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42.ダンジョン捜索1 準備
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王都サリュース内の、ム-ス公爵家にほど近い酒場の地下では、悪魔達の会合が行われていた。
そこには、悪魔ガルニアと人間に憑依した、手下の悪魔達数名が寄り集まっていた。
「姿が見えぬが、ガンド大臣はどうしたのじゃ?」
悪魔ガルニアは、集まった顔ぶれを確認するように見回す。
「まだ来ていないようです」
「そうか。それでは、ロックフェル商会の件について、報告しなさい」
「先日、ロックフェル商会当主、マ-ク・ロックフェルより、娘ミオ・ロックフェルが誘拐され、犯人からの連絡が途絶えたと、捜索の依頼が王国警備隊に出されました」
王国警備隊の制服を着た男が、悪魔ガルニアに報告をする。
「盗賊と私の可愛いキメラが、消えた件にロックフェル商会は、関わりがないと言う事じゃな?」
悪魔ガルニアは、マ-ク・ロックフェルが関わっていると、考えていたため。色々と探りを入れていた。
「色々と調べましたが、関わりないようです」
「関わりない…………では、ロックフェル商会に付いては、盗賊とキメラの一件が解決するまで、保留にする。気取られてもまずいからな…………盗賊とキメラの調査は、どうなっている?」
「盗賊の拠点があった場所には、大穴が開いており、何者かによる採掘跡を、確認しております。ただ、何を採掘していたのかまでは、分かりませんでした。」
文官服を着た男が、書面を見ながら報告をする。
「この短期間の間に…………採掘…………引き続き調べるように~つぎ!」
悪魔ガルニアは、短期間の間に採掘をして、姿を消した者の持つ力を、推し量っていた。
「はっ、第六ダンジョンですが、冒険者が四十六階層に到達したため、キングワ-ムとミノタウロスを、送り込みました」
「それだけの戦力で大丈夫なのか?」
「王都の有力な冒険者を含む、数チ-ムの冒険者を排除しておりますので、大丈夫かと…………」
「冒険者を五十階層に、入れてはならんぞ。魔王の遺産があるのだからな…………」
悪魔ガルニアは、秘密結社アーネストのランベル王国支部を、主から任されていた。
そして、第六ダンジョン五十階層奥にある。魔王の遺産に人を近づけない事も、任務の一つであった。
日の出前に王都を馬車で出てから、ダンジョンに付いたのは、昼を過ぎた頃だった。
ダンジョンの入り口近くにはテントが張られ、冒険者がダンジョンへの出入りを制限していた。
響達は、冒険者組合からの依頼書を見せて、ダンジョンの中へと入って行く。
マスター、座標設定アンカーを、入り口付近に設置しといて、あと十階層ごとにもよろしく。
はいはい。
「ジュリアンさん、転移魔法とかで四十六階層に行けないの?」
琴祢との交信を終えた響は、これだけ深いダンジョンに、移動手段が歩きしか無い事を、不思議に思った。
「転移魔法を使える二人も、行方不明なんだよ。変わりが来るのに、二ヶ月かかるそうだ」
転移魔法は特殊な魔法で、取得している者の人数も少なく、手の空いている者 などこにもいない、ジュリアンが言ったように、手配するだけでも日数と多額の金銭が必要となるのだ。
「リーダー四十五階層まで一気に行かないと、他の冒険者がへたばる前に…………」
モカ・ピンチは、ブロードソードを腰に二本、両手にもブロードソードを持ち、歩き始めた。
各階層には、冒険者が一チ-ムから二チ-ム配置されており、湧き出す魔物達の駆除を行い、響達の進路を確保していた。
十階層まで六時間、途中でゴブリンの襲撃を受けたが、二十体程度の数では、今の響達の敵ではなく、呆気なく打ち取る事が出来た。
「ん! 何だこれ…………」
響の足元には、赤いグミのような血の塊が転がっていた。
「それは、賢者の石です。魔物の心臓や肺と言った体内で形成される物で、錬金術の原料になります。高く売れるんですよ」
後ろから響に近づくア-リン・リドルは、賢者の石を拾い上げて、腰に付けたポ-チに仕舞うのであった。
ダンジョンの外で、賢者の石を手に入れようとすると、胸を切り裂き、血まみれ覚悟で心臓や肺をさばいて、賢者の石を取り出すしかない。しかし、ダンジョン内であれば、倒した魔物が消滅する時に、大きさは小さくなるが、手を汚さなくても手に入れる事が出来る。ただ、小さい賢者の石は一緒に消滅してしまう。
錬金術かぁ…………ゴ-レムが作れれば、農作業に使えるかなぁ~
「全員急ぐぞ!」
ジュリアンは、こんな浅い階層で魔物達が集団で向かってくる事に、違和感を覚えていた。なぜならば、今までこの様な事は無かったからだ。
「最近の冒険者は、弱くなったものだなぁ~」
王国警備隊の制服を着た男が、血の滴る大剣を持ったミノタウロスのうしろから、その成果を確認するように、見物していた。
「次は、四十三階層だ! 冒険者を、皆殺しにするんだ!」
王国警備隊の制服を着た男は、ミノタウロスに命令をする。
ここまで、四十四階層から四十五階層にいた冒険者三十二人は、言うまでもなく悉く、ミノタウロスの持つ大剣の餌食となっていた。
そこには、悪魔ガルニアと人間に憑依した、手下の悪魔達数名が寄り集まっていた。
「姿が見えぬが、ガンド大臣はどうしたのじゃ?」
悪魔ガルニアは、集まった顔ぶれを確認するように見回す。
「まだ来ていないようです」
「そうか。それでは、ロックフェル商会の件について、報告しなさい」
「先日、ロックフェル商会当主、マ-ク・ロックフェルより、娘ミオ・ロックフェルが誘拐され、犯人からの連絡が途絶えたと、捜索の依頼が王国警備隊に出されました」
王国警備隊の制服を着た男が、悪魔ガルニアに報告をする。
「盗賊と私の可愛いキメラが、消えた件にロックフェル商会は、関わりがないと言う事じゃな?」
悪魔ガルニアは、マ-ク・ロックフェルが関わっていると、考えていたため。色々と探りを入れていた。
「色々と調べましたが、関わりないようです」
「関わりない…………では、ロックフェル商会に付いては、盗賊とキメラの一件が解決するまで、保留にする。気取られてもまずいからな…………盗賊とキメラの調査は、どうなっている?」
「盗賊の拠点があった場所には、大穴が開いており、何者かによる採掘跡を、確認しております。ただ、何を採掘していたのかまでは、分かりませんでした。」
文官服を着た男が、書面を見ながら報告をする。
「この短期間の間に…………採掘…………引き続き調べるように~つぎ!」
悪魔ガルニアは、短期間の間に採掘をして、姿を消した者の持つ力を、推し量っていた。
「はっ、第六ダンジョンですが、冒険者が四十六階層に到達したため、キングワ-ムとミノタウロスを、送り込みました」
「それだけの戦力で大丈夫なのか?」
「王都の有力な冒険者を含む、数チ-ムの冒険者を排除しておりますので、大丈夫かと…………」
「冒険者を五十階層に、入れてはならんぞ。魔王の遺産があるのだからな…………」
悪魔ガルニアは、秘密結社アーネストのランベル王国支部を、主から任されていた。
そして、第六ダンジョン五十階層奥にある。魔王の遺産に人を近づけない事も、任務の一つであった。
日の出前に王都を馬車で出てから、ダンジョンに付いたのは、昼を過ぎた頃だった。
ダンジョンの入り口近くにはテントが張られ、冒険者がダンジョンへの出入りを制限していた。
響達は、冒険者組合からの依頼書を見せて、ダンジョンの中へと入って行く。
マスター、座標設定アンカーを、入り口付近に設置しといて、あと十階層ごとにもよろしく。
はいはい。
「ジュリアンさん、転移魔法とかで四十六階層に行けないの?」
琴祢との交信を終えた響は、これだけ深いダンジョンに、移動手段が歩きしか無い事を、不思議に思った。
「転移魔法を使える二人も、行方不明なんだよ。変わりが来るのに、二ヶ月かかるそうだ」
転移魔法は特殊な魔法で、取得している者の人数も少なく、手の空いている者 などこにもいない、ジュリアンが言ったように、手配するだけでも日数と多額の金銭が必要となるのだ。
「リーダー四十五階層まで一気に行かないと、他の冒険者がへたばる前に…………」
モカ・ピンチは、ブロードソードを腰に二本、両手にもブロードソードを持ち、歩き始めた。
各階層には、冒険者が一チ-ムから二チ-ム配置されており、湧き出す魔物達の駆除を行い、響達の進路を確保していた。
十階層まで六時間、途中でゴブリンの襲撃を受けたが、二十体程度の数では、今の響達の敵ではなく、呆気なく打ち取る事が出来た。
「ん! 何だこれ…………」
響の足元には、赤いグミのような血の塊が転がっていた。
「それは、賢者の石です。魔物の心臓や肺と言った体内で形成される物で、錬金術の原料になります。高く売れるんですよ」
後ろから響に近づくア-リン・リドルは、賢者の石を拾い上げて、腰に付けたポ-チに仕舞うのであった。
ダンジョンの外で、賢者の石を手に入れようとすると、胸を切り裂き、血まみれ覚悟で心臓や肺をさばいて、賢者の石を取り出すしかない。しかし、ダンジョン内であれば、倒した魔物が消滅する時に、大きさは小さくなるが、手を汚さなくても手に入れる事が出来る。ただ、小さい賢者の石は一緒に消滅してしまう。
錬金術かぁ…………ゴ-レムが作れれば、農作業に使えるかなぁ~
「全員急ぐぞ!」
ジュリアンは、こんな浅い階層で魔物達が集団で向かってくる事に、違和感を覚えていた。なぜならば、今までこの様な事は無かったからだ。
「最近の冒険者は、弱くなったものだなぁ~」
王国警備隊の制服を着た男が、血の滴る大剣を持ったミノタウロスのうしろから、その成果を確認するように、見物していた。
「次は、四十三階層だ! 冒険者を、皆殺しにするんだ!」
王国警備隊の制服を着た男は、ミノタウロスに命令をする。
ここまで、四十四階層から四十五階層にいた冒険者三十二人は、言うまでもなく悉く、ミノタウロスの持つ大剣の餌食となっていた。
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