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第ニ章・先輩が彼氏に?
25・バツの悪さこの上なく
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──男性┉オメガ?
微かに先輩がそう呟くのが聞こえる。
「そうそう!瑞樹くんは珍しい後天性オメガなんだよね。もう二年になるんだっけ?」
涼さんが僕を見ながら聞いてくる。
涼さん、そこはスルーが正解なんですが┉。
「一度倒れてね?その時、お医者様から珍しいタイプのオメガだって言われて。あの時は本当に驚いたわよ。」
ちょっとだけ緊張がほぐれてきた母が、僕と先輩の経緯を知らずそう言うので、はい┉って一言だけ返す。
それにお兄さんは、優先輩の顔をじっと見て不思議そうな顔をしている。
直接僕がお兄さんに自分の性について言及した覚えはないけど、きっと先輩からベータだって聞いていたんだろう。
先輩は、ふうん┉って相槌のような言葉を発して、そのまま黙っていた。
怖い┉その反応一番怖い。まだ、何でだよ!とか言ってくれた方が良かった┉。
そんなこんなで顔合わせは始まって、ひやひやしている僕以外は和やかなムードで進んでいく。
僕はチラチラと先輩の様子を伺いながら、隣に居る柚子ちゃんの相手をしていた。
それから何と二度目の結婚式をすると、お兄さんと涼さんから発表されて、今回は近い親戚や仲の良い友人だけで行うとのことで。
それで何故だか僕がブライズメイドに、先輩がアッシャーに任命される。
普通、友人から選ばれない?あぁ、二度目だから頼みにくい訳ですね!
それから、おめでたい事は何度やってもいいですからねぇって、笑って顔合わせは終了する。
帰り際、柚子ちゃんが僕と衣裳お揃いにする~って言って、それは嬉しいな!って思っていると、いきなり後ろから先輩に声を掛けられた。
「瑞樹、ちょっと┉いいかな?」
「はい、先輩┉。」
先輩が手招きして、それに付いていく。
そして奥の部屋の前で立ち止まって、ここ俺の部屋だからって。
中に入ると、先輩らしいシンプルで落ち着いた感じの部屋だった。
僕のガチャガチャと物が並んだ部屋とは大違いだ!
そう思って、眺めていると┉
「そんなに嫌だったか?」
──えっ、先輩┉どういう意味?
「俺にオメガだって言うの嫌だったんだろ?」
うーん┉確かにそうだけど、オメガ嫌いな先輩に言ったら嫌われるって思ったからなんだけど┉どう伝えたらいいのかな?
そう考えている時、母さんが僕を呼ぶ声が。
あっ、もう帰るって┉。
「今日は疲れただろ?また今度話し合おう。まさか、それも嫌だって言わないよな?」
僕は慌てて、そんな事ない!って言った。
もう一度遠くで呼ばれて、はーい!って返事する。
先輩が早く行ったほうがいいぞって言って、きっとまた会って下さいね!と念を押す。
僕は後ろ髪を引かれる思いだったけど、それじゃ┉って部屋を出て行った。
なんて┉タイミングの悪い!
僕が先輩にオメガだって言おうと決心したのに、言えなくって。
それで他の人から聞くなんて、先輩絶対面白くなかったと思う。
僕は、人生最大の不覚だって思ったけどもう起きてしまった事は変えようがない。
先輩にはこの事すらも正直に言おうって思う。
また会ってくれるよね?先輩┉。不安になる気持ちを抑えて、信じて待とうって思った。
微かに先輩がそう呟くのが聞こえる。
「そうそう!瑞樹くんは珍しい後天性オメガなんだよね。もう二年になるんだっけ?」
涼さんが僕を見ながら聞いてくる。
涼さん、そこはスルーが正解なんですが┉。
「一度倒れてね?その時、お医者様から珍しいタイプのオメガだって言われて。あの時は本当に驚いたわよ。」
ちょっとだけ緊張がほぐれてきた母が、僕と先輩の経緯を知らずそう言うので、はい┉って一言だけ返す。
それにお兄さんは、優先輩の顔をじっと見て不思議そうな顔をしている。
直接僕がお兄さんに自分の性について言及した覚えはないけど、きっと先輩からベータだって聞いていたんだろう。
先輩は、ふうん┉って相槌のような言葉を発して、そのまま黙っていた。
怖い┉その反応一番怖い。まだ、何でだよ!とか言ってくれた方が良かった┉。
そんなこんなで顔合わせは始まって、ひやひやしている僕以外は和やかなムードで進んでいく。
僕はチラチラと先輩の様子を伺いながら、隣に居る柚子ちゃんの相手をしていた。
それから何と二度目の結婚式をすると、お兄さんと涼さんから発表されて、今回は近い親戚や仲の良い友人だけで行うとのことで。
それで何故だか僕がブライズメイドに、先輩がアッシャーに任命される。
普通、友人から選ばれない?あぁ、二度目だから頼みにくい訳ですね!
それから、おめでたい事は何度やってもいいですからねぇって、笑って顔合わせは終了する。
帰り際、柚子ちゃんが僕と衣裳お揃いにする~って言って、それは嬉しいな!って思っていると、いきなり後ろから先輩に声を掛けられた。
「瑞樹、ちょっと┉いいかな?」
「はい、先輩┉。」
先輩が手招きして、それに付いていく。
そして奥の部屋の前で立ち止まって、ここ俺の部屋だからって。
中に入ると、先輩らしいシンプルで落ち着いた感じの部屋だった。
僕のガチャガチャと物が並んだ部屋とは大違いだ!
そう思って、眺めていると┉
「そんなに嫌だったか?」
──えっ、先輩┉どういう意味?
「俺にオメガだって言うの嫌だったんだろ?」
うーん┉確かにそうだけど、オメガ嫌いな先輩に言ったら嫌われるって思ったからなんだけど┉どう伝えたらいいのかな?
そう考えている時、母さんが僕を呼ぶ声が。
あっ、もう帰るって┉。
「今日は疲れただろ?また今度話し合おう。まさか、それも嫌だって言わないよな?」
僕は慌てて、そんな事ない!って言った。
もう一度遠くで呼ばれて、はーい!って返事する。
先輩が早く行ったほうがいいぞって言って、きっとまた会って下さいね!と念を押す。
僕は後ろ髪を引かれる思いだったけど、それじゃ┉って部屋を出て行った。
なんて┉タイミングの悪い!
僕が先輩にオメガだって言おうと決心したのに、言えなくって。
それで他の人から聞くなんて、先輩絶対面白くなかったと思う。
僕は、人生最大の不覚だって思ったけどもう起きてしまった事は変えようがない。
先輩にはこの事すらも正直に言おうって思う。
また会ってくれるよね?先輩┉。不安になる気持ちを抑えて、信じて待とうって思った。
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