30 / 67
第五章・西の離宮
30・アルジェは見た!
しおりを挟む
「アルジェ、美味いな!この肉。」
もう┉この男は雰囲気というものを知らないのだろうか?
豪快に肉を食うアスバルを横目で見て、ふうぅ~っ┉と溜息をつく。
今、絶賛晩餐中だ。
目の前ではスリ様がほんのちょっぴりづつパンをお食べになっている。
もっとガツガツ食べていいんですよ?スリ様は。
隣を見ると豪快な食べっぷりのアスバル。
斜め前には甲斐甲斐しくスリ様をお世話するロイ王子の姿が。
スリ様、流石大物ですねぇ~王子殿下にお世話されるとは。
「ロイ王子┉アリかも知れない。スリ様に。」
私はスリ様にとって幸せなのはロイ王子かアラン王子なのか判断出来ずにいた。
アラン王子には申し訳ないが、スリ様の心はロイ王子のところにあるのは間違いないのだが┉。
そんな所にこの晩餐。
普通ならば、私がこの席に着くなんて考えられない┉。
一介の使用人の私──。
チラッと隣を見る。
この男はこう見えて伯爵家嫡男だ。だからこの人は王家の方との同席は許されるだろう。
なら私は?なんだが、スリ様が今回だけでも!と強くお望みになったのだ。
正直、スリ様とは普段から同席させていただいていた。
ずっと神殿でもそうだったしグラン聖国でも乳母であった母の功績が認められ王家の方々とは割合親密にさせていただいていたのだ。
でも┉ロイ王子との同席はいけなくない?
ちょっと緊張しながら席に着く。
┉ん?┉んん?アルジェは見た┉ロイ王子はスリ様しか見ていなかった。
私はもちろんアスバルの事も見ていない┉。
だからアスバルはやりたい放題で肉に齧り付いている。
「ちょっとアスバル。ロイ王子ってスリ様しか見てなくない?」との問いに
「あ?いつもの事だろう?放っておけば大丈夫だって!それよりコレ美味しいぞ!食べろ。」と言って骨付の肉を器用に骨を抜いてくれ目の前の皿に取り分けてくれる。
んん。美味しい!と二人で舌鼓を打つ。
アルジェは本当に心配性だな!って頭を撫でられた。
┉笑顔でじっと見てそうするので照れてしまう。
もう┉アスバルの奴!!
「スリジャ、もっと食べないと!だからあんなに身体細いんだろう?」とロイ王子。
へっ、何ておっしゃいました?今┉。
スリ様を見るとお顔が真っ赤になってらっしゃって┉。
ん?んんんん?身体┉?
スリ様はロイ王子に、もーーう!とか何とかおっしゃっているのだが。
ロイ王子という人は、同じ男の私から見ても魅力的だ┉。
なんだか男の色気が凄いのだ!
このエキゾチックな浅黒い肌は健康的に見えるし、そのムキムキな筋肉の流線がエロい、エロ過ぎる!
見た事もないような鮮やかな青い瞳は切れ長で鼻筋がスッと通っていて唇が薄いのがエロい、エロ過ぎる!
結局はエロいのか┉。いいな、エロくて┉羨ましい。
私は全くエロくないんだろうなーと隣を見る┉。
と、肉に食らいついていたはずのアスバルがこっちをじっと見ていた┉。
「アルジェ。ロイを見ていたのか?俺だけを見て┉くれないか?」と何時になく真剣な顔で言ってきた。
ドキン!見つめられて胸がドキドキしている┉。
そして┉テーブルの下で手をぎゅっと握ってきた──。
「アルジェ。今夜俺の部屋に来ないか?」
──to be continued.
もう┉この男は雰囲気というものを知らないのだろうか?
豪快に肉を食うアスバルを横目で見て、ふうぅ~っ┉と溜息をつく。
今、絶賛晩餐中だ。
目の前ではスリ様がほんのちょっぴりづつパンをお食べになっている。
もっとガツガツ食べていいんですよ?スリ様は。
隣を見ると豪快な食べっぷりのアスバル。
斜め前には甲斐甲斐しくスリ様をお世話するロイ王子の姿が。
スリ様、流石大物ですねぇ~王子殿下にお世話されるとは。
「ロイ王子┉アリかも知れない。スリ様に。」
私はスリ様にとって幸せなのはロイ王子かアラン王子なのか判断出来ずにいた。
アラン王子には申し訳ないが、スリ様の心はロイ王子のところにあるのは間違いないのだが┉。
そんな所にこの晩餐。
普通ならば、私がこの席に着くなんて考えられない┉。
一介の使用人の私──。
チラッと隣を見る。
この男はこう見えて伯爵家嫡男だ。だからこの人は王家の方との同席は許されるだろう。
なら私は?なんだが、スリ様が今回だけでも!と強くお望みになったのだ。
正直、スリ様とは普段から同席させていただいていた。
ずっと神殿でもそうだったしグラン聖国でも乳母であった母の功績が認められ王家の方々とは割合親密にさせていただいていたのだ。
でも┉ロイ王子との同席はいけなくない?
ちょっと緊張しながら席に着く。
┉ん?┉んん?アルジェは見た┉ロイ王子はスリ様しか見ていなかった。
私はもちろんアスバルの事も見ていない┉。
だからアスバルはやりたい放題で肉に齧り付いている。
「ちょっとアスバル。ロイ王子ってスリ様しか見てなくない?」との問いに
「あ?いつもの事だろう?放っておけば大丈夫だって!それよりコレ美味しいぞ!食べろ。」と言って骨付の肉を器用に骨を抜いてくれ目の前の皿に取り分けてくれる。
んん。美味しい!と二人で舌鼓を打つ。
アルジェは本当に心配性だな!って頭を撫でられた。
┉笑顔でじっと見てそうするので照れてしまう。
もう┉アスバルの奴!!
「スリジャ、もっと食べないと!だからあんなに身体細いんだろう?」とロイ王子。
へっ、何ておっしゃいました?今┉。
スリ様を見るとお顔が真っ赤になってらっしゃって┉。
ん?んんんん?身体┉?
スリ様はロイ王子に、もーーう!とか何とかおっしゃっているのだが。
ロイ王子という人は、同じ男の私から見ても魅力的だ┉。
なんだか男の色気が凄いのだ!
このエキゾチックな浅黒い肌は健康的に見えるし、そのムキムキな筋肉の流線がエロい、エロ過ぎる!
見た事もないような鮮やかな青い瞳は切れ長で鼻筋がスッと通っていて唇が薄いのがエロい、エロ過ぎる!
結局はエロいのか┉。いいな、エロくて┉羨ましい。
私は全くエロくないんだろうなーと隣を見る┉。
と、肉に食らいついていたはずのアスバルがこっちをじっと見ていた┉。
「アルジェ。ロイを見ていたのか?俺だけを見て┉くれないか?」と何時になく真剣な顔で言ってきた。
ドキン!見つめられて胸がドキドキしている┉。
そして┉テーブルの下で手をぎゅっと握ってきた──。
「アルジェ。今夜俺の部屋に来ないか?」
──to be continued.
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
731
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる