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第四章・輪廻
41・婚約式に向けて
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今日は王城に婚約式の打ち合わせに来ている。
ロディア・グレンがノア王子と婚約する…これに一番驚いたのは、もちろん両親で。
あの城での一件で、ノアへの不信感で一杯な両親は、もちろん反対した。
だから詳しくは言っていないが、ある事を協力する為なんだと説明する。
それでも物凄く不機嫌で…当たり前だけどね。
取り敢えず了承を得た私は、その想像以上に大変な準備に取り掛からなければならなかった。
その為にその後一月ほど学園には行けない…準備もあるが、警備上の問題もあって。
そんなに大変なんて聞いてなかったな…と不満たらたらで、案内されながらノアの部屋の前まで来た。
──やっぱりここ!ノアの部屋だったのか。
案内の侍従に促され中に入ると、いつものようにシニカルな笑みを浮かべているノアが…。全く!いつまでも慣れないな。
「良く来てくれたねシルフィ。今日はね、打ち合わせの前に手筈の確認をするよ。その方がいいだろう?」
私はそれに大きく頷く。絶対にその方がいい!そんな貴族が居並ぶ場で右往左往するのは嫌だ。
「そうですね…大まかには教えておいていただきたいです。戸惑って邪魔になりたくもないので」
「ハハッ、流石にシルフィだね?肝が座ってるよ。前の時のような事がないように、今回は警備の騎士も増やすし刺されても大丈夫なように対策するつもりだ」
また刺されるような事があったら、今度こそ終わりだ…。だから尚更慎重さが必要になってくる。成功させてあげたいけど…
「シルフィ、前から聞きたいと思っていたんだけど…何故君は憑依なんだ?私の時は死に戻りだっただろ?その差は何だろうって思ってるんだけど」
そのノアからの質問に迷う…正直に言っていいのだろうか?でも、確かに何故?って思うだろうと理解はするけど…
「実は…私が希望しなかったんです。神からは死に戻らせてやると言われたんですが…。あの時、私は誤解から夫と不仲だったんです。だから戻りたくなんて無かった。だからその変わりに憑依することに…」
なるほどね…とノアが呟く。あの時は悲しみで一杯で、そのまま死にたいと思っていたくらいで…
「君は今、それを後悔していないの?自分の姿で復活したかったとは思ってないのかな?」
そう聞かれると胸がズキリと痛む。最初はそんな事考えられなかった…
だけどサウラの事は誤解だったと知り、おまけに子がお腹にいた事を知ってしまうと、それが正しかったのかは正直分からない!
でも、死に戻りってどのくらい前になるのだろう?いつの時期の私に戻るのか…それが確かでない以上、答えは出ない。それに…
「実は…話していませんでしたが、今後不幸な死に方をすると次は否応なしに死に戻るんです。そう言われて…」
その事実を告白すると、ノアは凄く驚いていた。
「もう一度、チャンスがあるんだね?そうか…羨ましい気もするね。私にはもう次はないけれど、もしあったとしたら…今度はロディアに一番に会いに行く!復讐に囚われて、それが終わったら…って後回しにしていたら二度と会えなくなってしまったよ。だからシルフィ、その時は間違えないで!君も」
そう言って、私に微笑んだ。その微笑みは私を通して本物のロディアに向かっているんだろう。もう二度と会えなくなったロディアに…
私はこの先も、何もなければこのままロディアとして生きて行く。それは変わらない…
今回の事が終わったら、私もこの後自分がどうしたいのか?を考える時期に来ている。
まずは目の前の今を精一杯生きてみようと思った。
それから一週間後、いよいよ婚約式が開かれる…
ロディア・グレンがノア王子と婚約する…これに一番驚いたのは、もちろん両親で。
あの城での一件で、ノアへの不信感で一杯な両親は、もちろん反対した。
だから詳しくは言っていないが、ある事を協力する為なんだと説明する。
それでも物凄く不機嫌で…当たり前だけどね。
取り敢えず了承を得た私は、その想像以上に大変な準備に取り掛からなければならなかった。
その為にその後一月ほど学園には行けない…準備もあるが、警備上の問題もあって。
そんなに大変なんて聞いてなかったな…と不満たらたらで、案内されながらノアの部屋の前まで来た。
──やっぱりここ!ノアの部屋だったのか。
案内の侍従に促され中に入ると、いつものようにシニカルな笑みを浮かべているノアが…。全く!いつまでも慣れないな。
「良く来てくれたねシルフィ。今日はね、打ち合わせの前に手筈の確認をするよ。その方がいいだろう?」
私はそれに大きく頷く。絶対にその方がいい!そんな貴族が居並ぶ場で右往左往するのは嫌だ。
「そうですね…大まかには教えておいていただきたいです。戸惑って邪魔になりたくもないので」
「ハハッ、流石にシルフィだね?肝が座ってるよ。前の時のような事がないように、今回は警備の騎士も増やすし刺されても大丈夫なように対策するつもりだ」
また刺されるような事があったら、今度こそ終わりだ…。だから尚更慎重さが必要になってくる。成功させてあげたいけど…
「シルフィ、前から聞きたいと思っていたんだけど…何故君は憑依なんだ?私の時は死に戻りだっただろ?その差は何だろうって思ってるんだけど」
そのノアからの質問に迷う…正直に言っていいのだろうか?でも、確かに何故?って思うだろうと理解はするけど…
「実は…私が希望しなかったんです。神からは死に戻らせてやると言われたんですが…。あの時、私は誤解から夫と不仲だったんです。だから戻りたくなんて無かった。だからその変わりに憑依することに…」
なるほどね…とノアが呟く。あの時は悲しみで一杯で、そのまま死にたいと思っていたくらいで…
「君は今、それを後悔していないの?自分の姿で復活したかったとは思ってないのかな?」
そう聞かれると胸がズキリと痛む。最初はそんな事考えられなかった…
だけどサウラの事は誤解だったと知り、おまけに子がお腹にいた事を知ってしまうと、それが正しかったのかは正直分からない!
でも、死に戻りってどのくらい前になるのだろう?いつの時期の私に戻るのか…それが確かでない以上、答えは出ない。それに…
「実は…話していませんでしたが、今後不幸な死に方をすると次は否応なしに死に戻るんです。そう言われて…」
その事実を告白すると、ノアは凄く驚いていた。
「もう一度、チャンスがあるんだね?そうか…羨ましい気もするね。私にはもう次はないけれど、もしあったとしたら…今度はロディアに一番に会いに行く!復讐に囚われて、それが終わったら…って後回しにしていたら二度と会えなくなってしまったよ。だからシルフィ、その時は間違えないで!君も」
そう言って、私に微笑んだ。その微笑みは私を通して本物のロディアに向かっているんだろう。もう二度と会えなくなったロディアに…
私はこの先も、何もなければこのままロディアとして生きて行く。それは変わらない…
今回の事が終わったら、私もこの後自分がどうしたいのか?を考える時期に来ている。
まずは目の前の今を精一杯生きてみようと思った。
それから一週間後、いよいよ婚約式が開かれる…
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