76 / 95
第十章・不思議の国のエリィ
75・二人の暮らし
しおりを挟む
「へぇ…兄さん、それ何ていう料理?見たことないけど」
いつの間にか料理をする僕の後ろにジェイが立っている。不思議そうな顔で見ているジェイに、これ知らないの?って思うが、これもやっぱりここでは存在しない料理なのかも知れないなと思う。
「この料理はローストビーフと言って、牛肉を塊のまま蒸し焼きにするんだ。絶対に美味しいから待っててね!」
ジェイは、ふうーん凄い!と関心したような声を出し嬉しそうな顔をする。それにちょっと笑ってしまったが、一番食べ盛りな年齢だからバランス良く食べて欲しいんだよなぁって思う。だから僕のレシピは野菜も一緒に摂れるものになっているんだ。そう思って、あっ!と突然思いだしてジェイに頼んだ。
「ジェイ、悪いけど庭からローズマリーを摘んで来てくれない?それとホースラディッシュも根ごと引き抜いてきて!」
そのお願いにジェイは、「分かった!」と返事して、庭へと出て行く。最近僕は少しでも家計の足しになるかと、野菜やハーブなどを庭で栽培している。あんまり広くない庭だから、数が限られているんだけどね~どこか畑を貸して貰おうかな?そう出来たら、もう少し節約出来そうだ。
今、僕達の収入はジェイ一人の肩にかかっている。兄として凄く恥ずかしいし、申し訳ない気持ちで一杯なんだけど、取り敢えずはたまに疼く頭の傷を治すことと、記憶を取り戻すことを最優先にしている。平民の僕達は学校に行くことはないが、ジェイは…何ていうか天才なんだ!もしも貴族だったなら良かったのに…そう心の底から思う。それか裕福な平民で、学校に通わせてあげられたら、どれだけ嬉しいだろう?
ジェイはまだ十七歳だというのに、魔法石を使って魔道具を造る職人をしている。それだけの才能があるけれど、こんな田舎に住んでいるし有力なギルドにも加入していないジェイは、どれだけ造っても満足する収入は得られない。
だけど、兄弟二人が暮らしていく分には充分なんだけどね。だから尚更手に職もない自分が、不甲斐なくてしょうがない。だからね、僕の唯一の特技の料理を活かせないか?って時々考える。それにはやっぱり、王都に出ないと!ここでの暮らしは満足してるけど、ジェイを助ける為にはそれが必要かな?って思っているんだ。料理でいくらか稼げれば、学校にだって通わせられるかも?って…
そうこう考えている間に下準備が終わって、肉、野菜を並べたオーブン皿をオーブンへと入れる。これで後は焼き上がりを待つだけ!そうして一息ついた僕は、ジェイはどうしているかな?って工房として利用している離れの建物へと向かう。
元々庭の一画にあった納屋、それを改装して工房にしてある。僕は家の中でやっては?って言ったんだけど、ジェイはそれでは音が煩いだろうから…って。そのくらい我慢出来るんだけどなぁ。
「ジェイ、入るよ?」
ノックと共にそう声を掛けて、工房の扉を開ける。すると目の前には沢山の工具や、乱雑に置かれた設計図、そして大切にケースに仕舞われた魔法石が目に飛び込んで来た。
「兄さん、夕飯出来たの?もう少し待って!これをある程度組み立ててから…」
「いいや!まだ大丈夫だから。あと半時ほどかかるよ。それにしてもこの魔法石というのは綺麗だね~」
そう言って、透明のケースに収められた魔法石を眺める。オレンジや青、黄色に眩しく光る石だ。これが色によっていろんな効果を発揮する道具が作れるなんて、不思議だよね?
「今は何を作ってるのかな。これは…チェーン?」
見ると、細いチェーンを繋ぐスクラブの部分に黄色の魔法石を埋め込んでいる。こんなアクセサリーに魔道具なんて!と思っていると…
「これはね、切れないチェーンになるんだ。もしも切れたとしても新たに繋がるように設計されている。これだったら大切な物を通しておいても、安心だろ?落とす心配はないし」
そう説明を受けて、なるほど!という気持ちと同時に、何か聞いたことがあるかも?という不思議な感覚になる。この僕が魔道具のことなんて知ることなんて無いはずだけど…もしかして、二度目なのかも。同じことをまた聞いちゃったのかな?そう思って、ジェイには沢山苦労を掛けているんだと反省する。きっと、また?と思っていても初めてかのようにまた説明してくれるんだろうなぁ。そう苦い思いを抱いていると、あっ!と気付た。
「オーブン見てこなきゃ!もう少ししたら母屋に戻ってきてね。夕食にするから」
そう言って慌てて戻る僕。母屋に入ると、凄く美味しそうな匂いが立ち込めている。それでオーブンから出してみると…
「うわ!完璧~僕って天才かも?」
焼色のついた塊肉からは、透き通った肉汁が出ている。これが丁度よい焼き具合の合図だ!
肉だけを取り出し、ぐるぐる巻きにした糸を取り去ってうすーく切ってみる。すると中心に赤身の部分も程良く残った、見た目も美味しそうに出来上がる。スッスッと端まで切っていき、皿に綺麗に盛り付ける。それからこんがりと焼けたジャガイモやニンジンも飾って、オーブン皿に残った肉汁でソースを作る。それにジェイに抜いてきてもらったホースラディッシュの根をすりおろして添えれば…出来上がりだ!
ちょうどその時、ジェイが工房から戻ってくる。そして鼻をくんくんさせながら…
「兄さん物凄く良い香りだね!あーあ、お腹減った~」
「頭を沢山使った後は、美味しい物を食べるに限る!どうぞ召し上がれっ」
柔らかなお肉にピリッとしたホースラディッシュをほんの少し乗せて、グレービーソースを絡めながら食べる。すると…もーう!絶品だ。
「な、なんだこれは!今まで食べた肉料理の中で一番美味しいよ」
そう驚くジェイ。その皿からどんどん肉が口へと運ばれていくのを眺めて、満足気にフフッと微笑んだ。
「だろ?お肉も美味しいけど、ちょっとワインを効かせたソースも合うよね~。野菜もソースに絡めて食べてみて!とっても美味しいから。それからパンも!」
二人共あっという間に平らげて、お腹一杯!って一息ついた。僕は食後のお茶を淹れて、ジェイへと差し出す。
「ありがとう兄さん。それから明日なんだけど、魔法石のストックがなくなりそうなんだ…。だから街まで行こうと思うんだけど、兄さんはどうする?」
そう聞かれてちょっと迷う。この土地ルグル村にやって来てそろそろ半年。来た時は秋だったが、それから冬が来て今は春だ。その間ずっと村から出ることが無かったんだけど…それで返事を躊躇してしまった。だけど僕は決めた!ここに閉じ籠もっていても、何も始まらないから。それで…
「うん、僕も行く!街まで行ってみたいと思うんだ」
そう返事をしてジェイを見つめる。だけど、そう言い出した筈のジェイは、何故か複雑そうな表情をしていた。うん…なんで?そう不思議そうにしていると…
「ごめん、ごめん!意外な返事が返ってきたから…いいんだ!少しは村から出てみた方が気晴らしになるかも知れないよね?じゃあ明日、隣街のアジャンタまで行こうか。アジャンタはマルドゥ伯爵家の領地だよ」
ジェイからそう言われて、ほんの少し心に引っ掛かる。大したことはないんだけど、マルドゥ?何だったかなぁ…と気にかかった。そうは思うが、それ以上に思い浮かぶこともないけど…
「明日、マルドゥ…」
そう呟いた僕は、自分の記憶の根底にある、不思議の国を探ろうとしていた…
いつの間にか料理をする僕の後ろにジェイが立っている。不思議そうな顔で見ているジェイに、これ知らないの?って思うが、これもやっぱりここでは存在しない料理なのかも知れないなと思う。
「この料理はローストビーフと言って、牛肉を塊のまま蒸し焼きにするんだ。絶対に美味しいから待っててね!」
ジェイは、ふうーん凄い!と関心したような声を出し嬉しそうな顔をする。それにちょっと笑ってしまったが、一番食べ盛りな年齢だからバランス良く食べて欲しいんだよなぁって思う。だから僕のレシピは野菜も一緒に摂れるものになっているんだ。そう思って、あっ!と突然思いだしてジェイに頼んだ。
「ジェイ、悪いけど庭からローズマリーを摘んで来てくれない?それとホースラディッシュも根ごと引き抜いてきて!」
そのお願いにジェイは、「分かった!」と返事して、庭へと出て行く。最近僕は少しでも家計の足しになるかと、野菜やハーブなどを庭で栽培している。あんまり広くない庭だから、数が限られているんだけどね~どこか畑を貸して貰おうかな?そう出来たら、もう少し節約出来そうだ。
今、僕達の収入はジェイ一人の肩にかかっている。兄として凄く恥ずかしいし、申し訳ない気持ちで一杯なんだけど、取り敢えずはたまに疼く頭の傷を治すことと、記憶を取り戻すことを最優先にしている。平民の僕達は学校に行くことはないが、ジェイは…何ていうか天才なんだ!もしも貴族だったなら良かったのに…そう心の底から思う。それか裕福な平民で、学校に通わせてあげられたら、どれだけ嬉しいだろう?
ジェイはまだ十七歳だというのに、魔法石を使って魔道具を造る職人をしている。それだけの才能があるけれど、こんな田舎に住んでいるし有力なギルドにも加入していないジェイは、どれだけ造っても満足する収入は得られない。
だけど、兄弟二人が暮らしていく分には充分なんだけどね。だから尚更手に職もない自分が、不甲斐なくてしょうがない。だからね、僕の唯一の特技の料理を活かせないか?って時々考える。それにはやっぱり、王都に出ないと!ここでの暮らしは満足してるけど、ジェイを助ける為にはそれが必要かな?って思っているんだ。料理でいくらか稼げれば、学校にだって通わせられるかも?って…
そうこう考えている間に下準備が終わって、肉、野菜を並べたオーブン皿をオーブンへと入れる。これで後は焼き上がりを待つだけ!そうして一息ついた僕は、ジェイはどうしているかな?って工房として利用している離れの建物へと向かう。
元々庭の一画にあった納屋、それを改装して工房にしてある。僕は家の中でやっては?って言ったんだけど、ジェイはそれでは音が煩いだろうから…って。そのくらい我慢出来るんだけどなぁ。
「ジェイ、入るよ?」
ノックと共にそう声を掛けて、工房の扉を開ける。すると目の前には沢山の工具や、乱雑に置かれた設計図、そして大切にケースに仕舞われた魔法石が目に飛び込んで来た。
「兄さん、夕飯出来たの?もう少し待って!これをある程度組み立ててから…」
「いいや!まだ大丈夫だから。あと半時ほどかかるよ。それにしてもこの魔法石というのは綺麗だね~」
そう言って、透明のケースに収められた魔法石を眺める。オレンジや青、黄色に眩しく光る石だ。これが色によっていろんな効果を発揮する道具が作れるなんて、不思議だよね?
「今は何を作ってるのかな。これは…チェーン?」
見ると、細いチェーンを繋ぐスクラブの部分に黄色の魔法石を埋め込んでいる。こんなアクセサリーに魔道具なんて!と思っていると…
「これはね、切れないチェーンになるんだ。もしも切れたとしても新たに繋がるように設計されている。これだったら大切な物を通しておいても、安心だろ?落とす心配はないし」
そう説明を受けて、なるほど!という気持ちと同時に、何か聞いたことがあるかも?という不思議な感覚になる。この僕が魔道具のことなんて知ることなんて無いはずだけど…もしかして、二度目なのかも。同じことをまた聞いちゃったのかな?そう思って、ジェイには沢山苦労を掛けているんだと反省する。きっと、また?と思っていても初めてかのようにまた説明してくれるんだろうなぁ。そう苦い思いを抱いていると、あっ!と気付た。
「オーブン見てこなきゃ!もう少ししたら母屋に戻ってきてね。夕食にするから」
そう言って慌てて戻る僕。母屋に入ると、凄く美味しそうな匂いが立ち込めている。それでオーブンから出してみると…
「うわ!完璧~僕って天才かも?」
焼色のついた塊肉からは、透き通った肉汁が出ている。これが丁度よい焼き具合の合図だ!
肉だけを取り出し、ぐるぐる巻きにした糸を取り去ってうすーく切ってみる。すると中心に赤身の部分も程良く残った、見た目も美味しそうに出来上がる。スッスッと端まで切っていき、皿に綺麗に盛り付ける。それからこんがりと焼けたジャガイモやニンジンも飾って、オーブン皿に残った肉汁でソースを作る。それにジェイに抜いてきてもらったホースラディッシュの根をすりおろして添えれば…出来上がりだ!
ちょうどその時、ジェイが工房から戻ってくる。そして鼻をくんくんさせながら…
「兄さん物凄く良い香りだね!あーあ、お腹減った~」
「頭を沢山使った後は、美味しい物を食べるに限る!どうぞ召し上がれっ」
柔らかなお肉にピリッとしたホースラディッシュをほんの少し乗せて、グレービーソースを絡めながら食べる。すると…もーう!絶品だ。
「な、なんだこれは!今まで食べた肉料理の中で一番美味しいよ」
そう驚くジェイ。その皿からどんどん肉が口へと運ばれていくのを眺めて、満足気にフフッと微笑んだ。
「だろ?お肉も美味しいけど、ちょっとワインを効かせたソースも合うよね~。野菜もソースに絡めて食べてみて!とっても美味しいから。それからパンも!」
二人共あっという間に平らげて、お腹一杯!って一息ついた。僕は食後のお茶を淹れて、ジェイへと差し出す。
「ありがとう兄さん。それから明日なんだけど、魔法石のストックがなくなりそうなんだ…。だから街まで行こうと思うんだけど、兄さんはどうする?」
そう聞かれてちょっと迷う。この土地ルグル村にやって来てそろそろ半年。来た時は秋だったが、それから冬が来て今は春だ。その間ずっと村から出ることが無かったんだけど…それで返事を躊躇してしまった。だけど僕は決めた!ここに閉じ籠もっていても、何も始まらないから。それで…
「うん、僕も行く!街まで行ってみたいと思うんだ」
そう返事をしてジェイを見つめる。だけど、そう言い出した筈のジェイは、何故か複雑そうな表情をしていた。うん…なんで?そう不思議そうにしていると…
「ごめん、ごめん!意外な返事が返ってきたから…いいんだ!少しは村から出てみた方が気晴らしになるかも知れないよね?じゃあ明日、隣街のアジャンタまで行こうか。アジャンタはマルドゥ伯爵家の領地だよ」
ジェイからそう言われて、ほんの少し心に引っ掛かる。大したことはないんだけど、マルドゥ?何だったかなぁ…と気にかかった。そうは思うが、それ以上に思い浮かぶこともないけど…
「明日、マルドゥ…」
そう呟いた僕は、自分の記憶の根底にある、不思議の国を探ろうとしていた…
421
お気に入りに追加
1,359
あなたにおすすめの小説
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。
僕の策略は婚約者に通じるか
藍
BL
侯爵令息✕伯爵令息。大好きな婚約者が「我慢、無駄、仮面」と話しているところを聞いてしまった。ああそれなら僕はいなくならねば。婚約は解消してもらって彼を自由にしてあげないと。すべてを忘れて逃げようと画策する話。
フリードリヒ・リーネント✕ユストゥス・バルテン
※他サイト投稿済です
※攻視点があります
嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい
りまり
BL
僕のいる世界は男性でも妊娠することのできる世界で、僕の婚約者は公爵家の嫡男です。
この世界は魔法の使えるファンタジーのようなところでもちろん魔物もいれば妖精や精霊もいるんだ。
僕の婚約者はそれはそれは見目麗しい青年、それだけじゃなくすごく頭も良いし剣術に魔法になんでもそつなくこなせる凄い人でだからと言って平民を見下すことなくわからないところは教えてあげられる優しさを持っている。
本当に僕にはもったいない人なんだ。
どんなに努力しても成果が伴わない僕に呆れてしまったのか、最近は平民の中でも特に優秀な人と一緒にいる所を見るようになって、周りからもお似合いの夫婦だと言われるようになっていった。その一方で僕の評価はかなり厳しく彼が可哀そうだと言う声が聞こえてくるようにもなった。
彼から言われたわけでもないが、あの二人を見ていれば恋愛関係にあるのぐらいわかる。彼に迷惑をかけたくないので、卒業したら結婚する予定だったけど両親に今の状況を話て婚約を白紙にしてもらえるように頼んだ。
答えは聞かなくてもわかる婚約が解消され、僕は学校を卒業したら辺境伯にいる叔父の元に旅立つことになっている。
後少しだけあなたを……あなたの姿を目に焼き付けて辺境伯領に行きたい。
側近候補を外されて覚醒したら旦那ができた話をしよう。
とうや
BL
【6/10最終話です】
「お前を側近候補から外す。良くない噂がたっているし、正直鬱陶しいんだ」
王太子殿下のために10年捧げてきた生活だった。側近候補から外され、公爵家を除籍された。死のうと思った時に思い出したのは、ふわっとした前世の記憶。
あれ?俺ってあいつに尽くして尽くして、自分のための努力ってした事あったっけ?!
自分のために努力して、自分のために生きていく。そう決めたら友達がいっぱいできた。親友もできた。すぐ旦那になったけど。
***********************
ATTENTION
***********************
※オリジンシリーズ、魔王シリーズとは世界線が違います。単発の短い話です。『新居に旦那の幼馴染〜』と多分同じ世界線です。
※朝6時くらいに更新です。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
【完結】王子様の婚約者になった僕の話
うらひと
BL
ひょんな事から第3王子のエドワードの婚約者になってしまったアンドル。
容姿端麗でマナーも頭も良いと評判エドワード王子なのに、僕に対しては嘘をついたり、ちょっとおかしい。その内エドワード王子を好きな同級生から意地悪をされたり、一切話す事や会う事も無くなったりするけれど….どうやら王子は僕の事が好きみたい。
婚約者の主人公を好きすぎる、容姿端麗な王子のハートフル変態物語です。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
全ての悪評を押し付けられた僕は人が怖くなった。それなのに、僕を嫌っているはずの王子が迫ってくる。溺愛ってなんですか?! 僕には無理です!
迷路を跳ぶ狐
BL
森の中の小さな領地の弱小貴族の僕は、領主の息子として生まれた。だけど両親は可愛い兄弟たちに夢中で、いつも邪魔者扱いされていた。
なんとか認められたくて、魔法や剣技、領地経営なんかも学んだけど、何が起これば全て僕が悪いと言われて、激しい折檻を受けた。
そんな家族は領地で好き放題に搾取して、領民を襲う魔物は放置。そんなことをしているうちに、悪事がバレそうになって、全ての悪評を僕に押し付けて逃げた。
それどころか、家族を逃す交換条件として領主の代わりになった男たちに、僕は毎日奴隷として働かされる日々……
暗い地下に閉じ込められては鞭で打たれ、拷問され、仕事を押し付けられる毎日を送っていたある日、僕の前に、竜が現れる。それはかつて僕が、悪事を働く竜と間違えて、背後から襲いかかった竜の王子だった。
あの時のことを思い出して、跪いて謝る僕の手を、王子は握って立たせる。そして、僕にずっと会いたかったと言い出した。え…………? なんで?
二話目まで胸糞注意。R18は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる