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第一章・僕が公爵家に居るワケ
8・マリン・ロテシュ(ミシェルSide)
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「何だと!?マリンがこの屋敷を人目を避けて抜け出してる?」
私は、グランバード家の執事からそう報告を受ける。
この執事のスミンは、父の代より前からこの家に仕えてくれている信用のある人物だ。
だから言っている事は間違いないだろう。
──でも、どうして抜け出す必要があるんだ?
外出したいならそう言って、正面から出掛けたらいい。
誰も外出を禁じた覚えは無いんだが?
──マリン・ロテシュ。
このグランバード公爵家の天敵とも言えるロテシュ伯爵家の人間だ。
突然、聞いたことも無いようなロテシュ家の次男と私との結婚が決められた。
──青天の霹靂とは、正しくこの事だな?
私は公爵家の嫡男だ。本当なら自分で選んだ人と結婚出来るのは当たり前だったのに。
何故あの家の次男と?おまけに男性だ…
それに王からの結婚話では、どうやっても断わる事も出来ない。
──それにしても、ロテシュ家に次男など居ただろうか?まず私はそれが気になった。
それで、監視の為にロテシュ家に間者として入り込ませている者に聞いてみると┉妾腹の者で最近まで平民として暮らしていた…と。
(※間者=スパイ)
──そのような者を私に!?バカにしている!!
私は腹立ちを抑え切れずに、こうなったら自分から出て行くようにしてやろう!って思う。
あからさま過ぎると我が公爵家の威信に関わるし、そうだなぁ…部屋を家具ナシにしてやるか?
どうせ、我が家の物は気に入らないだろうし勝手に自分で用意するだろう。
それで自分の置かれた立場を自覚すれば上々だ。
後は…ずっと無視を決め込めば、その内出ていくんじゃないか?って思う。
そしてとうとうマリンがこの家にやって来た。
あれがマリンか…うーん。嫌味な事はヤメておけば良かったかもしれない…
実際のマリンは、遠慮がちな大人しい性格だった。
どこかオドオドして、どうして良いのか分からないような…
元平民という事で、健康的な少年をイメージしていたが、顔は青白くて髪は金髪だが艶がなく伯爵家での酷い扱いが目に見えるようだった。
──顔は…まぁ可愛らしい。
緊張からか、目が泳いでいるけど大きな茶色い瞳がくりくりと動いて印象的だ。それにぷっくりとした唇が可愛い。
──まてよ!そんなふうに思ってどうする?無視するって決めただろう!?
ヤバい…私は自分を戒めるように叱咤し、マリンに対して冷たい態度で接する。
案の定、部屋を見たマリンはショックを受けたようだった。
だけど、流石に私も大人気なかったか?って、それ以上は何もしなかった。
世話をするメイドも与えてやったし、三度の食事だって。
後は心を鬼にして、徹底的に関わらないようにした。
マリンはめげずに何かと私に関わろうとしたけど、期待を持たせる方が悪いだろう?
マリンを愛するつもりはないし、出来れば結婚は避けたい!
だから期待させちゃいけないんだ。
そして、一年余り経ったあの日…何かが変わった。
あの遠慮がちだったマリンが、全く今までとは違う…そんな人になった。
私は、グランバード家の執事からそう報告を受ける。
この執事のスミンは、父の代より前からこの家に仕えてくれている信用のある人物だ。
だから言っている事は間違いないだろう。
──でも、どうして抜け出す必要があるんだ?
外出したいならそう言って、正面から出掛けたらいい。
誰も外出を禁じた覚えは無いんだが?
──マリン・ロテシュ。
このグランバード公爵家の天敵とも言えるロテシュ伯爵家の人間だ。
突然、聞いたことも無いようなロテシュ家の次男と私との結婚が決められた。
──青天の霹靂とは、正しくこの事だな?
私は公爵家の嫡男だ。本当なら自分で選んだ人と結婚出来るのは当たり前だったのに。
何故あの家の次男と?おまけに男性だ…
それに王からの結婚話では、どうやっても断わる事も出来ない。
──それにしても、ロテシュ家に次男など居ただろうか?まず私はそれが気になった。
それで、監視の為にロテシュ家に間者として入り込ませている者に聞いてみると┉妾腹の者で最近まで平民として暮らしていた…と。
(※間者=スパイ)
──そのような者を私に!?バカにしている!!
私は腹立ちを抑え切れずに、こうなったら自分から出て行くようにしてやろう!って思う。
あからさま過ぎると我が公爵家の威信に関わるし、そうだなぁ…部屋を家具ナシにしてやるか?
どうせ、我が家の物は気に入らないだろうし勝手に自分で用意するだろう。
それで自分の置かれた立場を自覚すれば上々だ。
後は…ずっと無視を決め込めば、その内出ていくんじゃないか?って思う。
そしてとうとうマリンがこの家にやって来た。
あれがマリンか…うーん。嫌味な事はヤメておけば良かったかもしれない…
実際のマリンは、遠慮がちな大人しい性格だった。
どこかオドオドして、どうして良いのか分からないような…
元平民という事で、健康的な少年をイメージしていたが、顔は青白くて髪は金髪だが艶がなく伯爵家での酷い扱いが目に見えるようだった。
──顔は…まぁ可愛らしい。
緊張からか、目が泳いでいるけど大きな茶色い瞳がくりくりと動いて印象的だ。それにぷっくりとした唇が可愛い。
──まてよ!そんなふうに思ってどうする?無視するって決めただろう!?
ヤバい…私は自分を戒めるように叱咤し、マリンに対して冷たい態度で接する。
案の定、部屋を見たマリンはショックを受けたようだった。
だけど、流石に私も大人気なかったか?って、それ以上は何もしなかった。
世話をするメイドも与えてやったし、三度の食事だって。
後は心を鬼にして、徹底的に関わらないようにした。
マリンはめげずに何かと私に関わろうとしたけど、期待を持たせる方が悪いだろう?
マリンを愛するつもりはないし、出来れば結婚は避けたい!
だから期待させちゃいけないんだ。
そして、一年余り経ったあの日…何かが変わった。
あの遠慮がちだったマリンが、全く今までとは違う…そんな人になった。
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