恋は秘密のその先に

葉月 まい

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二人の時間

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 次の日も朝から元気なカレンに案内されて、オフィスを見学させてもらう。

「うわー、ここが個人のデスクですか?個室みたい」
「そうなの。まあ、厳密にはドアじゃなくてパーテーションだから、個室ではないけどね」
「でもすごいです。デスクもとっても大きくて形もオシャレですね。あれ?ソファもある!」
「そう。ランチの後に昼寝するのもOKなの」

 えー!羨ましい、と真里亜が声を上げると、お前もしょっちゅうデスクでうたた寝してるだろう?と文哉に突っ込まれた。

「デスクじゃなくて、私もソファでお昼寝したいです!」
「お前の場合、そのまま朝まで起きそうにない」
「じゃあ副社長が起こしてください」
「アホ!俺はお前のお守り係じゃない」

 やいやい言いながら、カレンの後についてあちこち見学させてもらう。

 既にクリスマスホリデイに入った社員も半数程いるらしく、オフィスで仕事をしている人ものんびりとした雰囲気だった。

 皆、真里亜や文哉の姿を見て、明るく挨拶してくれる。

「こっちでは、残業は禁止。子どもの行事はもちろん、奥さんのバースデーに仕事を休む、なんてのももちろん自由よ。奥さんを大事にしてこそ、仕事が出来る男として認められる感じね」
「へえー、素敵!」

 真里亜は手を組んでうっとりする。

「女の子はやっぱり、自分を大事にしてくれる人じゃないと。ねえ?マリア」
「はい!」

 大きく頷く真理亜を見て、カレンは、フフンと意味ありげな視線を文哉に送っていた。

 *****

「それじゃあ、私はここで。あとは本当にご案内しなくて大丈夫?」
「はい、もう充分です。カレンさん、サムさん、色々とありがとうございました」

 オフィス見学の後、ホテルまで送ってくれたサムとカレンに改めて礼を言う。

「どういたしまして。26日は空港までお送りするわね」
「いえ、それも大丈夫です。タクシーで行けますから。カレンさんもサムさんも、もうホリデイに入りますよね?申し訳ないです」
「そう?あ、飛行機のチケット変更はやってあるから。ホテルにもチェックアウトは26日と伝えてあるわ」
「何から何まで、本当にありがとうございました」
「ううん。私もお二人に会えて楽しかったわ。これからも一緒に仕事をしていくんだし、またお会いしましょう!」
「はい!必ず」

 握手を交わしてから二人を見送った。

「はあー、これで仕事は全て終了ですね!」

 晴れ晴れとした気分で、真里亜はホテルのエントランスをくぐる。

「そうだな。あとはひたすら観光を楽しもう」
「はい!じゃあ、早速着替えて出掛けましょ!」
「元気だなー、お前」
「それはもう!ほら、副社長も早く着替えてくださいね」
「はいはい」

 動きやすい服装に着替えて、二人は意気揚々と街に繰り出した。

 自由の女神やセントラルパークなどの観光名所を巡りつつ、ショッピングを楽しむ。

 夜は展望台から夜景を眺め、夕食を食べながら明日の予定を話し合う。

「えーっと、カレンさんが予約してくれたチケットは…。昼からロックフェラーセンターのスケート、夜はミュージカルだから、その合間に美術館巡りをしたいです」
「いいな。あとは何かしたいことあるか?」
「んー、もし時間があれば、オーケストラやバレエも観たいです」
「そうしよう。時間はたっぷりある」
「あと、25日はクリスマスのミサに参列出来たら…」
「へえ、クリスチャンなのか?」 
「いえ、そういう訳ではないので申し訳ないですが…」
「セント・パトリック大聖堂も、洗礼を受けていなくても大丈夫だから、行ってみよう」
「はい!楽しみです」

 それと…と、文哉は少し視線を落としてから尋ねる。

「クリスマス・イブは、どうする?」
「特に希望はありませんが。副社長は?行きたい所ありますか?」
「いや、ないんだけど。その…」

 珍しく言い淀む文哉に、真里亜は、ん?と首を傾げる。

「どうかしましたか?」
「あ、うん。その…クリスマス・イブに、俺と一緒にいてもいいのか?」
「は?副社長はお一人で過ごされたいのですか?でしたら私は…」
「いや、そういうことじゃなんだ。つまりその、どこかで一緒に夕食を食べてもいいか?」
「はあ、それは、もちろん」
「分かった。じゃあ予約しておく」
「はい。お願いします」

 腑に落ちないまま返事をし、しばらく考えてからようやく真里亜は気づいた。

「やだ!副社長。クリスマス・イブは恋人と過ごす日ってこだわってるんですか?」
「いや、お前が気にするかなと思って…」
「へー、案外ロマンチストなんですね。副社長って」
「だから!俺はこだわってないってば!」
「でも、予約しておくってことは、どこか素敵なレストランをってことですか?」
「それは、その…。女の子がイブにファストフードって、なんか、悲しむかなと…」
「えー!?副社長の口からそんなセリフが!大変、住谷さんに報告しなきゃ!」
「バカ!絶対にやめろ!」

 ギロッと恐ろしい目で睨まれ、ようやく真里亜は口をつぐんだ。

 *****

 翌日も、二人は朝から街に出掛けた。

 美術館をはしごして、軽く昼食を取ってからロックフェラーセンターのスケートリンクに行く。

「うわー、素敵!憧れだったんですよね、ここでスケートするの」

 そう言うと真里亜は、スイスイと軽やかに滑り始める。

「お前、滑れるのか?」
「こう見えて大学では、体育会フィギュアスケート部だったんです」
「ええ?!そんな部活あるのか」
「はい。大学で始めたからそんなに上手くないですけどね」
「じゃあ、あれか?トリプルアクセル、飛べるのか?」
「飛べたら私、今ここにはいないと思いますよ?」

 あはは!と文哉は笑い出す。

「そうだな。でも本当はもっと滑れるんだろう?俺に合わせなくてもいいぞ」
「じゃあ、副社長。手を貸してください」
「え?」

 真里亜は左足でくるりとターンして向きを変えると、文哉と向かい合って手を取った。

「しっかり捕まっててくださいね」

 そう言うと文哉の両手を握り、真里亜は後ろを見ながらバックで滑り始める。

「うわっ、すごいな」
「ええ。スピード上げると、風を切って気持ち良くないですか?」
「確かに」
「私、この感覚が大好きなんです。まるで飛んでるみたいな気がして。地上だと絶対体感出来ないですよね」
「そうだな。そうか、こんなにスピード出るものなんだ」
「それにしても、副社長。スピード上げても全然怖がらないんですね。素質ありますよ。一緒にアイスダンスでも始めませんか?」
「ぶっ!やめろ。俺はそんなキャラじゃない」
「あはは!確かに」

 何周か回ってから休憩していると、小さな女の子が真里亜に話しかけてきた。

「Can you jump?」
「んー、just a little bit」
「Show me ! 」

 ええー?!と真里亜は苦笑いするが、女の子は目を輝かせている。

「そんな、何年ぶり?飛べるかな。転んだらごめんね」

 Just a single jumpね、と女の子に断ってから、真里亜は大きく助走をつける。

 人の波が途切れたところでターンすると、左足のアウトサイドに乗って右足を後ろに引き、つま先を氷について飛び上がり、大きく1回転した。

 両手を広げて後ろに流れると、女の子は嬉しそうに拍手をして喜んでいる。

「ふふっ、センキュー!」

 ザッと女の子の前でブレーキをかけ、イエーイ!とハイタッチした。

 すると周りにいた人までが拍手を始め、滑るのをやめて真里亜を見ている。

「ええ?!何?」

 リンクにいる人達が、皆、もっと!と拍手をしていた。

「やだ、もう。どうしよう」
「何かしないと、収まらないと思うぞ?」

 文哉に言われ、真里亜は仕方なく助走をつけ始める。

 ワー!と拍手が大きくなった。

 (あー、恥ずかしい。大して上手くないのに…)

 リンクは全面真里亜の為に空けられていて、それに応えるように、真里亜は足を後ろに高く上げるスパイラルでリンクに半円を描く。

 ヒュー!と一層皆は盛り上がった。

 真里亜は向きを変えてバックスパイラルをしたあと、そのまま踏み込んでスピンを回り始める。

 オオー!と拍手が大きくなり、オマケですよと思いながら、真里亜は上体を大きく後ろに反らして回る。

 (うぐっ、やっぱり久しぶりのレイバックスピンは無理がある!背中が…いたた)

 ヨレヨレになりながらのフィニッシュになったが、見ていた人からは歓声と拍手が起こる。

 真里亜は照れながら、両膝を曲げて腕を胸の前に持ってくると、拍手に応えるようににっこり笑って手を広げる。

 そして脱兎のごとく文哉のもとに戻ってきた。

「副社長!行きましょう」
「え、もう帰るのか?まだみんな注目してるぞ」
「恥ずかしくて顔から火が出そうです。ほら、早く!」

 真里亜は後ろを振り返り、苦笑いしながら皆に手を振って、そそくさとリンクをあとにした。

 *****

 カフェでひと息ついたあと一度ホテルに戻り、着替えてからミュージカルを観に出掛ける。

 カレンに何が観たいかと聞かれ、文哉が『ウエスト・サイド・ストーリー』と答えた意味がようやく分かった。

 この話のヒロインの名前はマリア。

 劇中、主人公のトニーが、ヒロインのマリアに恋焦がれて歌う曲『マリア』

 何度も熱く切なく「マリア」と呼ばれ、真里亜は思わず顔が赤くなる。

「Tonight」では、伸びやかな歌声に胸が震え、圧巻のダンスシーンに目が離せなくなり、最後はストーリーにのめり込んで、いつの間にか涙が溢れていた。

「はあ、なんだかもう、お腹いっぱい」

 レストランで夕食を食べながら、真里亜は余韻に浸ってうっとりする。

「その割にはパクパク食べてるじゃないか」
「それは、まあ。いくら素晴らしくても、ミュージカルでお腹は満たされませんから」
「ぶっ!お前、ホントに色気より食い気だな」

 なんだかんだと言い合いながら、二人はニューヨークを大いに満喫していた。

 *****

 翌日の12月23日。
 街はいよいよクリスマスを目前にして賑わっている。

 真里亜達は、午前中はクリスマス・マーケットを覗きながら、可愛い雑貨を見て回っていた。

 立ち寄ったカフェでドリンクを注文すると、スタッフに名前は?と聞かれた。

「マリア」
 と答えると、OK!と、カップにサラサラと名前を書かれる。

 だが文哉が名乗ると、はあ?と聞き返されていた。

「お前はいいよな。どこの国でも分かりやすい名前で」
「そうですね。スペルも一緒ですし。副社長も、カフェなんですから本名を答えなくてもいいんじゃないですか?適当にニックネームでも」
「例えば?」
「んー、文哉だからフーとか?」
「お前な。名前聞かれてWhoって答えるなんて、ケンカ売ってるのかと勘違いされる」
「あはは、確かに。じゃあ、フレディは?」

 フレディ?と、文哉は顔をしかめる。

「やだよ、フレディなんて。どのツラ下げて言ってんだって思われそう」
「いいじゃないですか。フレディなら聞き返されませんよ?」
「やめとく。俺には似合わん」

 だが、昼食を食べに寄ったパンケーキショップで、またもや文哉は名前を聞き返される。

「Fu…? Sorry?」
「…Freddy」
「Oh ! OK」

 ぷっ!と小さく吹き出す真里亜を、文哉はジロリと睨んでいた。

 パンケーキショップを出ると、一度ホテルに戻る。

「楽しみだなー!リンカーン・センターで観るバレエ。んーと、今夜はクリスマスカラーの赤のワンピースにしようっと」

 選んだ演目は、やはりこの時期には外せない『くるみ割り人形』

 真里亜はボルドーの膝丈のワンピースを着ると、髪型は低めのポニーテールにした。

 ロングブーツを履いて、真っ白なコートを着る。

 すっかり主人公のクララの気分で、ウキウキと劇場に足を踏み入れた。

「わあ、とっても綺麗な劇場ですね」
「ああ、そうだな」
「優美で豪華で、もう劇場自体が芸術作品ですよね」
「うん。日本ももっと日常的に、芸術鑑賞が身近になるといいよな」
「ええ、そうですよね」

 ニューヨーク滞在中に、二人はすっかり芸術作品に魅力されていた。

 この日のバレエもとても素晴らしく、真里亜の忘れられない思い出になった。
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