ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第11章 断罪官の逆襲

第304話 終わった後の、ひと騒ぎ?

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 アマテラスとヘファイストスによる「神の裁き」が終わり、春風達は今度こそ戦いが終わったのを確認した後、全員で帝城へと戻った。勿論、ウォーレン達断罪官も一緒にだ。ついでに、気を失ったアッシュ達も回収した。

 それから暫くすると、帝城内の一室にあるベッドの上で、

 「う、うぅん……」

 今、1人の少女が目を覚ました。

 「あ、星乃香ちゃん!」

 「星乃香!」

 双子姉妹の彩織と詩織がそう叫ぶと、

 「……彩織ちゃん? 詩織ちゃん?」

 その少女、小日向星乃香は、寝ぼけ眼で2人を見ると、

 「あ、天上さん、朝日君、野上君、海神さん、力石君、渡世君、白銀さん、それに、桜庭君までいる」

 と、その周囲にいる人達ーークラスメイト達を見回した。

 そして一通り見た後、穏やかな笑みを浮かべて、

 「あぁ、そっか。私、を見てるんだぁ」

 と寝ぼけた口調でそう言うと、

 「いや、じゃねぇよ小日向」

 「そうだよ小日向ちゃん、

 と、鉄雄と恵樹に突っ込まれて、星乃香が「え?」と小さく呟くと、だんだん視界がはっきりしていくのを感じて、

 「うそ、みんながいる! 何で!?」

 と、驚いた勢いでガバッと上半身を起こした……のだが、

 『わぁあーっ! ちょ、前、前ぇ!』

 と、クラスメイト達が皆一斉にそう叫んだので、星乃香は「?」と今の自分の状態を見ると、

 「イヤァアアアアアッ! な、何で裸なのぉ!?」

 見事なまでに、素っ裸だった。

 その後、星乃香は急いでベッドのシーツで前を隠すと、

 「ね、ねぇ、彩織ちゃん、ここは何処なの!? 何で私、ここで寝てるの!?」

 と、慌てた表情で彩織に尋ねてきたので、

 「お、落ち着いて星乃香ちゃん。順番に話すから……」

 と、彩織はどうにか星乃香を落ち着かせると、現在の状況を説明した。

 「えっと、まずここは『ウォーリス帝国』って国のお城の中で、星乃香ちゃんは……そう、『悪い騎士』達に酷いことをされてたのを助け出されて、ここに運ばれたんだよ!」

 「悪い……騎士……っ!」

 彩織の説明を聞いた瞬間、星乃香はここへ来る前の記憶を思い出した。とても嫌な記憶だったのか、ブルブルと体を震わせていた。

 「星乃香ちゃん!?」

 「だ、大丈夫。全部、思い出したから」

 その後暫くして、ようやく体の震えが止まると、星乃香は彩織達を見回しながら、

 「えっと、みんなが私を助けてくれたの?」

 と尋ねると、

 「いや。お前を助けたのは、俺達じゃない」

 と、それまで黙っていた煌良が否定した。

 「え、じゃあ誰が?」

 と、星乃香が尋ねると、水音、鉄雄、恵樹の3人が無言で部屋を出て、

 「オイ、お前いつまで外にいる気だ!?」

 「だ、だって、どういう顔をすれば良いのか……」

 「君が助けたんじゃないか!」

 「そうそう、小日向ちゃんが助かったのはハルッちの活躍のおかげなんだから!」

 「ま、待って! まだ心の準備が……」

 「「「いいから、行け!」」」

 ドカッ!

 「うわぁっとぉ!」

 と、水音達3人に蹴り飛ばされた形で部屋に入ってきたのは、

 「……幸村、君?」

 もう1人のクラスメイト、春風だった。

 「あ、えっと……」

 と、春風が困った顔で星乃香を見ると、水音達が入ってきて、

 「うわぁ、ちょっと!」

 「「「こいつが助けました!」」」

 と、3人にグイグイと押されて、春風は星乃香の側に立たされた。

 「……」

 「ど、どうも、お久しぶり、です」

 呆然とした様子の星乃香に向かって、春風はぎこちない笑みを浮かべて挨拶すると、

 「幸村君の……」

 「?」

 「馬ぁ鹿ぁあああああああっ!」

 と、星乃香は側にあった枕を掴んで春風の顔面をぶっ叩いた。

 「ぶわっ! ちょ、小日向さん!?」

 突然のことに驚く春風を無視して、星乃香は何度も枕を春風に叩きつけながら叫ぶ。

 「なんで私達のこと置いてったの!? 今まで何してたの!? 半年も何で連絡とかしなかったの!? 何で桜庭君と戦って、女神様拳骨で潰しちゃってんのぉ!?」
 
 「こ、小日向さん、落ち着いてぇ!」

 と、春風が悲鳴じみた叫びをあげると、星乃香は少しずつ枕を叩きつける力を弱めた。

 そして、恐る恐る春風が星乃香の顔を見ると、

 「私も……高坂先生達も……本当に、心配、したんだからぁ」

 その顔は、大粒の涙で濡れていた。

 それを見た時、春風の心は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 当然だろう。事情があったとはいえ、何も告げずに小夜子とクラスメイト達のもとを飛び出したのだから。

 その後、春風は泣いている星乃香に向かって、

 「ごめんなさい、小日向さん。ごめんなさい」

 と、深々と頭を下げて謝罪した。
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