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第六章・僕のいる場所
42・元気な朝
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僕ってさ、性欲が弱いんだと思ってたのよ?それがさ、坊ちゃまを愛してるんだ!って気が付いた途端、これなんだよねぇ~
坊ちゃまの温かな身体の重みや芳しい体臭、それから静かな吐息が僕の首筋へとかかる…もうそれだけで僕のアソコはムクムクと…今日も元気!
ちょっと元気過ぎて照れちゃうな~とポッ…としながら、ここぞとばかりに坊ちゃまの項の香りを吸い込んだ。
──あ~いい匂いだ!これって、フェロモンっていうやつ?
前から思っていたんだけど、坊ちゃまってとってもいい匂いがするんだ。甘くて、それでいて爽やかさも感じる独特の香り…。最初は香水なのかな?って思ったけど、どうもそんなものを付けている感じないし…
だけどフェロモンって、好き嫌いがあるんだってよ?思わず引き寄せられてしまうフェロモンや、近付くのも嫌!ってのも…不思議だね?きっと遺伝子レベルで引き合う相手って決まっているんだと思う。もちろん僕にとって坊ちゃまは…パーフェクトだ!無茶苦茶いい匂いだから、クンカクンカしちゃう~。
まずはほっぺたをくっつけて、こめかみの匂いを嗅ぐ。それから首筋へと移ったら、あ~癒される。それからどこが一番強いのかな?って知りたくなって、寝ている坊ちゃまの二の腕をチョイと浮かして、脇の下とご対面する。くっ…濃さがレベチだ!
そしてあろう事か、自分の生足を坊ちゃまの足へとスリスリと…
──あかん!間違いなく坊ちゃまを、オカズにしちゃってる~
「アタタタッ!」
思わず僕は前を押さえて、坊ちゃまのフェロモン恐るべし!と慄いた。ますますヤバいよね?
いくら何でも、寝ている坊ちゃまに対して変態じみたことを…と反省して、何とか身体を起こす。それから前を押さえながらヨロヨロと、バスルームへと向かった。この先はご想像にお任せしま~す!
+++++
あれから私は、眠ってしまったエリオットを横抱きにして馬車から降りた。使用人達は一様に驚いた様子で「代わりましょうか?」と聞いてきた。それに私は首を振って「いや…軽いから大丈夫だ。それよりこのまま私の部屋へと連れて行くから」と言うと、執事のスミンは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。久しぶりに会ったが、綿菓子?と思ったら、なんだ髪か…
それから私のベッドにエリオットを降ろして、ちょっと躊躇するが服を脱がそうと…
従者の制服の上衣を脱がせて、それからシャツのボタンを二つほど外してやる。そしてこのままでは辛いだろうと…ズボンを下げた。仕方ないだろう?窮屈そうに見えたんだから…
エリオットのカモシカのように引き締まった足にドキッとする。程よく筋肉がついていてとても綺麗だ…思わずスリスリしたい衝動が起きたが何とか堪えた!ここぞとばかりに手を出す主人にはなりたくないし…
それから軽い食事をして風呂に入り、身支度をしてベッドに入る。こうやって共に寝るのは、久しぶりだなぁ。子供の頃は、私が寝るまで椅子に座って待っていたエリオット。早く部屋に戻れば?って言うんだけど頑なにそうしなかったんだ。なのに絶対先に眠たくなっちゃって、コックリ…コックリと船を漕ぎだすエリオットが。そうなると私のベッドへと運んでやり、暫くその寝顔をじっと見ていた。正直、気になって寝るどころじゃ無かったし…。それからアルベルトにエリオットの部屋へと運ばせたりしていたが、本人はというとまるで分かっていなかったかも知れない。自分で帰ったんだと思っていたのではないかな?
流石に大きくなってからはそういうことがなくなって、寂しいと思っていた。
「フフッ、懐かしいな…」そう微笑みながら、エリオットの頬を撫でる。それにしてもさっき、大公殿下とは喋るな!って言ったの何故だろう?その前にいきなり手を握られたのもビックリしたけど!
「まだ私に言えない秘密があるのかい?」そう呟いて、子供のようにぐっすりと眠るエリオットの身体をぎゅっと抱き締めて、深い眠りに落ちて行った…
んん…んんっ?誰かが私の頬を触っている。微睡みながらもエリオットかな?と思う。なんだか視線を感じるけど、昨日の交流戦の疲れなのか瞼が重くて開かない。エリオットはきっと、同じベッドで寝ていたのを凄く驚いていると想像して口の端が上がる。
もうそろそろ起きないと…エリオットは先にお風呂に入るかな?などと考えていると、すぐ側に温かな体温を感じて…
──ビックリして飛び起きたエリオットが、また戻って来たな?
それに気付いた私は、ムクムクと悪戯心が湧いてくる。よし!驚かせてやろう…そう思い寝返りを打ったように装って、バッとエリオットの身体を捕まえた!
ビクッとエリオットの身体が跳ねて、ハァハァ言っている。ふふふっ…驚かせ過ぎたか?と目を開こうとした私は、次の瞬間…我が耳を疑う。
「ああっ…坊ちゃまの匂いを嗅いだら元気になっちゃったよ!僕の~」
──はい?何が元気になったって!?
坊ちゃまの温かな身体の重みや芳しい体臭、それから静かな吐息が僕の首筋へとかかる…もうそれだけで僕のアソコはムクムクと…今日も元気!
ちょっと元気過ぎて照れちゃうな~とポッ…としながら、ここぞとばかりに坊ちゃまの項の香りを吸い込んだ。
──あ~いい匂いだ!これって、フェロモンっていうやつ?
前から思っていたんだけど、坊ちゃまってとってもいい匂いがするんだ。甘くて、それでいて爽やかさも感じる独特の香り…。最初は香水なのかな?って思ったけど、どうもそんなものを付けている感じないし…
だけどフェロモンって、好き嫌いがあるんだってよ?思わず引き寄せられてしまうフェロモンや、近付くのも嫌!ってのも…不思議だね?きっと遺伝子レベルで引き合う相手って決まっているんだと思う。もちろん僕にとって坊ちゃまは…パーフェクトだ!無茶苦茶いい匂いだから、クンカクンカしちゃう~。
まずはほっぺたをくっつけて、こめかみの匂いを嗅ぐ。それから首筋へと移ったら、あ~癒される。それからどこが一番強いのかな?って知りたくなって、寝ている坊ちゃまの二の腕をチョイと浮かして、脇の下とご対面する。くっ…濃さがレベチだ!
そしてあろう事か、自分の生足を坊ちゃまの足へとスリスリと…
──あかん!間違いなく坊ちゃまを、オカズにしちゃってる~
「アタタタッ!」
思わず僕は前を押さえて、坊ちゃまのフェロモン恐るべし!と慄いた。ますますヤバいよね?
いくら何でも、寝ている坊ちゃまに対して変態じみたことを…と反省して、何とか身体を起こす。それから前を押さえながらヨロヨロと、バスルームへと向かった。この先はご想像にお任せしま~す!
+++++
あれから私は、眠ってしまったエリオットを横抱きにして馬車から降りた。使用人達は一様に驚いた様子で「代わりましょうか?」と聞いてきた。それに私は首を振って「いや…軽いから大丈夫だ。それよりこのまま私の部屋へと連れて行くから」と言うと、執事のスミンは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。久しぶりに会ったが、綿菓子?と思ったら、なんだ髪か…
それから私のベッドにエリオットを降ろして、ちょっと躊躇するが服を脱がそうと…
従者の制服の上衣を脱がせて、それからシャツのボタンを二つほど外してやる。そしてこのままでは辛いだろうと…ズボンを下げた。仕方ないだろう?窮屈そうに見えたんだから…
エリオットのカモシカのように引き締まった足にドキッとする。程よく筋肉がついていてとても綺麗だ…思わずスリスリしたい衝動が起きたが何とか堪えた!ここぞとばかりに手を出す主人にはなりたくないし…
それから軽い食事をして風呂に入り、身支度をしてベッドに入る。こうやって共に寝るのは、久しぶりだなぁ。子供の頃は、私が寝るまで椅子に座って待っていたエリオット。早く部屋に戻れば?って言うんだけど頑なにそうしなかったんだ。なのに絶対先に眠たくなっちゃって、コックリ…コックリと船を漕ぎだすエリオットが。そうなると私のベッドへと運んでやり、暫くその寝顔をじっと見ていた。正直、気になって寝るどころじゃ無かったし…。それからアルベルトにエリオットの部屋へと運ばせたりしていたが、本人はというとまるで分かっていなかったかも知れない。自分で帰ったんだと思っていたのではないかな?
流石に大きくなってからはそういうことがなくなって、寂しいと思っていた。
「フフッ、懐かしいな…」そう微笑みながら、エリオットの頬を撫でる。それにしてもさっき、大公殿下とは喋るな!って言ったの何故だろう?その前にいきなり手を握られたのもビックリしたけど!
「まだ私に言えない秘密があるのかい?」そう呟いて、子供のようにぐっすりと眠るエリオットの身体をぎゅっと抱き締めて、深い眠りに落ちて行った…
んん…んんっ?誰かが私の頬を触っている。微睡みながらもエリオットかな?と思う。なんだか視線を感じるけど、昨日の交流戦の疲れなのか瞼が重くて開かない。エリオットはきっと、同じベッドで寝ていたのを凄く驚いていると想像して口の端が上がる。
もうそろそろ起きないと…エリオットは先にお風呂に入るかな?などと考えていると、すぐ側に温かな体温を感じて…
──ビックリして飛び起きたエリオットが、また戻って来たな?
それに気付いた私は、ムクムクと悪戯心が湧いてくる。よし!驚かせてやろう…そう思い寝返りを打ったように装って、バッとエリオットの身体を捕まえた!
ビクッとエリオットの身体が跳ねて、ハァハァ言っている。ふふふっ…驚かせ過ぎたか?と目を開こうとした私は、次の瞬間…我が耳を疑う。
「ああっ…坊ちゃまの匂いを嗅いだら元気になっちゃったよ!僕の~」
──はい?何が元気になったって!?
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