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第三章・予期せぬ計略
29・騒動の経緯(マクスSide)
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辺境の地を出立して、私は四日で王都に着いた。
もしかしてこの国の根幹を揺るがすような、大きな事態になっているのではないか?という懸念から┉。
私の他にも、それぞれの領地に居た重臣達も同じように王都に集まる。
まずは事の経緯を聞くべく、新しく宰相に任命されたケリード卿の元に向かう。
「なにがあったのか話していただけますか?ケリード卿。私達、領地に住む者はまさに青天の霹靂でした。あのロハス侯爵が┉と。これまでそう言った噂を全く聞いたことはありませんでしたし。これからどうなるのでしょうか?跡継ぎである王子殿下のことも含めて┉」
ここに同じく集まった者達も、この国の一大事に同じように困惑し、一様に不安な表情を見せている。
それには宰相ケリードも、難しい顔をして同じように困惑している様子だったが、やがて重い口を開く。
「ベルード卿、私も皆と同じ気持ちです。それに急に宰相という重要な役に就くように言われて大変困惑しております。私でさえも詳しくは分かってはいませんが、知っている範囲でお話しします!」
ケリード卿が言うには、ロハス侯爵はカサンドラ国の闇の商団と言われるグムドと取り引きがあったと。
そのグムドは、盗みや恐喝など数々の悪事に手を染め、それに作物の流通を不当に制限して価格を操作するなど、先代のカサンドラ国王の頃からずっと手を焼いてた。なのに一向に悪事の証拠を掴ませない用意周到さがあって根絶やしにできないのが現状だった。
──そんな悪い商団と密輸を?確かにグムドの噂は聞いているし、カサンドラ王が以前から根絶やしにしたがっている事は知っていたが┉。
「それを以前から、我が王とカサンドラの王とで協力して尻尾を掴もうとしていたらしいのだ。情報が漏れてしまっては水の泡になる恐れがあるので秘密裏に行われていたらしい。あの王の剣のジスカル卿に一任されていたようだ。」
──ジスカル┉あの男が!?
ジスカル卿は「王の剣」だ┉。
確かに剣の腕は相当なもので、私が相手で本気を出したとしても互角だろう。
だが、あの者の剣は邪剣だ!相手を甚振ろうとしているのが分かる。
そのような者が「王の剣」だとは┉。
「それで?ロハス侯爵が処刑された件と、元王妃が幽閉され自死したのは聞いています。ただ┉王子殿下と王女殿下はどうなるのでしょう?王族としての籍を剥奪して離宮に居を移したと聞いていますが。陛下の御子であるのは間違いないですし┉特に王子はただお一人で。」
私も他の者も、王子殿下に対しては恩情の措置が取られるのだと思っていた。
まだ皇太子としては扱われてはいなかったが、そうなるのは必定で。だが┉
「王がおっしゃるには┉もうこちらに呼び戻すことはない┉と。あのような者の血筋を王族として認めることは出来ないと。」
これには一堂に驚く。それではあまりにも非情では?
王はまだお若い。だけど男の御子様が今後産まれるかどうかは誰にも分からない。
ほかの妃からお産まれになった王女は居るが、皇太子になるのは王女でも良いというお考えなのだろうか?今まで前例はないのだが┉。
「マッケラン侍従長が言われるには、新しく王妃様をお迎えするそうです。後宮の妃の中からではなく、新しく他国の王族からお迎えすると┉。」
──王は、もうそのような事までお考えなのか?
前の王妃も、親族が罪人だとはいえ亡くなったばかりで┉それでは待っていたようではないか?
この時期にそのように詳しくお決めになっているのであれば┉。
私は何か作為的なものを感じた。
何かの目的に向かって、いろいろな事が起こっているような気がする。
それが勘違いではなく、更に自分をも巻き込んで動いて行っているのを、まだ何も分かってはいなかった┉。
もしかしてこの国の根幹を揺るがすような、大きな事態になっているのではないか?という懸念から┉。
私の他にも、それぞれの領地に居た重臣達も同じように王都に集まる。
まずは事の経緯を聞くべく、新しく宰相に任命されたケリード卿の元に向かう。
「なにがあったのか話していただけますか?ケリード卿。私達、領地に住む者はまさに青天の霹靂でした。あのロハス侯爵が┉と。これまでそう言った噂を全く聞いたことはありませんでしたし。これからどうなるのでしょうか?跡継ぎである王子殿下のことも含めて┉」
ここに同じく集まった者達も、この国の一大事に同じように困惑し、一様に不安な表情を見せている。
それには宰相ケリードも、難しい顔をして同じように困惑している様子だったが、やがて重い口を開く。
「ベルード卿、私も皆と同じ気持ちです。それに急に宰相という重要な役に就くように言われて大変困惑しております。私でさえも詳しくは分かってはいませんが、知っている範囲でお話しします!」
ケリード卿が言うには、ロハス侯爵はカサンドラ国の闇の商団と言われるグムドと取り引きがあったと。
そのグムドは、盗みや恐喝など数々の悪事に手を染め、それに作物の流通を不当に制限して価格を操作するなど、先代のカサンドラ国王の頃からずっと手を焼いてた。なのに一向に悪事の証拠を掴ませない用意周到さがあって根絶やしにできないのが現状だった。
──そんな悪い商団と密輸を?確かにグムドの噂は聞いているし、カサンドラ王が以前から根絶やしにしたがっている事は知っていたが┉。
「それを以前から、我が王とカサンドラの王とで協力して尻尾を掴もうとしていたらしいのだ。情報が漏れてしまっては水の泡になる恐れがあるので秘密裏に行われていたらしい。あの王の剣のジスカル卿に一任されていたようだ。」
──ジスカル┉あの男が!?
ジスカル卿は「王の剣」だ┉。
確かに剣の腕は相当なもので、私が相手で本気を出したとしても互角だろう。
だが、あの者の剣は邪剣だ!相手を甚振ろうとしているのが分かる。
そのような者が「王の剣」だとは┉。
「それで?ロハス侯爵が処刑された件と、元王妃が幽閉され自死したのは聞いています。ただ┉王子殿下と王女殿下はどうなるのでしょう?王族としての籍を剥奪して離宮に居を移したと聞いていますが。陛下の御子であるのは間違いないですし┉特に王子はただお一人で。」
私も他の者も、王子殿下に対しては恩情の措置が取られるのだと思っていた。
まだ皇太子としては扱われてはいなかったが、そうなるのは必定で。だが┉
「王がおっしゃるには┉もうこちらに呼び戻すことはない┉と。あのような者の血筋を王族として認めることは出来ないと。」
これには一堂に驚く。それではあまりにも非情では?
王はまだお若い。だけど男の御子様が今後産まれるかどうかは誰にも分からない。
ほかの妃からお産まれになった王女は居るが、皇太子になるのは王女でも良いというお考えなのだろうか?今まで前例はないのだが┉。
「マッケラン侍従長が言われるには、新しく王妃様をお迎えするそうです。後宮の妃の中からではなく、新しく他国の王族からお迎えすると┉。」
──王は、もうそのような事までお考えなのか?
前の王妃も、親族が罪人だとはいえ亡くなったばかりで┉それでは待っていたようではないか?
この時期にそのように詳しくお決めになっているのであれば┉。
私は何か作為的なものを感じた。
何かの目的に向かって、いろいろな事が起こっているような気がする。
それが勘違いではなく、更に自分をも巻き込んで動いて行っているのを、まだ何も分かってはいなかった┉。
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