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第四章・Yesterday,Today,Forever…
48・オリヴァー兄上
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──オリヴァーが…僕の兄上?
さっきまでミシェルの兄上かな…って思っていたのに、何がどうなってそんな事に?僕はすっかり困惑してしまう。
確かにロテシュ伯爵家で初めて会った時から親しみを感じていた…それはきっとオリヴァーの人間性からくることなんだと思っていたのに。それが…実は兄弟なの?
「私とギルフォード公爵様は、ロテシュ伯爵の持つ領地でお会いしました。合法ギリギリであくどい事をするロテシュの悪事の証拠を求めにいらしたようです。私の母はロテシュの領地に住む下級貴族の娘だったのですが、若かりし時ロテシュ伯爵と恋仲に。なのに私がお腹の中にいるのを知っていながら母を捨てて、ベンジャミンの母である侯爵家の令嬢と結婚しまたんです。私や母より格上の家の娘との結婚を選んだんです。」
──あのオヤジまた性懲りもなく~!僕の母さんだけでなく、オリヴァーの母上をも不幸にしていたなんて!どこまで酷い人なんだ…
僕もミシェルも、オリヴァーの母上が受けた酷い扱いに言葉もなくて…
「母は私を産んで直ぐ亡くなったのですが、噂で私の身の上を知ったギルフォード公爵様が、私を不憫に思って下さって。それで援助を申し出ていただいたんです。公爵夫人に隠し子だと疑いを受けた時、事実を言っていただいて良かったのですが…間者としてロテシュ伯爵家に居る私の身を案じて何もおっしゃらなかったようです。ロテシュ伯爵は私の顔を見ても自分の子供だと気付きもしなかったような人ですが、バレたらあらぬ疑いを向けられるのでは?と心配して…」
──そうか!オリヴァーの秘密を言ってしまうと、どこからかロテシュ伯爵に伝わってしまうかも知れない。
自分が忘れてしまっていた息子が、いつの間にか使用人として入り込んでいるなんて分かったら、何かを企んでここに?って思う可能性は高い。そうなるとオリヴァーの身が危ないだろう。
同じ立場の僕に対しての、あの酷い扱いを思い出したら納得だ…
──それにしてもミシェルの父上は凄く良い人だ!自分が夫人に疑われても言わないだなんて。流石、ミシェルの父上だ~。
それに…これ解決じゃないの?オリヴァーが…いや!オリヴァー兄上がロテシュ伯爵になってくれればいいんだよ!
正真正銘、僕の兄上なんだから~。
「オリヴァー兄上。僕に代わって、ロテシュ伯爵になって下さいませんか?もちろん僕もミシェルもそうなれるようにお手伝いします!それなら大丈夫ですよね?」
急に解決の道筋が見えてきて気持ちが軽くなった。
これからは兄弟として、ロテシュ伯爵家を一緒に盛り立てていきながら、僕はミシェルと結婚してこちらに入る。それで完璧だ!
「ええっ!急に~。兄上と言われても照れますね?でも一つ問題が。私はマリン様と違って、伯爵から認められて籍に入った訳じゃありませんから。ですから私がロテシュ伯爵の子供なんだと世間的に証明する術がないんですよ…」
僕は兄弟なんだから「様」はヤメてね?と言いながらそれは問題だな…って。
僕の場合は、ミシェルに嫁がせる目的があったからロテシュ伯爵がきちんと籍には入れてくれた。でもあの人はそれだけで、気持ちの上では自分の息子だなんて一切認めて無かったけどね…
──だけど証明?…ちょっと待てよ!何か記憶の隅で引っかかるものが…?
すると突然、池で溺れたあの記憶が蘇る。…何だっけな?
さっきまでミシェルの兄上かな…って思っていたのに、何がどうなってそんな事に?僕はすっかり困惑してしまう。
確かにロテシュ伯爵家で初めて会った時から親しみを感じていた…それはきっとオリヴァーの人間性からくることなんだと思っていたのに。それが…実は兄弟なの?
「私とギルフォード公爵様は、ロテシュ伯爵の持つ領地でお会いしました。合法ギリギリであくどい事をするロテシュの悪事の証拠を求めにいらしたようです。私の母はロテシュの領地に住む下級貴族の娘だったのですが、若かりし時ロテシュ伯爵と恋仲に。なのに私がお腹の中にいるのを知っていながら母を捨てて、ベンジャミンの母である侯爵家の令嬢と結婚しまたんです。私や母より格上の家の娘との結婚を選んだんです。」
──あのオヤジまた性懲りもなく~!僕の母さんだけでなく、オリヴァーの母上をも不幸にしていたなんて!どこまで酷い人なんだ…
僕もミシェルも、オリヴァーの母上が受けた酷い扱いに言葉もなくて…
「母は私を産んで直ぐ亡くなったのですが、噂で私の身の上を知ったギルフォード公爵様が、私を不憫に思って下さって。それで援助を申し出ていただいたんです。公爵夫人に隠し子だと疑いを受けた時、事実を言っていただいて良かったのですが…間者としてロテシュ伯爵家に居る私の身を案じて何もおっしゃらなかったようです。ロテシュ伯爵は私の顔を見ても自分の子供だと気付きもしなかったような人ですが、バレたらあらぬ疑いを向けられるのでは?と心配して…」
──そうか!オリヴァーの秘密を言ってしまうと、どこからかロテシュ伯爵に伝わってしまうかも知れない。
自分が忘れてしまっていた息子が、いつの間にか使用人として入り込んでいるなんて分かったら、何かを企んでここに?って思う可能性は高い。そうなるとオリヴァーの身が危ないだろう。
同じ立場の僕に対しての、あの酷い扱いを思い出したら納得だ…
──それにしてもミシェルの父上は凄く良い人だ!自分が夫人に疑われても言わないだなんて。流石、ミシェルの父上だ~。
それに…これ解決じゃないの?オリヴァーが…いや!オリヴァー兄上がロテシュ伯爵になってくれればいいんだよ!
正真正銘、僕の兄上なんだから~。
「オリヴァー兄上。僕に代わって、ロテシュ伯爵になって下さいませんか?もちろん僕もミシェルもそうなれるようにお手伝いします!それなら大丈夫ですよね?」
急に解決の道筋が見えてきて気持ちが軽くなった。
これからは兄弟として、ロテシュ伯爵家を一緒に盛り立てていきながら、僕はミシェルと結婚してこちらに入る。それで完璧だ!
「ええっ!急に~。兄上と言われても照れますね?でも一つ問題が。私はマリン様と違って、伯爵から認められて籍に入った訳じゃありませんから。ですから私がロテシュ伯爵の子供なんだと世間的に証明する術がないんですよ…」
僕は兄弟なんだから「様」はヤメてね?と言いながらそれは問題だな…って。
僕の場合は、ミシェルに嫁がせる目的があったからロテシュ伯爵がきちんと籍には入れてくれた。でもあの人はそれだけで、気持ちの上では自分の息子だなんて一切認めて無かったけどね…
──だけど証明?…ちょっと待てよ!何か記憶の隅で引っかかるものが…?
すると突然、池で溺れたあの記憶が蘇る。…何だっけな?
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