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第7章・番外編
86・投票御礼!三年目の浮気!?③
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~あの時、給湯室では~
「社長があの男性オメガと浮気?┉無い!無い!!」
秘書の一人が笑いながらそう言う。
「あの子煩悩で奥様大好きな社長だよ?絶対ないって!命賭けてもいいわよ!!」
それに、最初にそれを言い出したもう一人の秘書は┉
「そんなの当たり前!冗談だって~。社内報にお子さん達と奥様の写真何枚も投稿するくらいだよ?大声で奥さん愛してる!って言ってるみたいなものでしょ?あれ。おかげで社員全員、奥様のお綺麗な顔知ってます!未だに机の上に結婚式の写真も飾ってるしね!羨ましいから言ってみただけ~」
それをまさか社長の奥さんが聞いていたとは思ってもみないお騒がせな秘書達┉。
もちろん後で白井さんからこっぴどく叱られる事になるのだが。
「それで涼ちゃん、うちに来たの?」
香苗さんがそう心配そうに言う。
あれから保育園に柚子をお迎えに行って、三人で家に居る気にもならず泊まりの用意をして内藤の家に来た。
香苗さんは、瑞樹くんが大学を卒業して就職したタイミングで喫茶店を閉めて、今は家に居るんだ。
だから叔父さんや瑞樹くんが帰って来るまでは暇らしく、私達が来て嬉しそうだ。
香苗さんは、もう既に実の親以上に母親として良くして貰っている。
咲哉が産まれた後も、実はこの家に里帰りしたくらいで。
だから咲哉のお世話もお手の物で、今ご飯を食べさせてくれている。
美味しそうに一口ずつ食べている可愛い顔を見ていたら、今までの不安な気持ちも吹き飛んだ。
「涼ちゃん、それは間違いなく誤解よ~。あの直哉さんが浮気なんてする筈ないでしょう?でも、その若い男性オメガって誰だろうね?」
さっきは動揺してしまって直哉さんの浮気をほんのちょっと考えてしまったけど、冷静になった今は違うと思っている。
だけど、そのオメガの人は?って考えると┉。
そう思っているところに、玄関の呼び出しチャイムが鳴る。
これは┉もしかして?
「涼!どうしたんだ?家に帰っても誰も居ないし┉心配したぞ?」
誰かしら?と玄関に向かった香苗さんが、直哉さんだった!って連れて来た。
私は、心配をかけて申し訳ない気持ちに┉。
「ごめんなさい!何でもないんだ。ちょっと私が誤解しちゃっただけで┉。」
私は反省して俯いた。
「本当に何でもないのか?気になる事があるんだったら聞いてくれていいんだよ?」
意外にも直哉さんがそう優しく言うので、私は涙が出そうになる┉。
──ほんとバカだなぁ私って。こんな優しい直哉さんが浮気なんてする訳ないでしょ!
だけど、あのオメガの人の事だけは聞いておかないと┉って思っているところに
「ただいま~!」
「今帰ったぞ。誰か来てるのか?涼達なのか~?」
叔父さんと瑞樹くんが帰って来た。
「あれ?お揃いで来たの?柚子ちゃ~ん、咲ちゃんも!!」
瑞樹くんが嬉しそうに柚子達の側に近付く。
柚子とぎゅっと抱き合って、よく来たねー!って頭を撫でている。
そして、直哉さんに気付いて┉
「直哉さん、お昼はお忙しいのに会っていただいてありがとうございました。おかげ様で仲直り出来ました!」
そう照れた様子で瑞樹くんが頭を下げる。
それに私と香苗さんは驚いた顔を見合わせる。
──可愛い男性オメガって┉瑞樹くんか!!
そんな二人の様子に瑞樹くんはキョトンとして言った。
「あれ?涼さん聞いてないの?僕、優さんと喧嘩しちゃって┉。それで直哉さんに相談に乗って貰おうって。家だといつ帰れるか分からないから、昼間会社に来て欲しいって言われたんだけど。」
なんだ!そうだったんだ┉一番気になっていた事の真相が分かってホッとする。
「そうなんだ┉会社に来てもらったんだよ。最近ずっと忙しかっただろ?だから。涼、誤解してたんじゃないのか?もしかして┉俺の浮気を疑ったんじゃないだろうな?」
──や、ヤバい!!怒ってる!?
「涼ちゃん、もう瑞樹も義春さんも帰って来たし直哉さんと二人で話してみたら?咲ちゃんと柚子ちゃんは見ててあげるから大丈夫よ!」
香苗さんが笑顔でそう言ってくれる。
「涼┉これはわからせる必要がありそうだな?」
──ええっ!わからせる┉って!?な、直哉さん?
「社長があの男性オメガと浮気?┉無い!無い!!」
秘書の一人が笑いながらそう言う。
「あの子煩悩で奥様大好きな社長だよ?絶対ないって!命賭けてもいいわよ!!」
それに、最初にそれを言い出したもう一人の秘書は┉
「そんなの当たり前!冗談だって~。社内報にお子さん達と奥様の写真何枚も投稿するくらいだよ?大声で奥さん愛してる!って言ってるみたいなものでしょ?あれ。おかげで社員全員、奥様のお綺麗な顔知ってます!未だに机の上に結婚式の写真も飾ってるしね!羨ましいから言ってみただけ~」
それをまさか社長の奥さんが聞いていたとは思ってもみないお騒がせな秘書達┉。
もちろん後で白井さんからこっぴどく叱られる事になるのだが。
「それで涼ちゃん、うちに来たの?」
香苗さんがそう心配そうに言う。
あれから保育園に柚子をお迎えに行って、三人で家に居る気にもならず泊まりの用意をして内藤の家に来た。
香苗さんは、瑞樹くんが大学を卒業して就職したタイミングで喫茶店を閉めて、今は家に居るんだ。
だから叔父さんや瑞樹くんが帰って来るまでは暇らしく、私達が来て嬉しそうだ。
香苗さんは、もう既に実の親以上に母親として良くして貰っている。
咲哉が産まれた後も、実はこの家に里帰りしたくらいで。
だから咲哉のお世話もお手の物で、今ご飯を食べさせてくれている。
美味しそうに一口ずつ食べている可愛い顔を見ていたら、今までの不安な気持ちも吹き飛んだ。
「涼ちゃん、それは間違いなく誤解よ~。あの直哉さんが浮気なんてする筈ないでしょう?でも、その若い男性オメガって誰だろうね?」
さっきは動揺してしまって直哉さんの浮気をほんのちょっと考えてしまったけど、冷静になった今は違うと思っている。
だけど、そのオメガの人は?って考えると┉。
そう思っているところに、玄関の呼び出しチャイムが鳴る。
これは┉もしかして?
「涼!どうしたんだ?家に帰っても誰も居ないし┉心配したぞ?」
誰かしら?と玄関に向かった香苗さんが、直哉さんだった!って連れて来た。
私は、心配をかけて申し訳ない気持ちに┉。
「ごめんなさい!何でもないんだ。ちょっと私が誤解しちゃっただけで┉。」
私は反省して俯いた。
「本当に何でもないのか?気になる事があるんだったら聞いてくれていいんだよ?」
意外にも直哉さんがそう優しく言うので、私は涙が出そうになる┉。
──ほんとバカだなぁ私って。こんな優しい直哉さんが浮気なんてする訳ないでしょ!
だけど、あのオメガの人の事だけは聞いておかないと┉って思っているところに
「ただいま~!」
「今帰ったぞ。誰か来てるのか?涼達なのか~?」
叔父さんと瑞樹くんが帰って来た。
「あれ?お揃いで来たの?柚子ちゃ~ん、咲ちゃんも!!」
瑞樹くんが嬉しそうに柚子達の側に近付く。
柚子とぎゅっと抱き合って、よく来たねー!って頭を撫でている。
そして、直哉さんに気付いて┉
「直哉さん、お昼はお忙しいのに会っていただいてありがとうございました。おかげ様で仲直り出来ました!」
そう照れた様子で瑞樹くんが頭を下げる。
それに私と香苗さんは驚いた顔を見合わせる。
──可愛い男性オメガって┉瑞樹くんか!!
そんな二人の様子に瑞樹くんはキョトンとして言った。
「あれ?涼さん聞いてないの?僕、優さんと喧嘩しちゃって┉。それで直哉さんに相談に乗って貰おうって。家だといつ帰れるか分からないから、昼間会社に来て欲しいって言われたんだけど。」
なんだ!そうだったんだ┉一番気になっていた事の真相が分かってホッとする。
「そうなんだ┉会社に来てもらったんだよ。最近ずっと忙しかっただろ?だから。涼、誤解してたんじゃないのか?もしかして┉俺の浮気を疑ったんじゃないだろうな?」
──や、ヤバい!!怒ってる!?
「涼ちゃん、もう瑞樹も義春さんも帰って来たし直哉さんと二人で話してみたら?咲ちゃんと柚子ちゃんは見ててあげるから大丈夫よ!」
香苗さんが笑顔でそう言ってくれる。
「涼┉これはわからせる必要がありそうだな?」
──ええっ!わからせる┉って!?な、直哉さん?
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