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第九章・エリオット、危機一髪?
68・不穏な雰囲気
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あれから僕達は、ラブラブな婚約者生活を送っている。あまり近すぎると我慢が必要になるので、ああいう密な触れ合いは週末だけと決める。それでも我慢出来なくて…
──ヤバい…僕って、意外に堪え性がなかったんだね?
そんな中の五月、坊ちゃまの十七歳の誕生日があった。もちろん盛大にお祝いしたよ?僕は腕によりをかけて、でっかいケーキを焼いた。ロウソクを無理矢理17本立てて、さあ願い事!って。坊ちゃまが何を願ったのかは知らない…聞かなかったから。でも、間違いなく僕達二人のことだ。ロウソクに照らされた坊ちゃまの顔を見つめて、幸せだね…って呟いた。それから僕も援護して、願いが叶うようにと二人でフーッと吹き消した。そして九月、坊ちゃまは二年生になった。
+++++
「うっ、うう…もうすぐ僕の誕生日。坊ちゃまと三歳差になってしまう~二歳差よ!さようなら~オマケに二十歳…」
「そうなの?おめでとう!ここで皆んなで誕生会しような。それに二十歳なんて、まだまだ子供だよ!俺なんて二十五だぜ?」
僕はそんなことを言って慰めるトムさんをジトッと見ていた。意外と歳上だったのね?
今僕達は、メイドカフェへと来ている。それで僕のボヤキを聞いて貰っていたんだけど…
「それにさ、別に何歳差でもよくない?確かに年が近い方が話は合うかも?だけどさぁ」
僕はまだ公爵家以外の人達には二人の関係を伝えてない。そうしてしまうと、今までの関係ではいられなくなるから。となると正直に話すのは、卒業式後だよね~
だけどそれについては、もう一つ不安がある。それは僕の立場についてだ…
伯爵家令息とはいっても、その事実は無いに等しい。それまでに一度だけでも家に帰って、そこから結婚…って形が必要だろうと思う。幸い、あの義母は居ないから前よりは帰りやすいとは思っている。それに一番すべきなのは、伯爵家嫡男という立場を誰かに譲らなくてはならないってこと。坊ちゃまに調べて貰ったところによると、プロミスリングに掛けられている血の魔法それは、一旦僕が後を継ぐことでその後は変更可能らしい。だけどイーライは騎士になって、将来ガイと結婚するよね?となると…ちょっと後を継ぐのは難しいのか。どちらかが騎士をやめなくてらならないから…だったらジェイデン?
あれからトムさんが、一度だけベンさんに会ったと聞いた。それでこの九月から復学するのだと。だけどトムさん…何か変なことを言ってたなぁ。怒らせたとか何とか…
「それでさトムさん。アノー伯爵家の従者のベンさんって、何故そんなに怒ったのかな?」
その質問にトムさんはうーんと考えて、分からないといったふうで…
「それがさ、全然分かんないんだよなぁ。情報交換会にまた来てねって言って、それから凄い風が吹いてさぁ。そんで髪が乱れてるよ?って教えてあげて、それから黒かと思ってた瞳が藍色で綺麗だって言って。そのくらいしか会話してないんだよね…」
うーん…確かに怒りどころがないようなぁ。新学期が始まって一週間、未だジェイデンもベンも現れていない。トムさんはもちろん、ジェイデンと僕との間柄は知っている。腹違いの兄弟だって…
だけどその行動が可怪しいことや、僕の方が嫡男なことまでは知らない。教えるともしかして、危険に合わせてしまうかも?って。ただ、弟がどうしているのか気になるから連絡を取りたいのだと話して。それを使用人ネットワークにも伝えて、協力を求めてある。
「あっ!でもさ、瞳の色?その話になったら、様子が可怪しくなったかも?でもそれ、褒めたんだよ?凄く似合ってて綺麗だって」
「瞳の色!?確か、僕の記憶では黒髪に黒い瞳だったよね?珍しいなって思ってて」
顔立ちは全く違うけど、前世日本人の僕からしたら懐かしいような気がしたんだ。落ち着くっていうか…でも、最初から不穏な雰囲気を纏った人だったから、見た目と印象が真逆っていうか…それで気持ちの悪さを感じた。
「それがさぁ…陽の光に当たると藍色だったんだよ。真っ黒な印象だったのに、違ったんだ!それで驚いて、思わず声に出しちゃったんだよなぁ~嫌われちゃったかも?」
そう言ってシュン…とするトムさん。こんなにいい人が落ち込んでいるのを見るの、居た堪れない!そう思った僕は、気分を盛り上げようと…
「ほら!トムさんパンケーキ来たよ?ハイハイハイハーイ!お客様~今日は猫ちゃん描いちゃうニャン!」
今日は特別バージョン!踊り付きだよ?何とかトムさんを励まそうと歌って踊って、絵まで描いちゃう僕。◯ティちゃんを可愛く描いて、一生懸命おもてなしをする。
「ありがとな!エリオット。元気出たから、よーし!食べよう~」
オーッ!とばかりに食べ出して、それからは話が弾む。それから何人かの顔馴染みも合流して皆んなで歌い踊って盛り上がる。
「あー楽しかった!それにしてもエリオット、どこであれを覚えたの?」
そろそろ部屋へと帰ろうか?とカフェを出た僕達。仲良く並んで歩くと、そんなことを聞いてくるトムさん。言えねぇ…真実は闇の中さっ!そう思って誤魔化し笑いしていると、ふいに僕達を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ご無沙汰しています。エリオットさん、トムさん!お元気でしたか?」
誰よ?そう思って振り返ると、そこにはあのベンがにこやかな笑顔で立っている。で、出たぁ!
──ヤバい…僕って、意外に堪え性がなかったんだね?
そんな中の五月、坊ちゃまの十七歳の誕生日があった。もちろん盛大にお祝いしたよ?僕は腕によりをかけて、でっかいケーキを焼いた。ロウソクを無理矢理17本立てて、さあ願い事!って。坊ちゃまが何を願ったのかは知らない…聞かなかったから。でも、間違いなく僕達二人のことだ。ロウソクに照らされた坊ちゃまの顔を見つめて、幸せだね…って呟いた。それから僕も援護して、願いが叶うようにと二人でフーッと吹き消した。そして九月、坊ちゃまは二年生になった。
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「うっ、うう…もうすぐ僕の誕生日。坊ちゃまと三歳差になってしまう~二歳差よ!さようなら~オマケに二十歳…」
「そうなの?おめでとう!ここで皆んなで誕生会しような。それに二十歳なんて、まだまだ子供だよ!俺なんて二十五だぜ?」
僕はそんなことを言って慰めるトムさんをジトッと見ていた。意外と歳上だったのね?
今僕達は、メイドカフェへと来ている。それで僕のボヤキを聞いて貰っていたんだけど…
「それにさ、別に何歳差でもよくない?確かに年が近い方が話は合うかも?だけどさぁ」
僕はまだ公爵家以外の人達には二人の関係を伝えてない。そうしてしまうと、今までの関係ではいられなくなるから。となると正直に話すのは、卒業式後だよね~
だけどそれについては、もう一つ不安がある。それは僕の立場についてだ…
伯爵家令息とはいっても、その事実は無いに等しい。それまでに一度だけでも家に帰って、そこから結婚…って形が必要だろうと思う。幸い、あの義母は居ないから前よりは帰りやすいとは思っている。それに一番すべきなのは、伯爵家嫡男という立場を誰かに譲らなくてはならないってこと。坊ちゃまに調べて貰ったところによると、プロミスリングに掛けられている血の魔法それは、一旦僕が後を継ぐことでその後は変更可能らしい。だけどイーライは騎士になって、将来ガイと結婚するよね?となると…ちょっと後を継ぐのは難しいのか。どちらかが騎士をやめなくてらならないから…だったらジェイデン?
あれからトムさんが、一度だけベンさんに会ったと聞いた。それでこの九月から復学するのだと。だけどトムさん…何か変なことを言ってたなぁ。怒らせたとか何とか…
「それでさトムさん。アノー伯爵家の従者のベンさんって、何故そんなに怒ったのかな?」
その質問にトムさんはうーんと考えて、分からないといったふうで…
「それがさ、全然分かんないんだよなぁ。情報交換会にまた来てねって言って、それから凄い風が吹いてさぁ。そんで髪が乱れてるよ?って教えてあげて、それから黒かと思ってた瞳が藍色で綺麗だって言って。そのくらいしか会話してないんだよね…」
うーん…確かに怒りどころがないようなぁ。新学期が始まって一週間、未だジェイデンもベンも現れていない。トムさんはもちろん、ジェイデンと僕との間柄は知っている。腹違いの兄弟だって…
だけどその行動が可怪しいことや、僕の方が嫡男なことまでは知らない。教えるともしかして、危険に合わせてしまうかも?って。ただ、弟がどうしているのか気になるから連絡を取りたいのだと話して。それを使用人ネットワークにも伝えて、協力を求めてある。
「あっ!でもさ、瞳の色?その話になったら、様子が可怪しくなったかも?でもそれ、褒めたんだよ?凄く似合ってて綺麗だって」
「瞳の色!?確か、僕の記憶では黒髪に黒い瞳だったよね?珍しいなって思ってて」
顔立ちは全く違うけど、前世日本人の僕からしたら懐かしいような気がしたんだ。落ち着くっていうか…でも、最初から不穏な雰囲気を纏った人だったから、見た目と印象が真逆っていうか…それで気持ちの悪さを感じた。
「それがさぁ…陽の光に当たると藍色だったんだよ。真っ黒な印象だったのに、違ったんだ!それで驚いて、思わず声に出しちゃったんだよなぁ~嫌われちゃったかも?」
そう言ってシュン…とするトムさん。こんなにいい人が落ち込んでいるのを見るの、居た堪れない!そう思った僕は、気分を盛り上げようと…
「ほら!トムさんパンケーキ来たよ?ハイハイハイハーイ!お客様~今日は猫ちゃん描いちゃうニャン!」
今日は特別バージョン!踊り付きだよ?何とかトムさんを励まそうと歌って踊って、絵まで描いちゃう僕。◯ティちゃんを可愛く描いて、一生懸命おもてなしをする。
「ありがとな!エリオット。元気出たから、よーし!食べよう~」
オーッ!とばかりに食べ出して、それからは話が弾む。それから何人かの顔馴染みも合流して皆んなで歌い踊って盛り上がる。
「あー楽しかった!それにしてもエリオット、どこであれを覚えたの?」
そろそろ部屋へと帰ろうか?とカフェを出た僕達。仲良く並んで歩くと、そんなことを聞いてくるトムさん。言えねぇ…真実は闇の中さっ!そう思って誤魔化し笑いしていると、ふいに僕達を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ご無沙汰しています。エリオットさん、トムさん!お元気でしたか?」
誰よ?そう思って振り返ると、そこにはあのベンがにこやかな笑顔で立っている。で、出たぁ!
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