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第一章・ベータ、オメガになる。

7・僕がオメガに!?

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 あれ?┉ここ、どこだ?

 目を開けると見慣れない白い天井が。

 それに僕、どうなったんだ?あれから┉。

 最後に目に焼き付いているのは翔琉の驚いた顔だ。
 あんな顔、見たこと無かったな┉って思っていたら、だんだん周りが見えてきた。

 ──ここ病院だ┉ズキン!
 
 慌てて起きようとしたら、頭にズキズキする痛みが!

 「あれ?起きたみたいだね。葛西さん、大学で倒れたの覚えてますか?」

 女性の┉先生かな?物音に気が付いて来てくれたようだ。

 先生はカルテをパラパラとめくり、そして僕をじっと見てから口を開いた。

 「葛西さん、落ち着いて聞いて下さいね。性はベータだと聞いていますよね?実はあなたはオメガです。発現が人よりも遅くて、検査した時はベータだと判断されたようです。今日からは正真正銘オメガですね。」

 ──えっ、何言ってんの?そんなの嘘でしょう?┉なんでオメガ!

 僕は頭が混乱して何も言えなかった┉。
 そんな事、突然言われても信じられない!だって今までベータだって。
 そのまま茫然としていると、バタバタと足音が聞こえた。

 「瑞樹、どうしたの!?倒れたって聞いて母さんビックリして┉」

 病室のドアが開いてその声のする方を見ると、慌てて来てくれたんだろうエプロンを付けたままの母さんが立っていた。

 「葛西瑞樹さんのお母様ですね?今、ご本人にお話しさせていただいたのですが、息子さんはオメガになられたようです。後天性オメガと言って、非常に珍しいタイプで。今かなりショックを受けられていると思いますが、今後の対応などきちんとする必要がありますので、まずはご家族でお話しされて下さい。」
 
 先生はそう言って頭を下げて病室から出て行った。

 「母さん、僕オメガなんだって。なんか最近、微熱が続いてたんだよね。だけど、だからってオメガに!?う、うぅっ┉」

 僕は泣くつもりなんてなかったけど、いつの間にか涙が出ていた。きっとそれをどう受け入れていいのか分からなかったんだ。
 オメガだなんて言われて動揺するな!っていうのがまず無理だろう。

 ──それに┉僕は先輩のことを考えていた。
 ベータの僕だから友達として一緒にいれたんだ。もしかして僕がオメガだって分かったら、もう会えないのか?
 そんな事を思って余計に落ち込む。

 「瑞樹、急にオメガって言われてショックだと思う。だけどね、オメガになったからって瑞樹は瑞樹なんだよ!何も変わらない。だから怖がらないでいよう?」

 母のその心強い言葉に、ちょっとだけホッとして、僕もショックだけど母さんだってどんなにかショックを受けただろうって思った。
 それなのに落ち込んでいる僕を見て、励まそうとして┉。

 ──そうだね。今までだっていろんなピンチがあった。
 その度に母と二人で乗り越えて来たんだ。
 悩んで落ち込んでいたって、変わるものでもないし。
 オメガになっても、僕は僕だ。
 一抹の不安はあるけれど、今まで通りやるしかないって、心を強くした。
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