30 / 107
第五章・恋の進行状況
29・危険な大公ルート
しおりを挟む
「えっ…そうなのかい?知らなかった!では伯父上の婚約者が君なんだね。凄い巡り合わせだ!」
ラウル殿下はアランの言葉に、嬉々として反応した。そして父親である国王陛下の弟君、マクベス大公の妃になるというアランを見つめる。
「はい!こんな田舎者で、なんの取り柄もない男の僕を、結婚相手として選んでいただけて有り難いと思っております」
そうはにかんだ笑顔で、幸せそうに話すアラン。さっきまでは印象に残らない顔だなんて思っていたけど、なんだかこの子のこと、無茶苦茶可愛く思えてきたよ?
「はぁん?大公様も趣味が悪いね。伯爵家の令息とだなんて…せいぜい頑張ればぁ」
──アンディ!将来の大公妃の御前であるぞ?頭が高い!控えおろう~印籠見せちゃうぞ!!
それにしてもアンディは、何てこと言うのよ?今は自分が格上かも知れないけど、未来の妃殿下だよ?この子、怖いものなしだな…
確かに、伯爵家の令息であるアランが大公妃になるというのは、身分的にどうなの?って思うだろう。それがもしもラウル殿下の相手だったら…間違いなく反対される。
僕から見ればギリギリオッケーなんじゃないの?って思うが、そうならないのはラウル殿下が、将来国王になる可能性が高いからだ。それなら何故、大公なら大丈夫なの?
それは、後継者争いの為だ。何の力もない家門の令息、しかも四男。そんな影響力を持たない人を配偶者として迎えるのは、王位を狙ってませんよー!っていうアピールに他ならない。そうした理由から選ばれたであろうアラン君だが、凄く嬉しそうだ!きっと、マクベス大公様を愛しているんだろうな。だけど…
このBLゲームのマクベス大公ルートは、唯一の破滅ルートとして知られている。大公殿下が、今の婚約者であるアラン君と結婚するのであれば、何の問題もないんだ。それが、もしもジュリアスだったら?…大問題だ!!
これはあくまでゲームの中のお話なんだけど、いろんな分岐点で必ず出会ってしまうジュリアスとマクベス大公。そして必ずといっていいほど、大公がジュリアスに対して一目惚れする。それで婚約者がいるにも関わらず、ジュリアスを手に入れたい大公は、暴走するんだ…
まず、邪魔になった婚約者を秘密裏に殺してしまう…それが、この地味可愛いアラン君だなんて酷すぎるっ!
ゲームをやっていた時は、ふ~ん、そう?って思っちゃったけど、こうやって被害者を目の当たりにすると恐ろしい!
こんなに自分を慕ってくれる婚約者を殺すなんて、有り得ないでしょ!婚約を破棄すればいいのに殺すんだよ?
それが大公の恐ろしいところなんだよ…
大公は、先代の国王の側室から生まれた王子だ。今の国王が後継ぎに指名された時、大公はまだ幼かった為に候補者にもなれず、また側室腹だった為に存在自体が重要視されなかった。そして唯一の大公として、目立たず出しゃばらず、立場をわきまえて生きて行くことを選択した。だから、アラン君のような人を選んだんだ。
だけど…心の中にほんの少しの炎を宿していた。いつも控えめに微笑んでいたけど、常にその炎が燻り続けていた。
それがジュリアスと出会ったことで、燃え盛る炎へと変貌してしまう…
国内で最も影響力を持つ、公爵家令息という立場のジュリアス。その力を借りたらもしかして…そして、そもそもあのジュリアスに似合う立場を用意しなければ!との思いで、どんどん手が付けられない状態になっていくんだよ。
──マズい…マズ過ぎるよね?そんな猛烈な狂気に、僕の坊ちゃまが巻き込まれたらどうする!?あかん…絶対!
「それでね、当日マクベス大公様が見に来られるんです交流戦を。僕の勇姿を是非見たい!とおっしゃって…。恥ずかしいですが、頑張ります!」
──来るなぁーーっ!なんで来る?
交流戦に…なんて、もう時間がない!あと二週間ほどしかないじゃないか?この先どこかで、出会ってしまう可能性が高いけど、そこじゃないでしょうよ?だって、攻略対象者揃い踏みだよ…?
ただでさえ、ガイ・クルーガーという最有力の攻略対象が来るのは間違いないんだ。おまけにそんな不穏な人物まで集まるなんて!
そして僕は、それだけじゃない気がしている。これはあくまで僕だけの問題だけれど…きっとアイツも現れるだろう。僕の異母兄弟で天敵のような存在の、イーライ・アノー。
ずっと怖かった…見つかってしまうのが。そうなったら連れ戻されるのだろうか?それとも、母の形見のプロミスリングを奪われる?そう恐怖を感じていた。
だけど今の僕は、怖くなんてない!愛する人で、僕の一番の理解者…坊ちゃまが側にいてくれさえすれば、負ける気なんてしない!
ラウル殿下はアランの言葉に、嬉々として反応した。そして父親である国王陛下の弟君、マクベス大公の妃になるというアランを見つめる。
「はい!こんな田舎者で、なんの取り柄もない男の僕を、結婚相手として選んでいただけて有り難いと思っております」
そうはにかんだ笑顔で、幸せそうに話すアラン。さっきまでは印象に残らない顔だなんて思っていたけど、なんだかこの子のこと、無茶苦茶可愛く思えてきたよ?
「はぁん?大公様も趣味が悪いね。伯爵家の令息とだなんて…せいぜい頑張ればぁ」
──アンディ!将来の大公妃の御前であるぞ?頭が高い!控えおろう~印籠見せちゃうぞ!!
それにしてもアンディは、何てこと言うのよ?今は自分が格上かも知れないけど、未来の妃殿下だよ?この子、怖いものなしだな…
確かに、伯爵家の令息であるアランが大公妃になるというのは、身分的にどうなの?って思うだろう。それがもしもラウル殿下の相手だったら…間違いなく反対される。
僕から見ればギリギリオッケーなんじゃないの?って思うが、そうならないのはラウル殿下が、将来国王になる可能性が高いからだ。それなら何故、大公なら大丈夫なの?
それは、後継者争いの為だ。何の力もない家門の令息、しかも四男。そんな影響力を持たない人を配偶者として迎えるのは、王位を狙ってませんよー!っていうアピールに他ならない。そうした理由から選ばれたであろうアラン君だが、凄く嬉しそうだ!きっと、マクベス大公様を愛しているんだろうな。だけど…
このBLゲームのマクベス大公ルートは、唯一の破滅ルートとして知られている。大公殿下が、今の婚約者であるアラン君と結婚するのであれば、何の問題もないんだ。それが、もしもジュリアスだったら?…大問題だ!!
これはあくまでゲームの中のお話なんだけど、いろんな分岐点で必ず出会ってしまうジュリアスとマクベス大公。そして必ずといっていいほど、大公がジュリアスに対して一目惚れする。それで婚約者がいるにも関わらず、ジュリアスを手に入れたい大公は、暴走するんだ…
まず、邪魔になった婚約者を秘密裏に殺してしまう…それが、この地味可愛いアラン君だなんて酷すぎるっ!
ゲームをやっていた時は、ふ~ん、そう?って思っちゃったけど、こうやって被害者を目の当たりにすると恐ろしい!
こんなに自分を慕ってくれる婚約者を殺すなんて、有り得ないでしょ!婚約を破棄すればいいのに殺すんだよ?
それが大公の恐ろしいところなんだよ…
大公は、先代の国王の側室から生まれた王子だ。今の国王が後継ぎに指名された時、大公はまだ幼かった為に候補者にもなれず、また側室腹だった為に存在自体が重要視されなかった。そして唯一の大公として、目立たず出しゃばらず、立場をわきまえて生きて行くことを選択した。だから、アラン君のような人を選んだんだ。
だけど…心の中にほんの少しの炎を宿していた。いつも控えめに微笑んでいたけど、常にその炎が燻り続けていた。
それがジュリアスと出会ったことで、燃え盛る炎へと変貌してしまう…
国内で最も影響力を持つ、公爵家令息という立場のジュリアス。その力を借りたらもしかして…そして、そもそもあのジュリアスに似合う立場を用意しなければ!との思いで、どんどん手が付けられない状態になっていくんだよ。
──マズい…マズ過ぎるよね?そんな猛烈な狂気に、僕の坊ちゃまが巻き込まれたらどうする!?あかん…絶対!
「それでね、当日マクベス大公様が見に来られるんです交流戦を。僕の勇姿を是非見たい!とおっしゃって…。恥ずかしいですが、頑張ります!」
──来るなぁーーっ!なんで来る?
交流戦に…なんて、もう時間がない!あと二週間ほどしかないじゃないか?この先どこかで、出会ってしまう可能性が高いけど、そこじゃないでしょうよ?だって、攻略対象者揃い踏みだよ…?
ただでさえ、ガイ・クルーガーという最有力の攻略対象が来るのは間違いないんだ。おまけにそんな不穏な人物まで集まるなんて!
そして僕は、それだけじゃない気がしている。これはあくまで僕だけの問題だけれど…きっとアイツも現れるだろう。僕の異母兄弟で天敵のような存在の、イーライ・アノー。
ずっと怖かった…見つかってしまうのが。そうなったら連れ戻されるのだろうか?それとも、母の形見のプロミスリングを奪われる?そう恐怖を感じていた。
だけど今の僕は、怖くなんてない!愛する人で、僕の一番の理解者…坊ちゃまが側にいてくれさえすれば、負ける気なんてしない!
852
あなたにおすすめの小説
推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!
華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
だから、悪役令息の腰巾着! 忌み嫌われた悪役は不器用に僕を囲い込み溺愛する
モト
BL
2024.12.11~2巻がアンダルシュノベルズ様より書籍化されます。皆様のおかげです。誠にありがとうございます。
番外編などは書籍に含まれませんので是非、楽しんで頂けますと嬉しいです。
他の番外編も少しずつアップしたいと思っております。
◇ストーリー◇
孤高の悪役令息×BL漫画の総受け主人公に転生した美人
姉が書いたBL漫画の総モテ主人公に転生したフランは、総モテフラグを折る為に、悪役令息サモンに取り入ろうとする。しかしサモンは誰にも心を許さない一匹狼。周囲の人から怖がられ悪鬼と呼ばれる存在。
そんなサモンに寄り添い、フランはサモンの悪役フラグも折ろうと決意する──。
互いに信頼関係を築いて、サモンの腰巾着となったフランだが、ある変化が……。どんどんサモンが過保護になって──!?
・書籍化部分では、web未公開その後の番外編*がございます。
総受け設定のキャラだというだけで、総受けではありません。CPは固定。
自分好みに育っちゃった悪役とのラブコメになります。
いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます
日色
BL
「ぼく、あくやくれいそくだ」弟の誕生と同時に前世を思い出した七海は、悪役令息キルナ=フェルライトに転生していた。闇と水という典型的な悪役属性な上、肝心の魔力はほぼゼロに近い。雑魚キャラで死亡フラグ立ちまくりの中、なぜか第一王子に溺愛され!?
転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜
たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話
騎士団長とのじれったい不器用BL
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる