただいて構いませんわ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
プリムローズは久しぶりに笑顔を浮かべた。
*
「わあ、なんて素晴らしいの!」
誰もいない厨房に入ると、プリムローズはあまりの広さと充実した設備や道具に目を輝かせる。
「調味料や香辛料、リキュールもこんなにたくさん!あ、これってもしかして、バーナーかしら?これがあれば、クレームブリュレのキャラメリゼができるわね」
プリムローズはわくわくしながら、早速ボウルに卵やミルクなどの材料を入れて、泡立て器で混ぜ始める。
「えーっと、オレンジソースを最後にかけるけれど、キャラメルもオレンジ風味にできるかしら?」
あれこれと考えながら作っていると、休憩を終えたらしい若いシェフが一人戻ってきた。
「おや?何を作っていらっしゃるのですか?」
「あ、はい。オレンジ風味のクレームブリュレを作りたくて…」
「へえ。私はデザートを専門とするパティシエなのですが、お手伝いしてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです!よろしくお願いいたします」
二人であれこれ相談しながら、試行錯誤して作っていく。
「バニラビーンズをたっぷり使っているので、オレンジはキャラメルだけに混ぜてはいかがですか?」
「ええ、そうですね。リキュールと、すりおろしたピールも少し混ぜてみたいです」
「いいですね。仕上げは少しとろみのあるオレンジソースをかけましょうか」
「はい!とても美味しそうです」
バーナーの使い方も教わり、プリムローズは真剣に焦げ目をつけていく。
「なかなかお上手ですね。初めてとはとても思えません」
「本当ですか?」
「ええ。それにこのオレンジ風味のクレームブリュレは、とても良いアイデアですね。早速試食してみましょう」
二人で厨房の丸椅子に座り、出来上がったばかりのクレームブリュレを食べてみる。
スプーンをキャラメルに入れると、カリッと小気味良い音がした。
そっと口に運んで味わうと、シェフは大きく頷いた。
「うん!とても美味しい」
「本当に!想像以上に美味しくできましたわ」
「プリムローズ様。これを今夜のディナーのデザートにお出ししてもよろしいですか?」
「え?どなたに、ですか?」
「国王陛下ご一家です」
は?!とプリムローズは声を上ずらせた。
「いえいえいえ、いけません!そんな、わたくしごときが作ったものなど、陛下のお口に入れる訳にはまいりませんわ」
「ですが私は、今夜のデザートにこれ以上のものを作る自信がありません」
「まさかそんな!ご冗談を。とにかく、これはいけません!」
「そうですか…」
シェフは諦めたように肩を落とす。
「では、プリムローズ様のデザートにお出ししますね。よく冷やして、最後にバーナーで焼いてからサーブいたします」
「はい。よろしくお願いします。楽しみ!」
プリムローズはシェフと顔を見合わせて微笑んだ。
「あ、はい!あの、どうぞお構いなく」
ここはプリンセスのお部屋?と思いながら、プリムローズは案内された部屋の中をキョロキョロと見回した。
壁紙や家具は薄いピンクとクリーム色でまとめられ、広い部屋の真ん中に置かれているのは豪華なソファセット。
壁際のベッドは天蓋つきで、一人で寝るには大きすぎる。
壁一面の窓からバルコニーに出られるようで、その先には綺麗に幾何学模様を描く見事な庭園が広がっていた。
「プリムローズ様、あとでクローゼットにドレスをお持ちします。いつでもお好きな時にお着替えくださいませ。他に何かご入用のものはございますか?」
侍女に聞かれて、プリムローズはブンブンと首を横に振る。
「何もありませんわ。充分過ぎます」
「かしこまりました。ではどうぞ、ごゆっくり」
侍女達は丁寧にお辞儀をしてから退出する。
プリムローズは、高級なティーカップで紅茶を味わいつつ、小さくため息をついた。
(どんなに美味しくても、一人で飲んでは寂しいだけね)
サミュエルとレイチェル、そしてマルクスと四人で、ガーデンで過ごしたティータイムを思い出す。
(楽しかったなあ。マルクス様、いつも私の作ったお菓子を美味しそうに食べてくださって。一番お好きなのは、オレンジタルトかしら?ううん、どれも美味しいと言ってくださったわよね。次はオレンジピールチョコレートを作るお約束だったのに)
気がつけばマルクスのことばかり考えてしまい、プリムローズはケーキを食べる手を止めて、またため息をついた。
*
「お帰りなさいませ」
夕方になり、屋敷に帰って来たマルクスをレイチェルが出迎える。
「ああ」
小さく頷くと手綱をサミュエルに預け、マルクスは足早に部屋に入った。
湯に浸かって身体を温めると、夕食を食べる。
「今夜は温かいシチューでございます。お風邪を召されませんように」
「ありがとう」
マルクスは淡々と食事の手を進める。
レイチェルが最後にデザートを運んできた。
プレーンのチーズケーキ。
美味しいはずのチーズケーキを、マルクスは寂しさを噛みしめるように味わった。
*
プリムローズが離れを出てから一週間が経った。
「プリムローズ様、おはようございます」
「おはようございます」
「朝食をどうぞ」
「ありがとうございます」
今日もプリムローズは、一人寂しく食事を取る。
食事が終わればすることは何もなくなった。
(こんな毎日、息が詰まりそう)
庭園を散歩してもいいと言われたが、侍女と近衛隊にぐるりと周りを囲まれ、プリムローズは気が休まらなかった。
(そうだ!お菓子を作らせてもらおう)
そう思い、厨房に入らせて欲しいと侍女に頼むと、即座に断られる。
「お客様を厨房になど、いけませんわ」
プリムローズはしょんぼりと肩を落とす。
だがなんとか言い訳を考えた。
「えっと、それがわたくし、少し食べ物のアレルギーがありまして。自分で作ったデザートでないと、お腹を壊してしまいますの。お食事は大丈夫なのですが、デザートだけは自分で作りたくて」
言いながら、なんだそれは?と自分でも首をひねってしまう。
だが侍女達は、まあ!それは大変と納得してくれた。
「では、シェフ達が使っていない時間なら、ご自由に厨房をお使いいただいて構いませんわ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
プリムローズは久しぶりに笑顔を浮かべた。
*
「わあ、なんて素晴らしいの!」
誰もいない厨房に入ると、プリムローズはあまりの広さと充実した設備や道具に目を輝かせる。
「調味料や香辛料、リキュールもこんなにたくさん!あ、これってもしかして、バーナーかしら?これがあれば、クレームブリュレのキャラメリゼができるわね」
プリムローズはわくわくしながら、早速ボウルに卵やミルクなどの材料を入れて、泡立て器で混ぜ始める。
「えーっと、オレンジソースを最後にかけるけれど、キャラメルもオレンジ風味にできるかしら?」
あれこれと考えながら作っていると、休憩を終えたらしい若いシェフが一人戻ってきた。
「おや?何を作っていらっしゃるのですか?」
「あ、はい。オレンジ風味のクレームブリュレを作りたくて…」
「へえ。私はデザートを専門とするパティシエなのですが、お手伝いしてもよろしいですか?」
「はい、もちろんです!よろしくお願いいたします」
二人であれこれ相談しながら、試行錯誤して作っていく。
「バニラビーンズをたっぷり使っているので、オレンジはキャラメルだけに混ぜてはいかがですか?」
「ええ、そうですね。リキュールと、すりおろしたピールも少し混ぜてみたいです」
「いいですね。仕上げは少しとろみのあるオレンジソースをかけましょうか」
「はい!とても美味しそうです」
バーナーの使い方も教わり、プリムローズは真剣に焦げ目をつけていく。
「なかなかお上手ですね。初めてとはとても思えません」
「本当ですか?」
「ええ。それにこのオレンジ風味のクレームブリュレは、とても良いアイデアですね。早速試食してみましょう」
二人で厨房の丸椅子に座り、出来上がったばかりのクレームブリュレを食べてみる。
スプーンをキャラメルに入れると、カリッと小気味良い音がした。
そっと口に運んで味わうと、シェフは大きく頷いた。
「うん!とても美味しい」
「本当に!想像以上に美味しくできましたわ」
「プリムローズ様。これを今夜のディナーのデザートにお出ししてもよろしいですか?」
「え?どなたに、ですか?」
「国王陛下ご一家です」
は?!とプリムローズは声を上ずらせた。
「いえいえいえ、いけません!そんな、わたくしごときが作ったものなど、陛下のお口に入れる訳にはまいりませんわ」
「ですが私は、今夜のデザートにこれ以上のものを作る自信がありません」
「まさかそんな!ご冗談を。とにかく、これはいけません!」
「そうですか…」
シェフは諦めたように肩を落とす。
「では、プリムローズ様のデザートにお出ししますね。よく冷やして、最後にバーナーで焼いてからサーブいたします」
「はい。よろしくお願いします。楽しみ!」
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