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第四章・オメガの僕

40・先輩という幸運

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 母さんの言う通り、初めての発情期は3日ほどでおさまった。

 だけど┉辛い!!想像以上に辛かった┉。
 世の中のオメガ、どうやってやり過ごしているんだろう?って、思ったほどだ。
 終わった後も2日ほどフラフラで┉。た、体力つけなきゃ。

 とっくの昔から発情期が始まっている、立巳や涼さんの苦労が分かったと言うか、尊敬する!
 特に涼さんなんて、子供まで産んでるんだから~。おまけに二人目妊娠中で。

 僕は自分で、分かっているようで何も分かってなかった事に気付いた。オメガになる覚悟というか┉。
 
 でも、立巳が言うには誰だってそうらしい┉。
 オメガとして壁にぶつかりながら、一つ一つ乗り越えていけるようになればいいって。
 オメガの先輩である立巳にそう言われて、少し気が楽になった。
 結局、僕は僕のペースでいくしかないんだからね。

 そして、僕はつがいたい相手の先輩が既にいる事が、物凄く幸運なのかも知れないって気が付いたんだ──。


 

 今日は久しぶりに先輩に会う。
 発情期の後だし、何だか恥ずかしい~!
 何だろ?この感情は┉。

 今までだってもちろん先輩の事は大好きだったし、大切に思ってきたんだけど、完璧なオメガになった今は何かが違うって感じる。
 やっぱり求める大きさっていうかね?だから、困った┉。
 ちょっと変な態度になっちゃうかもしれない。
 そう思いながら先輩のマンションを訪れた。

 「瑞樹!ヒートになったんだって!?もう大丈夫なのか?初めてだっていうし、心配してたんだ。」

 僕が来るなり、そう心配してくれる先輩を見てるだけで、身体がブワッと熱を帯びる。

 もーう!何なんだ?発情期終わっただろう?
 ダメだ┉落ち着かなきゃ!そう思って深呼吸する。

 『心頭しんとう滅却めっきゃくすれば火もまた涼し!!』
 ちょっと違う気もするが、そう自分に言い聞かせて、心を落ち着かせる。

 プハァ~危ない、危ない!そう思って、それから先輩を見ると┉あららっ?

 口を押えて真っ赤になっている先輩の顔が┉んん?

 「み、瑞樹┉お前、何てフェロモン出すんだ!ビックリした~どうしよう?全然今までと違うぞ!?」
 そう言って動揺している。

 うそ┉本当に!?そんなにフェロモン出るんだ!

 「先輩ごめんなさい!なんか先輩の顔見てたらこうなっちゃって┉。気をつけますね!」
 
 もうヤダ~ホント恥ずかしいってー!
 コントロール方法見つけなきゃならないんだろうか┉。
 先輩にも申し訳ないし┉えっ、殺す気かって?何で!?

 取り敢えず二人共、一旦落ち着こうってソファに座ってコーヒーを飲んだ。
 
 「瑞樹落ち着いたか?もうフェロモン駄々漏れにするのはヤメてくれよ?俺が抑えるのも限界があるから。改めてだけど、あれから兄さん達と話し合ったよ。」

 そうだ!僕はそれどころじゃなくなっちゃったけど、皆んなで話し合ってくれたんだね。それで一体、どうなったの?
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