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40.冒険者組合からの依頼
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響とアリシアは、亜空間ベース『レオン』にいた。
アリシアが持つ石化したリングは、クロエの言っていたように、『ナインリング』の一つだった。
石化したリングを教会で預かったのは、いつ頃の戦いの後なのかは分からないが、代々教会で引き継がれていたらしい。
シ-ドル公爵家が取り潰しになり、教会の存続も危うかった事を境に、シスターマリンは、リングをアリシアに返す決心をしたのだ。
だが、またこのリングに、氷属性の精霊とその力が、戻るかどうかはまだ分からない。
「マスター、ドワ-フの鉱山村『ドルン』の、ドヴェルグ村長からの連絡で、鉱山からアダマンタイト鉱の鉱脈が、発見されたそうです」
「アダマンタイト鉱…………?」
響は、琴祢の報告を聞いても、アダマンタイト鉱自体何なのかが分からなかった。
「ミスリル、オリハルコン、アダマンタイトと、硬度が強くなり、武器防具を作るのに非常に希少性がある鉱物です。」
「と言う事は、高く売れると言う事なのかなぁ?」
ティスに希少性と言われても、今一つピンとこない響は、金銭に置き換えて価値をはかろうと考えた。
「そうですね。インゴットにして売るか、武器や防具に加工して売るようですね。アダマンタイト鉱は、一キロ大金貨十枚だそうです。今回のように、鉱脈で見つかったのは、初めてだそうです。今まで手付かずだったからでしょうか」
大金貨十枚と言うと…………1千万か…………
「琴祢、ドルン村に転送してくれ。ちょっと見て来る」
響は、アダマンタイト鉱を、見た事がなかったので、興味がわいたようだ。
「村長、この鉱石ジャマなんだけど、何処かに捨ててもいいか?」
鉱夫の一人が、山積みになった鉱石を指して、足で踏みつけている。
「今は価値がないが、捨てるのは響様に聞いてからだ!」
村長達が、価値がないと言う鉱石の山は三十程あり、その山の高さは二十メールはあった
「ドヴェルグ村長!」
響は、一人でドワ-フの鉱山村『ドルン』に、やって来た。
クロエは、『ヒビキアイランド』の中なら、離れていても転送出来る事が分かったので、亜空間ベース『レオン』に置いて来た。
なぜならば、連れて来るとドワ-フ達と、勝手に酒盛りを始めて、手が付けられないからだ。
「お~これは、響様! 早速お越し頂きありがとうございます」
ドヴェルグ村長は、久しぶりに会う響を見て、嬉しそうにしている。
「アダマンタイト鉱が、気になって見に来たんだ」
「では、高炉の方へ見に参りましょう」
響は、ドヴェルグ村長に連れられ、高炉へ向かった。
ランベル王国、王都サリュースに有る。冒険者組合の執務室では、マリア組合長とジュリアン・コ-ンが、何やら話をしていた。
「王都の西にある、第六ダンジョン四十六階層で、冒険者チ-ムが姿を消した」
マリア組合長は、何時になく真剣な表情で、話し始める。
「で、うちのチ-ムに捜索依頼って事か……」
ジュリアンのチ-ムにとっては、久しぶりの依頼となる。と言うのも、ジュリアンのチ-ムは、この王都内でもランクが高く、依頼料が高いのだ。だから、依頼も少ない。
「姿を消したのは、三チ-ム……捜索に二チ-ム出したけど戻ってこないの…………その内の一チ-ムは、チ-ム『デッカ-』よ」
「本当にあのチ-ム『デッカ-』が、行方不明なのか? 信じられん……」
チ-ム『デッカ-』は、ジュリアンのチ-ムと並ぶ、実力を持つチ-ムだった。
「今、ダンジョンの四十五階層までは押さえているから、急ぎでお願い」
現在、冒険者が潜り各階層を押さえ、四十六階層に行くための道筋は、押さえているらしい。
後は、ジュリアンのチ-ムが潜るだけだ。
「アダマンタイトのインゴットって、赤茶けた色をしているんだ!」
響は、出来たばかりの、アダマンタイトのインゴットを見ながら、皆が言うような希少価値がある鉱物には、到底見えなかった。
これ一個が十五キロ、大金貨百五十枚、一億五千万かぁ~
「今は、アダマンタイトが取れる、第二鉱区だけを採掘しています」
ドヴェルグ村長は、鼻息まじりに力が入っている。
「ドヴェルグ村長、後で酒と料理を届けさせるので、皆の慰労をよろしくお願いします。ところで外のあの山は何ですか?」
「ありがとうございます! 皆も喜びます……あぁ、あれはですね。第一鉱区から掘り出した。『ヒビキアイランド』では、今の所必要ない鉱物でして、捨てる所を今探している所です」
「捨てる所なら…………砕いて道路整備に使いましょう」
丁度、王都の道路整備に、多くの採石が必要だったのだ。
「ただ、あの鉱石には高純度のプラチナ、金、銀が含まれているので、あまり道路整備には向かないかと………………………」
ドヴェルグ村長は、申し訳なさそうに押し黙った。
「……………………高純度のプラチナ、金、銀……………………捨てる?」
何考えてんだ~このドワ-フ達は…………
プラチナ、金、銀の鉱石を捨てるだと~
どうやら話を聞いてみると、プラチナ、金、銀などは、装飾品に使う分以外、今『ヒビキアイランド』では需要がなく、邪魔にしかならないので積み上げていた所に、今回アダマンタイトが見つかって、本当に邪魔になって捨てる先を探していたらしいのだ。
「琴祢、『ドルン』にある鉱石の山、全部回収して分解してくれ」
「了解! マスター、ジュリアンさん達が、待ってるよ」
「何だろうなぁ~? じゃ、鉱石の回収が済んだら、転送してくれ」
響は、ドヴェルグ村長に、掘って邪魔な鉱石が出たら言うように、きつく注意しておいた。
アリシアが持つ石化したリングは、クロエの言っていたように、『ナインリング』の一つだった。
石化したリングを教会で預かったのは、いつ頃の戦いの後なのかは分からないが、代々教会で引き継がれていたらしい。
シ-ドル公爵家が取り潰しになり、教会の存続も危うかった事を境に、シスターマリンは、リングをアリシアに返す決心をしたのだ。
だが、またこのリングに、氷属性の精霊とその力が、戻るかどうかはまだ分からない。
「マスター、ドワ-フの鉱山村『ドルン』の、ドヴェルグ村長からの連絡で、鉱山からアダマンタイト鉱の鉱脈が、発見されたそうです」
「アダマンタイト鉱…………?」
響は、琴祢の報告を聞いても、アダマンタイト鉱自体何なのかが分からなかった。
「ミスリル、オリハルコン、アダマンタイトと、硬度が強くなり、武器防具を作るのに非常に希少性がある鉱物です。」
「と言う事は、高く売れると言う事なのかなぁ?」
ティスに希少性と言われても、今一つピンとこない響は、金銭に置き換えて価値をはかろうと考えた。
「そうですね。インゴットにして売るか、武器や防具に加工して売るようですね。アダマンタイト鉱は、一キロ大金貨十枚だそうです。今回のように、鉱脈で見つかったのは、初めてだそうです。今まで手付かずだったからでしょうか」
大金貨十枚と言うと…………1千万か…………
「琴祢、ドルン村に転送してくれ。ちょっと見て来る」
響は、アダマンタイト鉱を、見た事がなかったので、興味がわいたようだ。
「村長、この鉱石ジャマなんだけど、何処かに捨ててもいいか?」
鉱夫の一人が、山積みになった鉱石を指して、足で踏みつけている。
「今は価値がないが、捨てるのは響様に聞いてからだ!」
村長達が、価値がないと言う鉱石の山は三十程あり、その山の高さは二十メールはあった
「ドヴェルグ村長!」
響は、一人でドワ-フの鉱山村『ドルン』に、やって来た。
クロエは、『ヒビキアイランド』の中なら、離れていても転送出来る事が分かったので、亜空間ベース『レオン』に置いて来た。
なぜならば、連れて来るとドワ-フ達と、勝手に酒盛りを始めて、手が付けられないからだ。
「お~これは、響様! 早速お越し頂きありがとうございます」
ドヴェルグ村長は、久しぶりに会う響を見て、嬉しそうにしている。
「アダマンタイト鉱が、気になって見に来たんだ」
「では、高炉の方へ見に参りましょう」
響は、ドヴェルグ村長に連れられ、高炉へ向かった。
ランベル王国、王都サリュースに有る。冒険者組合の執務室では、マリア組合長とジュリアン・コ-ンが、何やら話をしていた。
「王都の西にある、第六ダンジョン四十六階層で、冒険者チ-ムが姿を消した」
マリア組合長は、何時になく真剣な表情で、話し始める。
「で、うちのチ-ムに捜索依頼って事か……」
ジュリアンのチ-ムにとっては、久しぶりの依頼となる。と言うのも、ジュリアンのチ-ムは、この王都内でもランクが高く、依頼料が高いのだ。だから、依頼も少ない。
「姿を消したのは、三チ-ム……捜索に二チ-ム出したけど戻ってこないの…………その内の一チ-ムは、チ-ム『デッカ-』よ」
「本当にあのチ-ム『デッカ-』が、行方不明なのか? 信じられん……」
チ-ム『デッカ-』は、ジュリアンのチ-ムと並ぶ、実力を持つチ-ムだった。
「今、ダンジョンの四十五階層までは押さえているから、急ぎでお願い」
現在、冒険者が潜り各階層を押さえ、四十六階層に行くための道筋は、押さえているらしい。
後は、ジュリアンのチ-ムが潜るだけだ。
「アダマンタイトのインゴットって、赤茶けた色をしているんだ!」
響は、出来たばかりの、アダマンタイトのインゴットを見ながら、皆が言うような希少価値がある鉱物には、到底見えなかった。
これ一個が十五キロ、大金貨百五十枚、一億五千万かぁ~
「今は、アダマンタイトが取れる、第二鉱区だけを採掘しています」
ドヴェルグ村長は、鼻息まじりに力が入っている。
「ドヴェルグ村長、後で酒と料理を届けさせるので、皆の慰労をよろしくお願いします。ところで外のあの山は何ですか?」
「ありがとうございます! 皆も喜びます……あぁ、あれはですね。第一鉱区から掘り出した。『ヒビキアイランド』では、今の所必要ない鉱物でして、捨てる所を今探している所です」
「捨てる所なら…………砕いて道路整備に使いましょう」
丁度、王都の道路整備に、多くの採石が必要だったのだ。
「ただ、あの鉱石には高純度のプラチナ、金、銀が含まれているので、あまり道路整備には向かないかと………………………」
ドヴェルグ村長は、申し訳なさそうに押し黙った。
「……………………高純度のプラチナ、金、銀……………………捨てる?」
何考えてんだ~このドワ-フ達は…………
プラチナ、金、銀の鉱石を捨てるだと~
どうやら話を聞いてみると、プラチナ、金、銀などは、装飾品に使う分以外、今『ヒビキアイランド』では需要がなく、邪魔にしかならないので積み上げていた所に、今回アダマンタイトが見つかって、本当に邪魔になって捨てる先を探していたらしいのだ。
「琴祢、『ドルン』にある鉱石の山、全部回収して分解してくれ」
「了解! マスター、ジュリアンさん達が、待ってるよ」
「何だろうなぁ~? じゃ、鉱石の回収が済んだら、転送してくれ」
響は、ドヴェルグ村長に、掘って邪魔な鉱石が出たら言うように、きつく注意しておいた。
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