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第三章・転機
34・王族の秘密
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この国の第一王子であるルーカス殿下が、第三の性の持ち主だって!?
私と同じ第三の性の持ち主は、この世界に一定数存在する。どうしてそうなるのかは知らないが、その出現は血筋が関係あったりもする。だから私達のように兄弟二人共…なように。だけど王族に第三の性がいるなど今まで聞いた事が無かった。もしかしていたのかも知れないが、秘密にされていたのかも…
それにルーカス殿下は第一王子だ。順当に行けば王になる存在で…
だけど王妃は、それでは自分の子が王の跡を継げないと思ったのだろう。だからノアの命を狙ったのだろうな…
王子が一人なら、第三の性だったとしても王になれるかと思ったのかも…
でも果たしてそれだけ?理由に関しては分かったけれど、その後また王子がお生まれになる可能性だってある。新しく側室を迎えたりして…その度にまた?そんな恐ろしい方なのか…王妃様は。
「ノアの母上が聖女だったのを知っているかい?父上がどうしてもと望んで側妃にしたのだ。それこそ法を変えてまでも…。私の母は元は隣国の王女でプライドの高いお方だ。だから赦せなかったのかも…ノアやノアの母上の事が…」
そういう事か!それならきっと王妃様はプライドがズタズタになったのだろうな…
おまけに自分が産んだ息子と、たった一年違いで側妃にも子供が…
私はそれほどプライドが高い方ではないが、あの時ドミニクとサウラを疑って心が張り裂けそうだった。
人を殺すなど決して赦される事ではないが、その理由としては有り得る事かも知れない…と思った。
だけど、ノア殿下の母君が聖女!?それは知らなかった!それが何かを意味している気もするが、沢山の情報を一度に得た為に、頭の中がまとまらない…だけど一つだけ、どうしても聞いておかなくては…
「お二人の後継者を巡る経緯は分かりました。それで一つどうしても気になる事は、ルーカス殿下はどう思ってらっしゃるんでしょう?ご自身が王になるおつもりですか?それともノア殿下に譲るのでしょうか?」
それが一番肝心だ…それによって今回ノア殿下の婚約者候補として名前が上がった事への影響度が違う。こんな事は、全く意図してなかった!迷惑以外の何ものでもないけど…
その私の問いにルーカス殿下は、何故かチラッとドビアス先生を見る。えっ…?
「三年前、急にノアは変わった…何があったのかは分からない。今まで全てにおいて遠慮がちな性格だったのに…。だからノアが王になる事を望んで、周りの者もノアが相応しいと言うなら譲ってもいいと思っている。その方が国に混乱を招かないのであれば…」
やはりそうなのか…王妃様のことで負い目もあるし、おまけに自身は第三の性だ。そう思っても仕方が無いのかも。だけど…
「第三の性だという事で王になれないとお考えならば、それは時期尚早だと思います。前列がないというならば作れば良いのです!諦めないでいただきたい。」
その私の言葉にルーカス殿下は目を丸くしていた。だけど次の瞬間、可笑しそうに笑う。
「フフッ、ロディアは私が思っていた以上に強いのだな!見た目は私よりも弱く見えるのに…。気に入った!私と友人になろう。本当は私達は同じ歳なんだろう?名前で呼ぶのを許そう」
えっ、どうしていきなり友人?と思ったけれど、よくよく話してみるとドビアスが言っていた事が良く分かる。気さく…だと。気さくというよりも純粋なのだと思う。
王になるには優し過ぎるかも知れないが、周りに恵まれれば立派な王になれるかも?と。
それから二人は、これ以上は私の体調を考えたら長居出来ないと帰って行った。
一人部屋で、先程聞いた事について寝ながら考えをまとめる。
ノア殿下の行動は、母君の死に関係がありそうだ…そして、それに私を巻き込もうとしている。その理由はまだ不明だけど…
だけど、ロディアと子から貰ったこの命、無駄にしないように自分の行く末を見極めなければならない!と強く思った。
私と同じ第三の性の持ち主は、この世界に一定数存在する。どうしてそうなるのかは知らないが、その出現は血筋が関係あったりもする。だから私達のように兄弟二人共…なように。だけど王族に第三の性がいるなど今まで聞いた事が無かった。もしかしていたのかも知れないが、秘密にされていたのかも…
それにルーカス殿下は第一王子だ。順当に行けば王になる存在で…
だけど王妃は、それでは自分の子が王の跡を継げないと思ったのだろう。だからノアの命を狙ったのだろうな…
王子が一人なら、第三の性だったとしても王になれるかと思ったのかも…
でも果たしてそれだけ?理由に関しては分かったけれど、その後また王子がお生まれになる可能性だってある。新しく側室を迎えたりして…その度にまた?そんな恐ろしい方なのか…王妃様は。
「ノアの母上が聖女だったのを知っているかい?父上がどうしてもと望んで側妃にしたのだ。それこそ法を変えてまでも…。私の母は元は隣国の王女でプライドの高いお方だ。だから赦せなかったのかも…ノアやノアの母上の事が…」
そういう事か!それならきっと王妃様はプライドがズタズタになったのだろうな…
おまけに自分が産んだ息子と、たった一年違いで側妃にも子供が…
私はそれほどプライドが高い方ではないが、あの時ドミニクとサウラを疑って心が張り裂けそうだった。
人を殺すなど決して赦される事ではないが、その理由としては有り得る事かも知れない…と思った。
だけど、ノア殿下の母君が聖女!?それは知らなかった!それが何かを意味している気もするが、沢山の情報を一度に得た為に、頭の中がまとまらない…だけど一つだけ、どうしても聞いておかなくては…
「お二人の後継者を巡る経緯は分かりました。それで一つどうしても気になる事は、ルーカス殿下はどう思ってらっしゃるんでしょう?ご自身が王になるおつもりですか?それともノア殿下に譲るのでしょうか?」
それが一番肝心だ…それによって今回ノア殿下の婚約者候補として名前が上がった事への影響度が違う。こんな事は、全く意図してなかった!迷惑以外の何ものでもないけど…
その私の問いにルーカス殿下は、何故かチラッとドビアス先生を見る。えっ…?
「三年前、急にノアは変わった…何があったのかは分からない。今まで全てにおいて遠慮がちな性格だったのに…。だからノアが王になる事を望んで、周りの者もノアが相応しいと言うなら譲ってもいいと思っている。その方が国に混乱を招かないのであれば…」
やはりそうなのか…王妃様のことで負い目もあるし、おまけに自身は第三の性だ。そう思っても仕方が無いのかも。だけど…
「第三の性だという事で王になれないとお考えならば、それは時期尚早だと思います。前列がないというならば作れば良いのです!諦めないでいただきたい。」
その私の言葉にルーカス殿下は目を丸くしていた。だけど次の瞬間、可笑しそうに笑う。
「フフッ、ロディアは私が思っていた以上に強いのだな!見た目は私よりも弱く見えるのに…。気に入った!私と友人になろう。本当は私達は同じ歳なんだろう?名前で呼ぶのを許そう」
えっ、どうしていきなり友人?と思ったけれど、よくよく話してみるとドビアスが言っていた事が良く分かる。気さく…だと。気さくというよりも純粋なのだと思う。
王になるには優し過ぎるかも知れないが、周りに恵まれれば立派な王になれるかも?と。
それから二人は、これ以上は私の体調を考えたら長居出来ないと帰って行った。
一人部屋で、先程聞いた事について寝ながら考えをまとめる。
ノア殿下の行動は、母君の死に関係がありそうだ…そして、それに私を巻き込もうとしている。その理由はまだ不明だけど…
だけど、ロディアと子から貰ったこの命、無駄にしないように自分の行く末を見極めなければならない!と強く思った。
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