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第十章・不思議の国のエリィ
77・豹変(アルベルトSide)
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俺は慌てて、王都へと急いだ。何でも、エリオットが行方不明になったって…!何故そんなことに?と思うが、詳細はまだ分からない…
旦那様の言いつけで、ロウヘンボクへと来ていた俺。よりによってそんな時に…と、居ても立ってもいられなくなる。
それから馬車を精一杯飛ばして帰ったけれど、王都に着いた時には既に四日ほどの時が過ぎていた…
「スミンさん!エリオットが居なくなったって?何故そんなことに…」
エドモア公爵邸に着くなり、一目散に屋敷へと飛び込んだ。屋敷内はいつもとは違って、護衛騎士や使用人達が慌ただしく動き回っていた。
「アルベルト…おかえり。馬車を飛ばして帰って来てくれたんだね。だけども、未だエリオットの行方は分かっていないんだ。それどころか、エリオットが最後に目撃された建物には大量の血液が流れていて…」
そう聞いた時、ヒュッと息を飲んだ。ど、どうして?そう思って息が上手く出来ない。それから取り敢えずはと、経緯を一から説明してもらう。なるほど…あのエリオットと初めて会った時、そんなことがあったのかと遣る瀬無い思いになった。エリオットはそれを思い出して、お金を早く返さなきゃと思ったんだな…何だかエリオットらしい。
「それでその血ってのは?エリオットの血で間違いないのか!」
それにスミンさんは、神妙な顔をして頷く。口元を僅かに震わせ、それから重い口を開く。
「うん…それは間違いなさそうだ。それにかなりの量で…。おまけに坊ちゃま達が駆け付けた時には、宿屋だった建物はもぬけの殻で。そんな状態で動いたとなると、かなり危険なことになるらしい」
そう聞いて絶句した。あの明るいエリオットが?あのいつだって前向きで、手を抜くことを知らない。そして、どこまでも坊ちゃまが大好きで、それを隠そうともしない。それから二人の気持ちが通じ合い婚約までして、だけど俺達にも全く変わらない笑顔を向ける。そんなやつが…そう思って滲む眼でキョロキョロと見回す。
「それで坊ちゃまは…どうされているのですか?」
それには顔を俯け苦しそうな表情をするスミン。それから暫く黙ったままだったが、やっとで口を開いた。
「坊ちゃまは、あれから寝ていません。食事することもなく、風呂に入ることもない!もうあれから四日ですから…そろそろ限界でしょう。いつ倒れられても不思議じゃありません!ずっとエリオットの行方を探して…グッ、ああ…」
スミンさんだって殆ど寝ていないのだろう…何とかそう伝えて、その後堰を切ったように泣き崩れる。きっとそんな姿の坊ちゃまを見るのが、辛かったのだと思う…もうそれ以上何かを言うのも無理なようだ。そんなスミンさんをホールに残して、旦那様の執務室へと急ぐ。坊ちゃまがいるとしたら、そこだろう…と。
「父上もっと捜索に人員をだして下さい!それくらい出来る筈だ。今まで私がこれ程の願いを口にしたこどがありますか?これまでの私は、何も願わず、そして期待さえしなかった。だけど此度はそうはいきません!」
「そうは言うが…もう精一杯やっているんだ!陛下にまで何とか頼んで、第一騎士団や一部近衛の者までも捜索に加わっている。これ以上どうやれというのか?それにお前…一度身を整えて、寝ろ!倒れてしまうぞ…」
「そんなこと…出来る筈がないだろう?エリオットが私を待っている…早く助け出さねば!」
そんな言い合いが続けられ、もうそれを止めるべきだと判断した。主人を諫めるなど、本来あってはならないことだが、それと同時に俺がやらないで誰がやるんだ?その思いが強くなる…
──バーン!
半開きなっていた執務室の扉を勢いよく開けた。それに驚いたように旦那様と坊ちゃまがこちらへと目を向ける。それから注進申し上げねばと、言いかかったところで…俺は夢を見ているのだろうか?と我が目を疑った。
「あの、何人たりとも追随を許さぬ『美』の塊のような坊ちゃまが…嘘だろう?」
思わずそうエリオットのように呟いてしまった。俺の前にいる坊ちゃまは、普段とはまるで違う!髪を振り乱し薄汚れて、顔にも生気を失っている。それに血走った目は、どこか虚ろだ。こ、これほどまでとは…と唖然とする。
「アルベルト…帰って来たのか。頼む!お前はエリオットを探してくれるな?あれ程仲が良かったのだから、見つけてくれるよな…」
そう言う坊ちゃまの生気のない目から、涙が溢れ落ちる。だがもはや泣いている感覚もないのか、汚れた手で無造作に拭うだけ。もうきっと心と身体のバランスが取れなくなっているんだな。なんという坊ちゃまの姿…
「坊ちゃま、しっかりして下さい!」
出せる限りの大声でそう叫んだ。それにビクリと身体を揺らす坊ちゃま。それから俺を初めて見るように、目を見開いている。
「ア、アルベルト、エリオットが居ない…どこを探しても居ないんだ!どうしたら…」
いつも冷静な坊ちゃまだと言っても、本当はまだ十七だ。婚約したばかりの愛する人が失踪するなど、心が耐えられる筈はない。枯れるほど流した涙が、再び次から次へと溢れ出し、ほんの僅かに残った体力さえも奪おうとしてくる。
「坊ちゃま…俺は、エリオットが好きなあなたが好きでした。昔から冷静で誰も近付けることがないジュリアス様ではなくて、エリオットが愛して尊敬するあなたです!だけど今…そのようなお姿でしょうか?」
俺も泣いていた。もはや泣かないなんて無理だ!俺だって、エリオットを心の底から案じている。だけど…だからこそエリオットが好きなあの方が、そのような姿でいるのを看過できない!
「自分の姿を見てみてごらんなさい?何日も眠らず食事も取らず汚れて、フラフラになっているあなたを。それがエリオットが好きな姿でしょうか?是非身を清めて、一度お眠り下さい。そしていつもの冷静で美しい坊ちゃまになって、それから俺と探しに行きましょう!どこまでもご一緒致しますので」
そう泣きながら訴える俺を、坊ちゃまは静かに見ている。先程までの無謀さは息を潜め、いつもの聡明な眼差しをして…だけど心は、血を流し続けているんですね?そう悟った。
──エリオット…待っていろ?坊ちゃまと俺とで、必ず見つけ出してやるから!そう誓った…
旦那様の言いつけで、ロウヘンボクへと来ていた俺。よりによってそんな時に…と、居ても立ってもいられなくなる。
それから馬車を精一杯飛ばして帰ったけれど、王都に着いた時には既に四日ほどの時が過ぎていた…
「スミンさん!エリオットが居なくなったって?何故そんなことに…」
エドモア公爵邸に着くなり、一目散に屋敷へと飛び込んだ。屋敷内はいつもとは違って、護衛騎士や使用人達が慌ただしく動き回っていた。
「アルベルト…おかえり。馬車を飛ばして帰って来てくれたんだね。だけども、未だエリオットの行方は分かっていないんだ。それどころか、エリオットが最後に目撃された建物には大量の血液が流れていて…」
そう聞いた時、ヒュッと息を飲んだ。ど、どうして?そう思って息が上手く出来ない。それから取り敢えずはと、経緯を一から説明してもらう。なるほど…あのエリオットと初めて会った時、そんなことがあったのかと遣る瀬無い思いになった。エリオットはそれを思い出して、お金を早く返さなきゃと思ったんだな…何だかエリオットらしい。
「それでその血ってのは?エリオットの血で間違いないのか!」
それにスミンさんは、神妙な顔をして頷く。口元を僅かに震わせ、それから重い口を開く。
「うん…それは間違いなさそうだ。それにかなりの量で…。おまけに坊ちゃま達が駆け付けた時には、宿屋だった建物はもぬけの殻で。そんな状態で動いたとなると、かなり危険なことになるらしい」
そう聞いて絶句した。あの明るいエリオットが?あのいつだって前向きで、手を抜くことを知らない。そして、どこまでも坊ちゃまが大好きで、それを隠そうともしない。それから二人の気持ちが通じ合い婚約までして、だけど俺達にも全く変わらない笑顔を向ける。そんなやつが…そう思って滲む眼でキョロキョロと見回す。
「それで坊ちゃまは…どうされているのですか?」
それには顔を俯け苦しそうな表情をするスミン。それから暫く黙ったままだったが、やっとで口を開いた。
「坊ちゃまは、あれから寝ていません。食事することもなく、風呂に入ることもない!もうあれから四日ですから…そろそろ限界でしょう。いつ倒れられても不思議じゃありません!ずっとエリオットの行方を探して…グッ、ああ…」
スミンさんだって殆ど寝ていないのだろう…何とかそう伝えて、その後堰を切ったように泣き崩れる。きっとそんな姿の坊ちゃまを見るのが、辛かったのだと思う…もうそれ以上何かを言うのも無理なようだ。そんなスミンさんをホールに残して、旦那様の執務室へと急ぐ。坊ちゃまがいるとしたら、そこだろう…と。
「父上もっと捜索に人員をだして下さい!それくらい出来る筈だ。今まで私がこれ程の願いを口にしたこどがありますか?これまでの私は、何も願わず、そして期待さえしなかった。だけど此度はそうはいきません!」
「そうは言うが…もう精一杯やっているんだ!陛下にまで何とか頼んで、第一騎士団や一部近衛の者までも捜索に加わっている。これ以上どうやれというのか?それにお前…一度身を整えて、寝ろ!倒れてしまうぞ…」
「そんなこと…出来る筈がないだろう?エリオットが私を待っている…早く助け出さねば!」
そんな言い合いが続けられ、もうそれを止めるべきだと判断した。主人を諫めるなど、本来あってはならないことだが、それと同時に俺がやらないで誰がやるんだ?その思いが強くなる…
──バーン!
半開きなっていた執務室の扉を勢いよく開けた。それに驚いたように旦那様と坊ちゃまがこちらへと目を向ける。それから注進申し上げねばと、言いかかったところで…俺は夢を見ているのだろうか?と我が目を疑った。
「あの、何人たりとも追随を許さぬ『美』の塊のような坊ちゃまが…嘘だろう?」
思わずそうエリオットのように呟いてしまった。俺の前にいる坊ちゃまは、普段とはまるで違う!髪を振り乱し薄汚れて、顔にも生気を失っている。それに血走った目は、どこか虚ろだ。こ、これほどまでとは…と唖然とする。
「アルベルト…帰って来たのか。頼む!お前はエリオットを探してくれるな?あれ程仲が良かったのだから、見つけてくれるよな…」
そう言う坊ちゃまの生気のない目から、涙が溢れ落ちる。だがもはや泣いている感覚もないのか、汚れた手で無造作に拭うだけ。もうきっと心と身体のバランスが取れなくなっているんだな。なんという坊ちゃまの姿…
「坊ちゃま、しっかりして下さい!」
出せる限りの大声でそう叫んだ。それにビクリと身体を揺らす坊ちゃま。それから俺を初めて見るように、目を見開いている。
「ア、アルベルト、エリオットが居ない…どこを探しても居ないんだ!どうしたら…」
いつも冷静な坊ちゃまだと言っても、本当はまだ十七だ。婚約したばかりの愛する人が失踪するなど、心が耐えられる筈はない。枯れるほど流した涙が、再び次から次へと溢れ出し、ほんの僅かに残った体力さえも奪おうとしてくる。
「坊ちゃま…俺は、エリオットが好きなあなたが好きでした。昔から冷静で誰も近付けることがないジュリアス様ではなくて、エリオットが愛して尊敬するあなたです!だけど今…そのようなお姿でしょうか?」
俺も泣いていた。もはや泣かないなんて無理だ!俺だって、エリオットを心の底から案じている。だけど…だからこそエリオットが好きなあの方が、そのような姿でいるのを看過できない!
「自分の姿を見てみてごらんなさい?何日も眠らず食事も取らず汚れて、フラフラになっているあなたを。それがエリオットが好きな姿でしょうか?是非身を清めて、一度お眠り下さい。そしていつもの冷静で美しい坊ちゃまになって、それから俺と探しに行きましょう!どこまでもご一緒致しますので」
そう泣きながら訴える俺を、坊ちゃまは静かに見ている。先程までの無謀さは息を潜め、いつもの聡明な眼差しをして…だけど心は、血を流し続けているんですね?そう悟った。
──エリオット…待っていろ?坊ちゃまと俺とで、必ず見つけ出してやるから!そう誓った…
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