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第四章・Yesterday,Today,Forever…
51・クリス、来訪
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ク、クリス?また文句言いに来た訳じゃないよね?
ミシェルとクリス、二人共全くお互いに興味がないと聞いて、安心していたんですけどぉ?
「ミシェル様、マリン様、ごきげんよう。急にお伺いして申し訳ありません!この近くを歩いていましたら、ロテシュ伯爵家の馬車を見かけたもので。もしかしてマリン様が?と思いましてこちらに。少しの間お話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
今までの高飛車な態度が嘘のように、丁寧にそう言うクリスにちょっとだけ面食らう。
ハッキリとした物言いだが顔を見ると少し青ざめているのが分かる。それがほんの少しだけ気になって…
──まあ、僕も今までの失礼な言動は水に流すって決めたしな!
ミシェルも僕も、戸惑いながらも「分かりました。どうぞ」と答えて、応接室に通す。
今から本当は荷物の整理とか、ミシェルとイチャイチャするとかあったんだけどな~って思うけど、例え今までに色々あった人でもそう言われて断われる人なんている?僕は前世日本人だからね!気を使っちゃって無理だ…
執事のスミンさんが僕達にお茶を出してくれて、それから落ち着いたところで切り出す。
「クリス様…今日はどういったご用でいらしたんでしょう?」
明らかに緊張している様子のクリスに単刀直入に聞いてみる。
──クリスって改めて見るとやっぱり綺麗。
色鮮やかな赤髪に、薄い紫色の瞳とのコントラストが何とも言えない印象深さがある。
僕やレオ殿下も、決して不細工ではないけれど元々当て馬設定だからね?
やっぱりヒロイン(?)は違うなぁ~って。だけど…
一番は、何て言ったって僕のミシェルだよ。主人公は桁違いだね!
フフッ…「僕の」って言っちゃったよ~。
いけない!つい意識が違うところにいっちゃった!
「…で……な…です」
──はっ?声ちっちゃ!
蚊の鳴くような声でクリスが何やら言ったけど、全く聞こえてこない。どうしたの?この子…
「すみませんが、殆ど聞こえませんでした。もう一度おっしゃって下さいますか?」
困惑しきりの僕達は、出来るだけ丁寧な言葉で聞き返した。
このような状態の人に、言葉を荒げるのは得策ではない。優しく言ってあげないとね!でも、もしかすると乃恵留の事なんだろうか?
僕は乃恵留に手紙を出して、ミシェルに全てを話した事を告げた。
僕と乃恵留の関係、前世そして小説の事だって。
その上で、クリスにも同じく話すかどうかは乃恵留の判断だ。そしてどう結論を出したのかは聞いてない。
でもこのクリスの様子なら、恐らく全てを話したのかも…って思うけど。
「もしかして…レオ殿下と僕の前世の事を聞いたのかな?それと小説の内容についても知っているんだろうか?」
その質問にクリスは、俯いていた顔をバッと上げて僕をじっと見る。
そしてそれからコクンと頷いた。
──やっぱりそうか!クリスもついに知ったんだね?レオ殿下がずっと自分を避け続けた訳を。
「僕もレオ殿下から聞きました。最初はとても信じられない内容だったので、僕と結婚したくないからそんな事を言ってるのかと…。だけどよくよく考えてみれば、子供の頃からの殿下の不可解な行動の意味が当て嵌まって。それで信じる事が出来ました。でも結局、僕の気持ちは僕のものです!小説と同じだなんて有り得ません」
そう言って悔しそうに下唇を噛むクリスは、もう今までのイメージとは違っていた。
自信満々で生意気で…もはやそんな人では無かった。
──クリスも、恋に悩む一人の男なんだね。レオ殿下に対してずっと一途な…
なのに、これは流石に可哀想かもしれない。
今まできちんと乃恵留に確認していなかったけど、本当のところ…どう思ってるんだろうか?
ミシェルとクリス、二人共全くお互いに興味がないと聞いて、安心していたんですけどぉ?
「ミシェル様、マリン様、ごきげんよう。急にお伺いして申し訳ありません!この近くを歩いていましたら、ロテシュ伯爵家の馬車を見かけたもので。もしかしてマリン様が?と思いましてこちらに。少しの間お話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
今までの高飛車な態度が嘘のように、丁寧にそう言うクリスにちょっとだけ面食らう。
ハッキリとした物言いだが顔を見ると少し青ざめているのが分かる。それがほんの少しだけ気になって…
──まあ、僕も今までの失礼な言動は水に流すって決めたしな!
ミシェルも僕も、戸惑いながらも「分かりました。どうぞ」と答えて、応接室に通す。
今から本当は荷物の整理とか、ミシェルとイチャイチャするとかあったんだけどな~って思うけど、例え今までに色々あった人でもそう言われて断われる人なんている?僕は前世日本人だからね!気を使っちゃって無理だ…
執事のスミンさんが僕達にお茶を出してくれて、それから落ち着いたところで切り出す。
「クリス様…今日はどういったご用でいらしたんでしょう?」
明らかに緊張している様子のクリスに単刀直入に聞いてみる。
──クリスって改めて見るとやっぱり綺麗。
色鮮やかな赤髪に、薄い紫色の瞳とのコントラストが何とも言えない印象深さがある。
僕やレオ殿下も、決して不細工ではないけれど元々当て馬設定だからね?
やっぱりヒロイン(?)は違うなぁ~って。だけど…
一番は、何て言ったって僕のミシェルだよ。主人公は桁違いだね!
フフッ…「僕の」って言っちゃったよ~。
いけない!つい意識が違うところにいっちゃった!
「…で……な…です」
──はっ?声ちっちゃ!
蚊の鳴くような声でクリスが何やら言ったけど、全く聞こえてこない。どうしたの?この子…
「すみませんが、殆ど聞こえませんでした。もう一度おっしゃって下さいますか?」
困惑しきりの僕達は、出来るだけ丁寧な言葉で聞き返した。
このような状態の人に、言葉を荒げるのは得策ではない。優しく言ってあげないとね!でも、もしかすると乃恵留の事なんだろうか?
僕は乃恵留に手紙を出して、ミシェルに全てを話した事を告げた。
僕と乃恵留の関係、前世そして小説の事だって。
その上で、クリスにも同じく話すかどうかは乃恵留の判断だ。そしてどう結論を出したのかは聞いてない。
でもこのクリスの様子なら、恐らく全てを話したのかも…って思うけど。
「もしかして…レオ殿下と僕の前世の事を聞いたのかな?それと小説の内容についても知っているんだろうか?」
その質問にクリスは、俯いていた顔をバッと上げて僕をじっと見る。
そしてそれからコクンと頷いた。
──やっぱりそうか!クリスもついに知ったんだね?レオ殿下がずっと自分を避け続けた訳を。
「僕もレオ殿下から聞きました。最初はとても信じられない内容だったので、僕と結婚したくないからそんな事を言ってるのかと…。だけどよくよく考えてみれば、子供の頃からの殿下の不可解な行動の意味が当て嵌まって。それで信じる事が出来ました。でも結局、僕の気持ちは僕のものです!小説と同じだなんて有り得ません」
そう言って悔しそうに下唇を噛むクリスは、もう今までのイメージとは違っていた。
自信満々で生意気で…もはやそんな人では無かった。
──クリスも、恋に悩む一人の男なんだね。レオ殿下に対してずっと一途な…
なのに、これは流石に可哀想かもしれない。
今まできちんと乃恵留に確認していなかったけど、本当のところ…どう思ってるんだろうか?
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