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第12章 集結、3人の「悪魔」
第310話 「邪神」からの宣戦布告
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*第12章の始まりです。
その日、エルードに住む全ての人間達が戦慄した。
とある存在が、エルード全域にわたって「宣戦布告」をしたのだ。
その「とある存在」とは……。
「聞けぇ! エルードに住む全ての人間達よぉ! 我が名はループス! お前達が『邪神』と呼ぶ存在だ!」
そう、500年にわたる封印から解放された、人々から「邪神」と呼ばれる存在にして、このエルードの本当の神、「月光と牙の神ループス」だ。
ループスは世界中に放った「邪神の眷属」こと自身の「分身」達を通して、エルードに住む人々に向かって叫んだ。
「お前達、異世界から『勇者』などという存在を呼んで安心しきっているようだな! だがな、そんなものを呼んだからといって、『神』であるこの我に勝てると思ったら、大間違いだぞ!」
声高々にそう叫ぶループスの言葉を聞いて、人々は恐怖で震えた。
しかし、そんな彼らに構わず、ループスは更に叫び続ける。
「まぁでも、我も異世界の『勇者』がどれだけ強いかは興味がある! もし、我に勝つ自信があると言うなら、北の大地に来い! そう、『始まりの悪魔』が生まれた場所にだ! 我はそこで、お前達が来るのを、逃げも隠れもせず待っているから、勝負したいならいつでも来るがいい! もっとも、『勝つ自信』があるならな!」
そして、「ガハハ」と笑った後、ループスの分身達は一斉にその場から消えた。
それから暫くの間、世界中が恐怖と混乱に包まれた。
ある場所では人々が一斉に荷物をまとめて故郷から逃げ出し、ある場所では武器を持って立ち上がる人達がいたが、肝心のループスのもとに着く前に、その分身達によってこてんぱんにされたりなどといった出来事が多々あった。
そんな中、2つの大国と、1つの都市で、大きな動きがあった。
まず、数多くのハンター達が集う中立都市「シャーサル」では、2つ巨大レギオン、「紅蓮の猛牛」と「黄金の両手」が、ギルド総本部長であるフレデリックよりループス討伐の任務を受けて、皆ループスが待つ北へと旅立った。
次に、「勇者召喚」を行った大国「セイクリア王国」では、多くの国民の離反や五神教会内でのゴタゴタと、未だ混乱は収まってはいないが、国王ウィルフレッドの指揮のもと、数多くの王国騎士や兵士、そしてセイクリアに残っている「勇者」達が、ループス討伐の為に同じく北へと旅立った。
最後に、もう1つの大国である「ウォーリス帝国」でも、ループスの宣戦布告に対する動きがあった。
「……まさか、ついに動き出すとはな」
と、いつになく深刻そうな表情でそう呟きながら、皇帝であるギルバートは自室で準備を進めていた。その横では、皇妃エリノーラやレイモンドら皇子、皇女達が心配そうな表情をしていた。
その一方で、リアナはというと、ギルバートと同じく自室で準備しつつ、
「……お父さん」
と、自身の育ての親であるループスのことを考えて、悲しそうな表情を浮かべていた。
その横では同じく育ての親であるヘリアテスも、
「……ループス」
と、リアナと同じく悲しそうな表情になっていた。
そして、春風はというと、自室で愛刀・彼岸花の刀身をジィッと眺めながら、
「……やばいなぁ」
と、なにやら深刻そうな表情でそう呟いていた。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、今日から本編新章の開始になります。
その日、エルードに住む全ての人間達が戦慄した。
とある存在が、エルード全域にわたって「宣戦布告」をしたのだ。
その「とある存在」とは……。
「聞けぇ! エルードに住む全ての人間達よぉ! 我が名はループス! お前達が『邪神』と呼ぶ存在だ!」
そう、500年にわたる封印から解放された、人々から「邪神」と呼ばれる存在にして、このエルードの本当の神、「月光と牙の神ループス」だ。
ループスは世界中に放った「邪神の眷属」こと自身の「分身」達を通して、エルードに住む人々に向かって叫んだ。
「お前達、異世界から『勇者』などという存在を呼んで安心しきっているようだな! だがな、そんなものを呼んだからといって、『神』であるこの我に勝てると思ったら、大間違いだぞ!」
声高々にそう叫ぶループスの言葉を聞いて、人々は恐怖で震えた。
しかし、そんな彼らに構わず、ループスは更に叫び続ける。
「まぁでも、我も異世界の『勇者』がどれだけ強いかは興味がある! もし、我に勝つ自信があると言うなら、北の大地に来い! そう、『始まりの悪魔』が生まれた場所にだ! 我はそこで、お前達が来るのを、逃げも隠れもせず待っているから、勝負したいならいつでも来るがいい! もっとも、『勝つ自信』があるならな!」
そして、「ガハハ」と笑った後、ループスの分身達は一斉にその場から消えた。
それから暫くの間、世界中が恐怖と混乱に包まれた。
ある場所では人々が一斉に荷物をまとめて故郷から逃げ出し、ある場所では武器を持って立ち上がる人達がいたが、肝心のループスのもとに着く前に、その分身達によってこてんぱんにされたりなどといった出来事が多々あった。
そんな中、2つの大国と、1つの都市で、大きな動きがあった。
まず、数多くのハンター達が集う中立都市「シャーサル」では、2つ巨大レギオン、「紅蓮の猛牛」と「黄金の両手」が、ギルド総本部長であるフレデリックよりループス討伐の任務を受けて、皆ループスが待つ北へと旅立った。
次に、「勇者召喚」を行った大国「セイクリア王国」では、多くの国民の離反や五神教会内でのゴタゴタと、未だ混乱は収まってはいないが、国王ウィルフレッドの指揮のもと、数多くの王国騎士や兵士、そしてセイクリアに残っている「勇者」達が、ループス討伐の為に同じく北へと旅立った。
最後に、もう1つの大国である「ウォーリス帝国」でも、ループスの宣戦布告に対する動きがあった。
「……まさか、ついに動き出すとはな」
と、いつになく深刻そうな表情でそう呟きながら、皇帝であるギルバートは自室で準備を進めていた。その横では、皇妃エリノーラやレイモンドら皇子、皇女達が心配そうな表情をしていた。
その一方で、リアナはというと、ギルバートと同じく自室で準備しつつ、
「……お父さん」
と、自身の育ての親であるループスのことを考えて、悲しそうな表情を浮かべていた。
その横では同じく育ての親であるヘリアテスも、
「……ループス」
と、リアナと同じく悲しそうな表情になっていた。
そして、春風はというと、自室で愛刀・彼岸花の刀身をジィッと眺めながら、
「……やばいなぁ」
と、なにやら深刻そうな表情でそう呟いていた。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、今日から本編新章の開始になります。
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