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第一章・僕が公爵家に居るワケ
11・マリン、叱られる
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ち、ちょっと!ミシェル様…あんまり強くお尻を押さえられるとー!…感じちゃうんですけど?
この世界の男性は、子供を産むことも可能な臓器が備わっている為に、お尻がちょっとだけ感じやすい。
※前世の僕調べ
「あ…アン!ちょっと、ンんっ!」
思わず甘い声、出ちゃっただろ?んで、穴!…穴に指がぁ~っ!
──も、もうホント、ヤメて?無理~!
僕がモゾモゾモジモジしていると、やっとそれに気が付いたであろうミシェルは、バッと顔を真っ赤にして手を腰に持っていきそっと下に降ろしてくれる。
地に足が付き、やっとホッとしたところで周りを見ると、いつの間にか騒ぎを聞きつけた護衛騎士のギルバートさんまで近くにやって来ていてギクリ!とする。
そんな僕に続いてオリヴァーも、おずおずと塀から降りてきてミシェルとギルバートからキッと睨まれていた。
その事に気が付いた僕は慌てて言ったんだ。
「すみません!オリヴァーはヤメておくように言ったんですけど、僕がどうしても…って言って。だから悪いのは僕だけなんです!」
オリヴァーはバツの悪い顔をして、止められない私も悪いですから…って頭をボリボリ掻いている。
「一体あなたは何をやってるんですか?この屋敷を抜け出そうと?それにあんな卑猥な声を出して恥ずかしくないんですか!」
ミシェルは怒り心頭で僕にキツイ言葉を投げ掛ける。
──そりゃぁ悪いよ!僕が一番悪いのは分かってる。
だけどさ、卑猥って?それに恥ずかしい…って。
あなたが押さえてたんでしょうよ?
押さえてくれなかったら怪我をしていたかもしれないのも分かってるけどさぁ~頭ごなしに恥ずかしいって言われちゃうとなぁ…
だって、そもそもこうやって抜け出してまでお金を稼がなきゃならないのは、あなたのせいですよね?
クリス嬢と結婚したいが為に僕を捨てるんですから!
だけど、それを決して言えないのが本当にもどかしい。
──なんか、無性に腹が立ってきた!
それで僕は、腹立ち紛れに思ってもみない行動を取ってしまう。
あろうことか、隣にあったミシェルの…
お尻をぎゅっと掴んでしまっていたんだ!
「おわっ?ぐぁぁ~!何をするんだ!?」
──あれ?僕と反応が違うけど…それに硬い?
反対の手で自分の尻を触ってみる。やっぱり硬さが違うな!
身体を鍛えてるからなんだろうか?不思議に思って、握る手に力が入る。
「うっ、やめなさい!!」
ミシェルがそう叫んでハッと我に返る。
それからマジマジと自分の手を見ながら冷静になって何やってんの?僕…って。
そしてチラッとギルバートさんを見る。
──護衛騎士だから硬いだろうね?もしかしてオリヴァーも?
そんな事を思っていたら、ギルバートさんもオリヴァーも僕を警戒しているのが分かる。
──ナイナイ!君達は流石に触らないよ?かと言ってミシェルを触っていい訳じゃないけどさ。
「ちょっと今から私の執務室に来て下さい。直ぐに!!」
地獄から聞こえるような重低音の、怒りで小刻みに震えるミシェルの声が響き渡る。
そしてミシェルは、今まで見たことのないような速度で去っていく。
──ヤバい!これはヤバいよ?
この世界での最大のピンチにブルッと身震いをして、足取り重く執務室に向かった。
この世界の男性は、子供を産むことも可能な臓器が備わっている為に、お尻がちょっとだけ感じやすい。
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「あ…アン!ちょっと、ンんっ!」
思わず甘い声、出ちゃっただろ?んで、穴!…穴に指がぁ~っ!
──も、もうホント、ヤメて?無理~!
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地に足が付き、やっとホッとしたところで周りを見ると、いつの間にか騒ぎを聞きつけた護衛騎士のギルバートさんまで近くにやって来ていてギクリ!とする。
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その事に気が付いた僕は慌てて言ったんだ。
「すみません!オリヴァーはヤメておくように言ったんですけど、僕がどうしても…って言って。だから悪いのは僕だけなんです!」
オリヴァーはバツの悪い顔をして、止められない私も悪いですから…って頭をボリボリ掻いている。
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ミシェルは怒り心頭で僕にキツイ言葉を投げ掛ける。
──そりゃぁ悪いよ!僕が一番悪いのは分かってる。
だけどさ、卑猥って?それに恥ずかしい…って。
あなたが押さえてたんでしょうよ?
押さえてくれなかったら怪我をしていたかもしれないのも分かってるけどさぁ~頭ごなしに恥ずかしいって言われちゃうとなぁ…
だって、そもそもこうやって抜け出してまでお金を稼がなきゃならないのは、あなたのせいですよね?
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だけど、それを決して言えないのが本当にもどかしい。
──なんか、無性に腹が立ってきた!
それで僕は、腹立ち紛れに思ってもみない行動を取ってしまう。
あろうことか、隣にあったミシェルの…
お尻をぎゅっと掴んでしまっていたんだ!
「おわっ?ぐぁぁ~!何をするんだ!?」
──あれ?僕と反応が違うけど…それに硬い?
反対の手で自分の尻を触ってみる。やっぱり硬さが違うな!
身体を鍛えてるからなんだろうか?不思議に思って、握る手に力が入る。
「うっ、やめなさい!!」
ミシェルがそう叫んでハッと我に返る。
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そしてチラッとギルバートさんを見る。
──護衛騎士だから硬いだろうね?もしかしてオリヴァーも?
そんな事を思っていたら、ギルバートさんもオリヴァーも僕を警戒しているのが分かる。
──ナイナイ!君達は流石に触らないよ?かと言ってミシェルを触っていい訳じゃないけどさ。
「ちょっと今から私の執務室に来て下さい。直ぐに!!」
地獄から聞こえるような重低音の、怒りで小刻みに震えるミシェルの声が響き渡る。
そしてミシェルは、今まで見たことのないような速度で去っていく。
──ヤバい!これはヤバいよ?
この世界での最大のピンチにブルッと身震いをして、足取り重く執務室に向かった。
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